2025年の大阪・関西万博の「大阪パビリオン」に出展すべく試作が進められている「人間洗濯機」。
開発しているのは、小さな泡の研究と、その技術を使った製品開発を行ってきた、大阪の会社です。
この会社の青山恭明会長が「人間洗濯機」を作るきっかけになったのは、1970年の大阪万博で展示された、元祖の「人間洗濯機」を見たことでした。
Show Furigana
心の疲れも洗い流す!? 「人間洗濯機」万博にふたたび
2022-07-21 08:00:59

2025年に開催される「大阪・関西万博」。半世紀の時を超えて2度目の万博が開催される大阪では、展示に向けたさまざまな技術の開発が進められています。
そのひとつが、前回、1970年の万博で大きな話題になった「人間洗濯機」を、ふたたび開発し展示しようという計画です。
“令和の人間洗濯機”の目標は、体の汚れだけでなく、心の疲れも洗い流すことだとか。いったい、どんなものになるのでしょうか。
そのひとつが、前回、1970年の万博で大きな話題になった「人間洗濯機」を、ふたたび開発し展示しようという計画です。
“令和の人間洗濯機”の目標は、体の汚れだけでなく、心の疲れも洗い流すことだとか。いったい、どんなものになるのでしょうか。
少年時代の“ウソやろ”が開発の原点



当時小学4年生だった青山会長にとって、未来を強く意識する展示だったといいます。


青山会長
「会場へ入った瞬間に夢の世界でしたね。人間洗濯機を見た時はもう、ありえない、カプセルの中に入ったら勝手にきれいになるなんて“ウソやろ”って思いましたね。あの時に自分はいつかこういうすごい未来みたいなものをやれるようになりたいと思ったんです」
「会場へ入った瞬間に夢の世界でしたね。人間洗濯機を見た時はもう、ありえない、カプセルの中に入ったら勝手にきれいになるなんて“ウソやろ”って思いましたね。あの時に自分はいつかこういうすごい未来みたいなものをやれるようになりたいと思ったんです」
前回開発に携わった人にもアドバイス求める
会社では15年ほど前から「人間洗濯機」に関する研究を本格的にスタート。
数年かけて、微細な泡で体の汚れを落とす風呂を製品化しました。
数年かけて、微細な泡で体の汚れを落とす風呂を製品化しました。

2025年の万博に向けて、さらに改良したものを作ろうとする中で、前回の大阪万博で「人間洗濯機」の開発に携わった2人にも、アドバイスを求めました。

その1人、エンジニアの山谷英二さんは、体の表面を洗うだけでなく、心の疲れも洗い流す「人間洗濯機」にしたいと、前々から考えていました。
山谷さん
「体を洗えるというのは当たり前なんでね、これは強調してもしょうがないと思うんです。やっぱり心がどれだけ癒やされていくかと」
山谷さん
「体を洗えるというのは当たり前なんでね、これは強調してもしょうがないと思うんです。やっぱり心がどれだけ癒やされていくかと」
どうやって“心を洗う”の?

“心の部分”について、青山さんたちと共同研究を進めているのが、大阪大学の研究グループです。

風呂に入った人に映像を見てもらい、心拍数にどう影響が及ぶかを研究しています。

風呂のいすにはセンサーが取り付けられていて、心電計につながっています。
そこで得られたデータから、心拍や自律神経の数値を解析し、リラックスできているかどうかを測ろうとしています。
そこで得られたデータから、心拍や自律神経の数値を解析し、リラックスできているかどうかを測ろうとしています。

どんな映像を風呂で見るとリラックスに効果的か、データを蓄積し、将来的には、その人の心身の状態に最適な映像を自動的に流せるようにするのが目標です。

大阪大学産業科学研究所 神吉輝夫准教授
「3年後までには、人工知能(AI)で、自然にリラックスできるような映像が流れるというところまでの開発をして、万博に出展したいと思います」
「3年後までには、人工知能(AI)で、自然にリラックスできるような映像が流れるというところまでの開発をして、万博に出展したいと思います」
万博で見てほしいのは“未来”

3年後に迫った「大阪・関西万博」。
「人間洗濯機」が出展される「大阪パビリオン」は、“未来都市の生活”をテーマに、医療や健康分野の展示をする予定です。
“令和の人間洗濯機”を開発中の青山会長は、未来に夢をもてるような展示をしたいと考えています。
「人間洗濯機」が出展される「大阪パビリオン」は、“未来都市の生活”をテーマに、医療や健康分野の展示をする予定です。
“令和の人間洗濯機”を開発中の青山会長は、未来に夢をもてるような展示をしたいと考えています。

青山会長
「体だけではなくて心も整える『人間洗濯機』を見ていただいて、50年前の僕のように“うわっ”と感動してもらって、将来に夢をはせるような子どもたちが増えたら、すごくうれしいなと思っています。だから絶対やらなきゃって思ってます」
「体だけではなくて心も整える『人間洗濯機』を見ていただいて、50年前の僕のように“うわっ”と感動してもらって、将来に夢をはせるような子どもたちが増えたら、すごくうれしいなと思っています。だから絶対やらなきゃって思ってます」

(大阪放送局 ニュースリポ―ター 小川真由)
ソース:NHK ニュース