外交筋によりますと、ウクライナのゼレンスキー大統領は、広島訪問が実現した場合、岸田総理大臣との個別の会談を行う方向で調整を進めているということです。
また、その場合、原爆資料館を視察する方向で調整を進めているということです。
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ウクライナ政府 “ゼレンスキー大統領 訪日しサミット出席へ”
2023-05-19 07:40:18

ウクライナ政府で、安全保障を担当する国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は19日、公共放送のインタビューに対し、ゼレンスキー大統領がG7広島サミットに出席するため、日本を訪問すると明らかにしました。
そのうえで、ダニロフ書記は、「非常に重要なことがサミットで決まる。ウクライナの利益を守るためにも、ゼレンスキー大統領が現地に行くことが重要だ」と述べ、サミットに出席する意義を強調しました。
そのうえで、ダニロフ書記は、「非常に重要なことがサミットで決まる。ウクライナの利益を守るためにも、ゼレンスキー大統領が現地に行くことが重要だ」と述べ、サミットに出席する意義を強調しました。
ゼレンスキー大統領 “訪問実現の場合 岸田首相と個別会談”
“訪問の際 バイデン大統領と首脳会談” 米有力紙
アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは、ゼレンスキー大統領がいつ広島に到着するかについて複数のアメリカの政府関係者は安全上の理由から明らかにしなかったとしています。
そのうえで、ゼレンスキー大統領が広島を訪問した際には、アメリカのバイデン大統領と首脳会談を行うことになるだろうと伝えています。
また、インドのモディ首相やブラジルのルーラ大統領などもG7広島サミットに招待されていることを踏まえ「ゼレンスキー大統領がG7に出席することで、インドやブラジルなどの指導者らがウクライナ支援に対して消極的な姿勢をとり続けることをより難しくする可能性があると、アメリカの政府関係者は指摘している」と報じています。
そのうえで、ゼレンスキー大統領が広島を訪問した際には、アメリカのバイデン大統領と首脳会談を行うことになるだろうと伝えています。
また、インドのモディ首相やブラジルのルーラ大統領などもG7広島サミットに招待されていることを踏まえ「ゼレンスキー大統領がG7に出席することで、インドやブラジルなどの指導者らがウクライナ支援に対して消極的な姿勢をとり続けることをより難しくする可能性があると、アメリカの政府関係者は指摘している」と報じています。
ゼレンスキー大統領のねらいは
ウクライナのゼレンスキー大統領は、欧米側に軍事支援を継続、強化するよう直接対面で訴え、領土奪還に向けた反転攻勢の成功につなげたい考えです。
また、サミットを通じてロシアへの圧力が一層強まり、ロシアを国際的に孤立させることを期待しています。
広島での会合には、グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国も出席し、中間的な立場をとっている国も少なくないことから、幅広く支援を訴えたいとの考えもあるものとみられます。
また、核をめぐる議論も重要なテーマととらえています。
ロシアのプーチン大統領は、核戦力の使用も辞さない構えを繰り返し示しています。
そして、ロシア軍が占拠を続ける南部のザポリージャ原子力発電所では安全性への懸念が強まっていて、ゼレンスキー大統領は4月には「ロシアが原発の施設を利用して世界を脅す機会を与えてはならない」と強調しています。
このため被爆地・広島で、核の脅しを許さないという強い姿勢を示すねらいもあるとみられます。
岸田総理大臣がことし3月にウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した際に出した共同声明の中でも、ロシアによる核兵器使用の威嚇が国際社会の平和と安全に対する深刻、かつ容認できない脅威だとして非難しています。
そのうえで、過去77年間の核兵器不使用の歴史をロシアが壊してはならないと強調する内容が声明に盛り込まれました。
さらに、ゼレンスキー大統領としてはサミットを通じて、自身が提唱するロシア軍の撤退やウクライナの領土の一体性の回復などを含む10項目の和平提案への支持も取り付けたい考えです。
また、サミットを通じてロシアへの圧力が一層強まり、ロシアを国際的に孤立させることを期待しています。
広島での会合には、グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国も出席し、中間的な立場をとっている国も少なくないことから、幅広く支援を訴えたいとの考えもあるものとみられます。
また、核をめぐる議論も重要なテーマととらえています。
ロシアのプーチン大統領は、核戦力の使用も辞さない構えを繰り返し示しています。
そして、ロシア軍が占拠を続ける南部のザポリージャ原子力発電所では安全性への懸念が強まっていて、ゼレンスキー大統領は4月には「ロシアが原発の施設を利用して世界を脅す機会を与えてはならない」と強調しています。
このため被爆地・広島で、核の脅しを許さないという強い姿勢を示すねらいもあるとみられます。
岸田総理大臣がことし3月にウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した際に出した共同声明の中でも、ロシアによる核兵器使用の威嚇が国際社会の平和と安全に対する深刻、かつ容認できない脅威だとして非難しています。
そのうえで、過去77年間の核兵器不使用の歴史をロシアが壊してはならないと強調する内容が声明に盛り込まれました。
さらに、ゼレンスキー大統領としてはサミットを通じて、自身が提唱するロシア軍の撤退やウクライナの領土の一体性の回復などを含む10項目の和平提案への支持も取り付けたい考えです。
ウクライナから避難の女性「戦争止めるための具体策を」
ウクライナのゼレンスキー大統領が来日し、G7広島サミットに出席する見通しになったことについて、ウクライナの首都キーウから息子と2人で日本に避難しているシェウチェンコ・オレナさん(44)は、「広島は核兵器が落とされた都市で、世界にとって重要な意味をもった場所です。その広島でG7サミットが開催され、ゼレンスキー大統領が出席することはとても素晴らしいことで、ロシアとウクライナの戦争を止めるために、非常に大きな意味を持っていると思います」と話しました。
そのうえで、「ゼレンスキー大統領には、ウクライナでは今も女性や子どもたちをはじめ、多くの命が失われ続けているという現実を世界に訴え、戦争を止めるための具体策を決めてほしいです。世界のリーダーたちとの協議が実りあるものとなり、人々が、また幸せな日常を取り戻すことを期待しています」と話していました。
そのうえで、「ゼレンスキー大統領には、ウクライナでは今も女性や子どもたちをはじめ、多くの命が失われ続けているという現実を世界に訴え、戦争を止めるための具体策を決めてほしいです。世界のリーダーたちとの協議が実りあるものとなり、人々が、また幸せな日常を取り戻すことを期待しています」と話していました。
ゼレンスキー大統領とは
ボロディミル・ゼレンスキー大統領は45歳。
ウクライナ東部のドニプロペトロウシク州出身で、もともとはコメディアンや俳優として活動する人気タレントでした。
大統領の役で出演したドラマが大ヒットしたことを受けて、4年前、政治経験がないまま大統領選挙に立候補すると、若者を中心に幅広い支持を集め、決選投票では70%を超える得票率で、現職を破りました。
この年、天皇陛下の即位の礼に参列するため、オレーナ夫人とともに日本を訪れ、当時の安倍総理大臣と会談も行いました。
ウクライナ東部では、当時すでに親ロシア派武装勢力との戦闘が続いていて、ゼレンスキー氏は東部の安定化を目指すとともに、ロシアとの対話も重視する姿勢を示していましたが、ロシアの圧力が強まる中、ウクライナ国内では「弱腰だ」と批判する声も上がっていました。
ロシアによる軍事侵攻後、ゼレンスキー大統領は首都キーウの大統領府に残って、ロシアに屈しないという意志をSNSなどで積極的に発信しました。
連日、ウクライナの国章をあしらった服などに身を包み、SNSの動画で国民に語りかけて結束を訴えたり、国際社会に対して支援を呼びかけたりしています。
