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東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいからきゅうねん よんまん8000にんちかいま避難ひなん生活せいかつ

2020-03-10 16:19:56

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東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこ発生はっせいから11にちきゅうねんです。いま福島ふくしまけん住民じゅうみん中心ちゅうしんよんまん8000にんちか避難ひなん生活せいかつ余儀よぎなくされています。また災害さいがい公営こうえい住宅じゅうたく建設けんせつなどまい復興ふっこう事業じぎょうほぼ完了かんりょうした一方いっぽう震災しんさいまえくらべて人口じんこう減少げんしょうし、らし地域ちいきのつながりについて「復興ふっこうした」という実感じっかんとぼしいままです。
きゅうねんまえ平成へいせい23ねん3月さんがつ11にち午後ごご46ふんごろ、東北とうほくおきでマグニチュード9.0の巨大きょだい地震じしん発生はっせいし、東北とうほく関東かんとう沿岸えんがんたかさ10メートルえる津波つなみ押し寄おしよせました。

これまでに確認かくにんされた死者ししゃ行方ゆくえ不明ふめいしゃいちまん8428にん、また避難ひなん生活せいかつなどくなった「震災しんさい関連かんれん」は3700にん以上いじょうで、「関連かんれん」をふくめた死者ししゃ行方ゆくえ不明ふめいしゃまん2000にんえています。

政府せいふが「復興ふっこうそうせい期間きかん」と位置いちづけた震災しんさい10ねんまでのこいちねんとなるなかまい復興ふっこう事業じぎょうほぼ完了かんりょうし、ことし1月いちがつまつまでに自宅じたくうしなったひとなどはい災害さいがい公営こうえい住宅じゅうたく」は、計画けいかくの99.%7に当にあたるまん9555完成かんせいし、高台たかだいへの移転いてん地盤じばんのかさ工事こうじ完成かんせいした宅地たくちは、わせていちまん8053計画けいかくの99%にたっしました。

人口じんこう減少げんしょう歯止はどめかからず

一方いっぽう避難ひなん余儀よぎなくされているひとは、復興ふっこうちょう先月せんげつ時点じてんのまとめで全国ぜんこくよんまん7737にんのぼっていて、このうちけんがい避難ひなん生活せいかつおくっているひと福島ふくしまけんからがさんまん914にん全体ぜんたいおよそ65%をめています。

また被災ひさいでは人口じんこう減少げんしょう歯止はどめがかららず、NHKえぬえいちけい国勢こくせい調査ちょうさをもとにした自治体じちたいデータ使つかい、先月せんげついちにちまでの人口じんこう増減ぞうげんをまとめたところ、岩手いわて宮城みやぎ福島ふくしまの35の自治体じちたいうち震災しんさいまえくらべて10%以上いじょう人口じんこうった自治体じちたいは23とろくわり以上いじょうのぼっています。

復興ふっこう実感じっかんとぼしいまま

被災ひさい現在げんざい復興ふっこう姿すがたについてNHKえぬえいちけい岩手いわて宮城みやぎ福島ふくしま被災ひさいしゃったアンケートでは「思い描おもいえがいていたよりわる」が49%と半数はんすうちかめています。

これらひと分野ぶんやごとの復興ふっこう実感じっかんたずねたところ、地域ちいき経済けいざいは10%にとどかず、らし地域ちいきのつながりは、いずれも20%以下いかにとどまる結果けっかとなりました。

福島ふくしまだいいち原発げんぱつ はい作業さぎょう引き続ひきつづむずかしく

一方いっぽうきゅうねんまえの3つき11にち、10メートルえる巨大きょだい津波つなみによって電源でんげん喪失そうしつし、その後そのごさん原子げんし次々つぎつぎにメルトダウンをこす世界せかい最悪さいあくレベル事故じこいたった福島ふくしまだいいち原発げんぱつでは、40ねんおよとされるはい作業さぎょう工程こうていおよそよんぶんいち期間きかんがすぎました。

現場げんばでは多量たりょうの「放射ほうしゃせい物質ぶっしつ」の存在そんざい引き続ひきつづ作業さぎょうむずかしくしています。

そのおおきな課題かだいひとつは原子げんししたなどちたかく燃料ねんりょうみず注入ちゅうにゅうしてやしているため、いま毎日まいにち放射ほうしゃせい物質ぶっしつふくんだ170トン前後ぜんご汚染おせんすい発生はっせいしていることです。

汚染おせんすい回収かいしゅうされ放射ほうしゃせい物質ぶっしつ取り除とりのぞ処理しょりをしていますが、除去じょきょむずかしいトリチウムなど一部いちぶ放射ほうしゃせい物質ぶっしつのこってしまうため、現在げんざいおよそ1000のタンクにおよそ120まんトン保管ほかんされています。

東京とうきょう電力でんりょく現状げんじょう計画けいかくでは2022ねんなつごろにはすべてのタンクが満杯まんぱいなるとしています。

このみずに関にかんして、経済けいざい産業さんぎょうしょうしょう委員いいんかいは「基準きじゅん以下いかうすめてうみ大気たいき放出ほうしゅつする方法ほうほう現実げんじつてきで、うみのほうがより確実かくじつ実施じっしできるなどとする報告ほうこくしょ先月せんげつ政府せいふ提出ていしゅつしましたが、地元じもと関係かんけいしゃなどから風評ふうひょう被害ひがい心配しんぱいするさまざまなこえがっています。

最終さいしゅうてきにどう処分しょぶんをするか方針ほうしんめるのは政府せいふですが、今後こんごどのようなかたち意見いけん集約しゅうやくはかっていくのか、おおきな注目ちゅうもくあつまっています。

もうひとはい作業さぎょうちはだかる課題かだいは、ちたかく燃料ねんりょういわゆる燃料ねんりょうデブリ」の取り出とりだしです。

いち号機ごうきからさん号機ごうき原子げんしなか原子げんしおさめる原子げんし格納かくのう容器ようきなかちているとみられ、さん合計ごうけいは880トン推定すいていされています。

このうち調査ちょうさもっとすすんでいるのは号機ごうきで、去年きょねん遠隔えんかく操作そうさのロボットでデブリとられる堆積たいせきぶつをつかむことに成功せいこうしました。

こうしたことから、号機ごうきいよいよ来年らいねん取り出とりだしをはじめる予定よていです。

しかし堆積たいせきぶつ確認かくにんした周辺しゅうへん放射線ほうしゃせんりょういち時間じかんたりろくシーベルトをえていて、いち時間じかんほどその場所ばしょにとどまるといたほどのレベルです。

このため作業さぎょうは「遠隔えんかく操作そうさ」によるロボットを使つかったきわめてむずかしいもので、最初さいしょ取り出とりだりょうも「すうグラム程度ていど」の予定よていです。

東京とうきょう電力でんりょくなど段階だんかいてき取り出とりだしの規模きぼ拡大かくだいしていくとしていますが、あたらしい技術ぎじゅつ開発かいはつ必要ひつようとなり、はい作業さぎょうこれからよりむずかしい段階だんかいむかえるといえます。
ソース:NHK ニュース