一夜明けた24日朝、香港中心部にある新聞の販売店では、最後の紙面を買い求めようと通勤途中の人などが次々に訪れていました。
このうち、子どものころから「リンゴ日報」を読んでいるという男性は「権力者があらゆるものを少しずつ消し去ろうとしている。でも私たちには何もできない」と怒りをあらわにしていました。
また、60代の男性は「リンゴ日報が新聞を出せなくなったことは、香港にとって悲しいことです。香港はもう変わってしまった。少しの反対意見も許されない」と話して、肩を落としていました。
リンゴ日報は、中国や香港の政府を厳しく批判してきたことで知られ、多くの市民に支持されてきただけに、香港の「言論の自由」が大きく後退したとして、批判の声が上がっています。
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香港「リンゴ日報」発行停止に 市民からは批判の声
2021-06-24 02:30:57

中国に批判的な論調で知られる香港の新聞「リンゴ日報」は、香港国家安全維持法に違反したとして警察に資金が凍結されたことなどを受けて、24日の朝刊を最後に発行停止に追い込まれました。
新聞の販売店では、通勤途中の人などが次々と訪れて最後の紙面を買い求める姿がみられ、言論の自由が大きく後退したという批判の声が聞かれました。
新聞の販売店では、通勤途中の人などが次々と訪れて最後の紙面を買い求める姿がみられ、言論の自由が大きく後退したという批判の声が聞かれました。
香港の新聞「リンゴ日報」は、香港国家安全維持法に違反した疑いで幹部の逮捕が相次いだうえ、警察に資金が凍結され、24日の朝刊を最後に新聞の発行を停止しました。
郊外にあるリンゴ日報の本社前には昨夜遅く、数百人の市民が集まり、建物内で最後の編集作業にあたる記者らに向けて「ありがとう」などと声援を送っていました。

最後の新聞を購入した人たち

香港中心部にある新聞の販売店では、通勤途中の人などが訪れ、24日の朝刊を最後に新聞の発行が停止された「リンゴ日報」を次々に買い求めていました。
このうち、子どものころから「リンゴ日報」を読んでいるという男性は「権力者があらゆるものを少しずつ消し去ろうとしている。でも私たちには何もできない」と怒りをあらわにしていました。
また、60代の男性は「リンゴ日報が新聞を出せなくなったことは、香港にとって悲しいことです。香港はもう変わってしまった。少しの反対意見も許されない」と話して、肩を落としていました。
新聞を2部買い求めた女性は「リンゴ日報にとって最後の新聞です。これはひとつの歴史なので、1部は読むために買いましたがもう1部はとっておきます」と話していました。
また、別の男性は「新聞にそれぞれの立場があるのは普通のことです。読者が自分たちが信じる事実を選べばいいはずなのに」と話し、当局の対応を批判しました。
このうち、子どものころから「リンゴ日報」を読んでいるという男性は「権力者があらゆるものを少しずつ消し去ろうとしている。でも私たちには何もできない」と怒りをあらわにしていました。
また、60代の男性は「リンゴ日報が新聞を出せなくなったことは、香港にとって悲しいことです。香港はもう変わってしまった。少しの反対意見も許されない」と話して、肩を落としていました。
新聞を2部買い求めた女性は「リンゴ日報にとって最後の新聞です。これはひとつの歴史なので、1部は読むために買いましたがもう1部はとっておきます」と話していました。
また、別の男性は「新聞にそれぞれの立場があるのは普通のことです。読者が自分たちが信じる事実を選べばいいはずなのに」と話し、当局の対応を批判しました。
中国メディア「新たな時代を迎える」
「リンゴ日報」の発行停止について、中国共産党系のメディア、「環球時報」の英語版は、中国の専門家の見方として「一部の外国のジャーナリストなどは嘆き、『時代の終わり』だと主張するが、まさに、中国の内政に干渉をする外国の代理人や香港独立の勢力らが、永遠に政治生命を絶つという『時代の終わり』だ」などと伝えています。
そして、来月1日に、香港が中国に返還されて24年になることや、中国共産党創立から100年となることに触れたうえで「リンゴ日報の発行停止で香港の法治と一国二制度がよりよく実践されるようになり国全体の発展によりよく統合される新たな時代を迎える」などとしています。
そして、来月1日に、香港が中国に返還されて24年になることや、中国共産党創立から100年となることに触れたうえで「リンゴ日報の発行停止で香港の法治と一国二制度がよりよく実践されるようになり国全体の発展によりよく統合される新たな時代を迎える」などとしています。
ニューヨークで抗議活動

アメリカ・ニューヨークにある中国総領事館の前では抗議活動が行われ、集まった人たちはリンゴ日報の発行停止に抗議し、中国政府や香港政府に言論の自由を守るよう訴えました。
参加者たちは歩道にチョークでリンゴの絵を描き、その中に「言論の自由」と書き込んで、「自由な香港を」などと抗議の声を上げていました。
中国からアメリカに移住したという男性は「とても悲しいです。リンゴ日報は暗闇の中の明かりのような存在でしたが、消されてしまいました」と話していました。
また地元に住む女性は「リンゴ日報が中国政府によって発行停止に追い込まれたのは明らかです。自由や人権が脅かされています」と危機感を示していました。
そして、かつて香港に住んでいたという女性は「香港の民主主義のために声を上げ闘い続けます」と話していました。
参加者たちは歩道にチョークでリンゴの絵を描き、その中に「言論の自由」と書き込んで、「自由な香港を」などと抗議の声を上げていました。
中国からアメリカに移住したという男性は「とても悲しいです。リンゴ日報は暗闇の中の明かりのような存在でしたが、消されてしまいました」と話していました。
また地元に住む女性は「リンゴ日報が中国政府によって発行停止に追い込まれたのは明らかです。自由や人権が脅かされています」と危機感を示していました。
そして、かつて香港に住んでいたという女性は「香港の民主主義のために声を上げ闘い続けます」と話していました。
ソース:NHK ニュース