また、欧米各国の要人との会談や国際会議での演説を重ね、プーチン政権に軍事侵攻の継続を断念させる追加の強力な経済制裁を科すよう訴えるとともに、ウクライナに対する軍事的・人道的な支援を求めてきました。
ウクライナ軍が領土の奪還を目指してロシア側への抗戦を続ける中、積極的に現場に赴き、4月には東部ドネツク州の激戦地の一つのアウディーイウカを訪れ、現地の司令官から報告を受けたうえで「望むことは勝利だけだ」として戦闘を続ける兵士らを激励しました。
毎年、世界に最も影響を与えた「ことしの人」を発表しているアメリカの雑誌「タイム」は、去年、ゼレンスキー大統領と「ウクライナの精神」を選んでいます。
ことし3月には、G7広島サミットを前に首都キーウを訪れた岸田総理大臣とも会談し、日本が議長国として果たす役割に期待を示していました。
ウクライナ東部のドニプロペトロウシク州出身で、もともとはコメディアンや俳優として活動する人気タレントでした。
大統領の役で出演したドラマが大ヒットしたことを受けて、4年前、政治経験がないまま大統領選挙に立候補すると、若者を中心に幅広い支持を集め、決選投票では70%を超える得票率で、現職を破りました。
この年、天皇陛下の即位の礼に参列するため、オレーナ夫人とともに日本を訪れ、当時の安倍総理大臣と会談も行いました。
ウクライナ東部では、当時すでに親ロシア派武装勢力との戦闘が続いていて、ゼレンスキー氏は東部の安定化を目指すとともに、ロシアとの対話も重視する姿勢を示していましたが、ロシアの圧力が強まる中、ウクライナ国内では「弱腰だ」と批判する声も上がっていました。
ロシアによる軍事侵攻後、ゼレンスキー大統領は首都キーウの大統領府に残って、ロシアに屈しないという意志をSNSなどで積極的に発信しました。
連日、ウクライナの国章をあしらった服などに身を包み、SNSの動画で国民に語りかけて結束を訴えたり、国際社会に対して支援を呼びかけたりしています。
また、欧米各国の要人との会談や国際会議での演説を重ね、プーチン政権に軍事侵攻の継続を断念させる追加の強力な経済制裁を科すよう訴えるとともに、ウクライナに対する軍事的・人道的な支援を求めてきました。
ウクライナ軍が領土の奪還を目指してロシア側への抗戦を続ける中、積極的に現場に赴き、4月には東部ドネツク州の激戦地の一つのアウディーイウカを訪れ、現地の司令官から報告を受けたうえで「望むことは勝利だけだ」として戦闘を続ける兵士らを激励しました。
毎年、世界に最も影響を与えた「ことしの人」を発表しているアメリカの雑誌「タイム」は、去年、ゼレンスキー大統領と「ウクライナの精神」を選んでいます。
ことし3月には、G7広島サミットを前に首都キーウを訪れた岸田総理大臣とも会談し、日本が議長国として果たす役割に期待を示していました。
ゼレンスキー大統領の外国訪問
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアによる軍事侵攻が始まって以降初めての外国訪問先として、去年12月、アメリカの首都ワシントンを訪れました。
ワシントンでバイデン大統領と首脳会談を行ったほか、連邦議会で演説し「皆さんの支援は慈善行為ではない。世界の安全保障と民主主義への投資だ」と述べ、支援の継続と、さらなる兵器の供与を求めました。
ゼレンスキー大統領は、5月に入って外国への訪問を相次いで行っていて、初旬にはフィンランドとオランダ、5月13日から15日にかけては、イタリア、バチカン、ドイツ、フランス、イギリスを訪問しました。
これまでゼレンスキー大統領は軍事侵攻以降、欧米各国以外に訪問したことはなく、日本を訪れた場合、アジアでは初めての訪問先となります。
ワシントンでバイデン大統領と首脳会談を行ったほか、連邦議会で演説し「皆さんの支援は慈善行為ではない。世界の安全保障と民主主義への投資だ」と述べ、支援の継続と、さらなる兵器の供与を求めました。
ゼレンスキー大統領は、5月に入って外国への訪問を相次いで行っていて、初旬にはフィンランドとオランダ、5月13日から15日にかけては、イタリア、バチカン、ドイツ、フランス、イギリスを訪問しました。
これまでゼレンスキー大統領は軍事侵攻以降、欧米各国以外に訪問したことはなく、日本を訪れた場合、アジアでは初めての訪問先となります。
ソース:NHK ニュース