「法ほうの支配しはい 根底こんていから揺ゆるがす」憲法けんぽう学者がくしゃら検事けんじ長ちょう定年ていねん延長えんちょう批判ひはん

東京とうきょう高等こうとう検察庁けんさつちょうの検事けんじ長ちょうの定年ていねん延長えんちょうをめぐり、憲法けんぽう学者がくしゃなどのグループが21日にち、都内とないで会見かいけんし「政権せいけんの都合つごうで従来じゅうらいの法ほう解釈かいしゃくを自由じゆうに変更へんこうしてかまわないということでは、法ほうの支配しはいが根底こんていから揺ゆるがされる」とする抗議こうぎ声明せいめいを発表はっぴょうしました。

東京とうきょう高検こうけんの黒川くろかわ検事けんじ長ちょうの定年ていねんは国家こっか公務員こうむいん法ほうに基もとづいて延長えんちょうされましたが、森もり法務ほうむ大臣だいじんは国家こっか公務員こうむいん法ほうに定年ていねん制せいが導入どうにゅうされた当時とうじには、検察官けんさつかんの定年ていねん延長えんちょうが可能かのうとは解釈かいしゃくされていなかったものの、今回こんかいの政府せいふの法ほう解釈かいしゃくで可能かのうになったという認識にんしきを示しめしています。

これについて、憲法けんぽう学者がくしゃや政治せいじ学者がくしゃなどで作つくる「立憲りっけんデモクラシーの会かい」が21日にち、都内とないで記者きしゃ会見かいけんし抗議こうぎ声明せいめいを発表はっぴょうしました。

声明せいめいでは「権力けんりょくの中枢ちゅうすうにある者ものの犯罪はんざいをも捜査そうさの対象たいしょうとする検察官けんさつかんの人事じんじのルールは、国会こっかいの審議しんぎ・決定けっていを経けいずして、単たんなる閣議かくぎ決定けっていで決きめられるべき事柄ことがらではない」としたうえで、「ときの政権せいけんの都合つごうで、従来じゅうらいの法ほう解釈かいしゃくを自由じゆうに変更へんこうしてかまわないということでは、政権せいけんの行動こうどうを枠わくにはめるべき法ほうの支配しはいが根底こんていから揺ゆるがされる」としています。

定年ていねん延長えんちょうをめぐっては、人事じんじ院いんの給与きゅうよ局長きょくちょうが今月こんげつ12日にちに、「検察官けんさつかんには国家こっか公務員こうむいん法ほうの規定きていの適用てきようは除外じょがいされていると理解りかいし、同おなじ解釈かいしゃくを続つづけている」などと述のべた答弁とうべんを、19日にち、「言いい間違まちがえた」などとして修正しゅうせいしています。

これについて、グループの共同きょうどう代表だいひょうで法政ほうせい大学だいがくの山口やまぐち二郎じろう教授きょうじゅは、21日にちの会見かいけんで「法ほうの安定あんてい的てきな解釈かいしゃく運用うんようや公平こうへいな行政ぎょうせいの実施じっしに誇ほこりを持もっている行政ぎょうせい官かんを、いわば力ちからずくで屈服くっぷくさせたようなもので、ある種たねの暴力ぼうりょくを感かんじる」と批判ひはんしました。

また、東京とうきょう外国がいこく語ご大学だいがくの西谷にしたに修おさむ名誉めいよ教授きょうじゅは「あらゆる職務しょくむ義務ぎむや倫理りんりに反はんしても、政府せいふがやっていることを正ただしいことにしなくてはいけないというのが、今いまの日本にっぽんの政治せいじ状況じょうきょうだ」と話はなしていました。

法務省ほうむしょう「国家こっか公務員こうむいん法ほうの規定きていが適用てきようされると解かいするのが自然しぜん」

一方いっぽう、東京とうきょう高等こうとう検察庁けんさつちょうの黒川くろかわ検事けんじ長ちょうの定年ていねん延長えんちょうをめぐって、法務省ほうむしょうは「検察官けんさつかんの定年ていねんによる退職たいしょくは広ひろくとらえれば、国家こっか公務員こうむいん法ほうの『定年ていねんによる退職たいしょく』に包含ほうがんされる。検察官けんさつかんにも国家こっか公務員こうむいん法ほうの規定きていが適用てきようされると解かいするのが自然しぜんだ」などとする文書ぶんしょを国会こっかいに提出ていしゅつしています。

ソース：NHK ニュース