千葉ちば 小４しょうよん女児じょじ虐待ぎゃくたい事件じけん 裁判さいばん長ちょう「本当ほんとうのこと話はなしているか？」

千葉ちば県けん野田のだ市しで長女ちょうじょを虐待ぎゃくたいして死亡しぼうさせた罪つみに問とわれている父親ちちおやの裁判さいばんで、被告ひこくは６ろく日にちも女の子おんなのこに対にたいする暴行ぼうこうの大だい部分ぶぶんを改あらためて否定ひていしました。裁判さいばん長ちょうが「イメージのわかない話はなしもあるが本当ほんとうのことを話はなしているか」と尋たずねる場面ばめんもあり、被告ひこくは「話はなしています」と淡々たんたんと答こたえました。

去年きょねん１月いちがつ、千葉ちば県けん野田のだ市しの小学しょうがく４よん年生ねんせい、栗原くりはら心こころ愛あいさん（当時とうじ10）が自宅じたくの浴室よくしつで死亡しぼうしているのが見みつかった事件じけんでは、父親ちちおやの勇いさむ一郎いちろう被告ひこく（42）が、冷水れいすいのシャワーを顔かおに浴あびせ続つづけて死亡しぼうさせたなどとして傷害しょうがい致死ちしなどの罪つみに問とわれています。

６ろく日にちの被告ひこく人じん質問しつもんでは、心こころ愛あいさんが亡なくなる直前ちょくぜんの状況じょうきょうについて検察官けんさつかんが質問しつもんし、被告ひこくは改あらためて暴行ぼうこうの大だい部分ぶぶんを否定ひていしました。

そして、検察官けんさつかんから「この裁判さいばんを聞きいたら心こころ愛あいさんはどう思おもうか」と聞きかれると被告ひこくは「分わかりません」と答こたえました。

さらに「心こころ愛あいさんに責任せきにんを押おしつけているのではないか。死人しにんに口くちなしでおとしめていると思おもわないか」と強つよい口調くちょうでただされると、被告ひこくは「事実じじつを話はなそうとここまで話はなしをしてきた。そう思おもわれるかもしれないが１いち年ねん以上いじょうにわたって考かんがえてきた心こころ愛あいへの思おもいです」と述のべました。

また、５ご日にちの審理しんりの最後さいごには裁判さいばん長ちょうが「被告ひこくが話はなすことの中なかでイメージがわかないこともあったが、本当ほんとうのことを話はなしているか」と尋たずねる場面ばめんがあり、これに対にたいして被告ひこくは「話はなしています」と淡々たんたんと答こたえていました。

裁判さいばんは今月こんげつ９きゅう日にちに検察けんさつによる論告ろんこく求刑きゅうけいと弁護士べんごしによる最終さいしゅう弁論べんろんが行おこなわれて結審けっしんし、判決はんけつは今月こんげつ19日にちに言い渡いいわたされる予定よていです。

第三者だいさんしゃ委い 委員いいん長ちょう「こういう人ひとがいること含ふくめ対応たいおう考かんがえるべき」

今回こんかいの事件じけんで児童じどう相談そうだん所しょなどの対応たいおうの問題もんだい点てんなどを検証けんしょうした千葉ちば県けんの第三者だいさんしゃ委員いいん会かいの川崎かわさき二に三彦みつひこ委員いいん長ちょうは６ろく日にちの被告ひこく人じん質問しつもんを傍聴ぼうちょうしました。

終了しゅうりょう後ご、報道陣ほうどうじんの質問しつもんに答こたえた川崎かわさき委員いいん長ちょうは被告ひこくの印象いんしょうについて「『虐待ぎゃくたいしている』と言いいながら証言しょうげんでは虐待ぎゃくたいとは言いえないような中身なかみしか認みとめておらず、実際じっさいには心こころ愛あいさんが亡なくなった虐待ぎゃくたいそのものを認みとめていないともいえる。さまざまな証人しょうにんの証言しょうげんも最後さいごまで否定ひていしており、正確せいかくな表現ひょうげんではないが『大変たいへんな人ひとだな』と感かんじた」と述のべました。

そのうえで、「ここまで認みとめないわけだから、児童じどう相談そうだん所しょのような援助えんじょ機関きかんが虐待ぎゃくたいについて聞きいても答こたえることはなくこういう人ひとがいることも含ふくめてどう対応たいおうしていくかを考かんがえることが今後こんごの課題かだいだ」と指摘してきしました。

加害かがい者しゃの更生こうせい支援しえん団体だんたい「虐待ぎゃくたい認みとめられない加害かがい者しゃ多おおい」

虐待ぎゃくたいやＤＶの加害かがい者しゃの更生こうせいを支援しえんする団体だんたい「エープラス」の代表だいひょうを務つとめる吉祥きっしょう眞まこと佐さ緒いとぐちさんはこれまで多おおくの虐待ぎゃくたい加害かがい者しゃと関かかわってきました。

吉よし祥さちさんは６ろく日にちの被告ひこく人じん質問しつもんを傍聴ぼうちょうし、法廷ほうていでの勇いさむ一郎いちろう被告ひこくの印象いんしょうについて、「『やっていない』と否定ひていするときは、心こころのシャッターを下おろしたように淡々たんたんと答こたえていたが、自分じぶんの主張しゅちょうを述のべるときは流りゅうちょうに感情かんじょうが入はいった話し方はなしかたをしているように感かんじた」と述のべました。

また、被告ひこくが多おおくの証人しょうにんの話はなしと異ことなる主張しゅちょうをしていることについては「虐待ぎゃくたいの加害かがい者しゃは、認みとめることによって自分じぶんが自分じぶんでなくなる恐怖きょうふ感かんを感かんじたり、尊厳そんげんやプライドを守まもれないと考かんがえたりして、最後さいごまで認みとめられない人ひとが多おおいのは事実じじつだ」と指摘してきしたうえで、「被告ひこくは自分じぶんがやったことをじっくり振り返ふりかえる機会きかいが必要ひつようだと思おもう。人生じんせいを振り返ふりかえり、子こどもの命いのちについて考かんがえてほしい」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース