安倍あべ首相しゅしょう 「リーマン時じ上回うわまわる緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさく 10日にち程度ていどのうちに」

安倍あべ総理そうり大臣だいじんは28日にち記者きしゃ会見かいけんし、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん抑制よくせいは長期ちょうき戦せんになるとしたうえで、今後こんご10日にち程度ていどで、リーマンショックの際さいを上回うわまわる規模きぼの緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさくを策定さくていし、新しん年度ねんどの補正ほせい予算よさん案あんを編成へんせいする考かんがえを示しめしました。また、収入しゅうにゅうが減少げんしょうし、生活せいかつが困難こんなんになるおそれがある世帯せたいなどに対象たいしょうを絞しぼって、現金げんきん給付きゅうふを行おこなう方針ほうしんを示しめしました。さらに、中小ちゅうしょう・小しょう規模きぼ事業じぎょう者しゃなどを対象たいしょうに無む利子りしの融資ゆうしを民間みんかんの金融きんゆう機関きかんからも受うけられる措置そちを講こうじる考かんがえも示しめしました。

安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、27日にち、新しん年度ねんど予算よさんが成立せいりつしたのを受うけて、28日にち、記者きしゃ会見かいけんしました。

冒頭ぼうとう、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが世界せかいで急きゅう拡大かくだいしていると説明せつめいし、「日本にっぽんでも短期間たんきかんのうちに、同おなじ状況じょうきょうになっているかもしれない。最大限さいだいげんの警戒けいかいをお願おねがいしたい」と国民こくみんに呼よびかけました。

そして、東京とうきょう都とで感染かんせん者しゃが急増きゅうぞうしていることに触ふれ、「ひとたび爆発ばくはつ的てきな感染かんせん拡大かくだいが発生はっせいすれば、欧米おうべいの例れいから試算しさんすると、わずか２に週間しゅうかんで、感染かんせん者しゃ数すうが今いまの３さん０ぜろ倍ばい以上いじょうに跳ね上はねあがる。　恐おそろしい敵てきと不屈ふくつの覚悟かくごで戦おののい抜ぬかなければならない」と述のべました。

そのうえで、強つよい危機きき感かんのもと、法律ほうりつに基もとづく対策たいさく本部ほんぶを設置せっちしたとして、「自治体じちたいとの緊密きんみつな連携れんけいのもと、最悪さいあくの事態じたいも想定そうていしながら、感染かんせん拡大かくだいの防止ぼうしに全力ぜんりょくを尽つくす」と強調きょうちょうしました。

緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさく 10日にち程度ていどのうちに取とりまとめ

また、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは「緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさくの策定さくていと、その実行じっこうのための補正ほせい予算よさん案あんの編成へんせいを、このあと指示しじする。今いままさにスピードが求もとめられており、10日にち程度ていどのうちに取とりまとめて速すみやかに国会こっかいに提出ていしゅつしたい」と述のべました。

そのうえで、「国税こくぜい、地方ちほう税ぜいの減免げんめん、金融きんゆう措置そちも含ふくめ、あらゆる政策せいさくを総そう動員どういんする」と述のべました。

そして、感染かんせん防止ぼうしが最さい優先ゆうせんの今いまは、難局なんきょくを乗り切のりきることに重点じゅうてんを置おいた対策たいさくを進すすめるとして、中小ちゅうしょう・小しょう規模きぼ事業じぎょう者しゃなどを対象たいしょうに、無む利子りしの融資ゆうしを民間みんかんの金融きんゆう機関きかんからも受うけられる措置そちを講こうじるほか、新あらたな給付きゅうふ金きん制度せいどを初はじめて設もうける考かんがえも示しめしました。

すべての国民こくみんに一律いちりつの現金げんきん給付きゅうふには慎重しんちょうな考かんがえ

また、現金げんきん給付きゅうふの対象たいしょうについて、「中小ちゅうしょう・小しょう規模きぼ事業じぎょう者しゃやフリーランス、個人こじん事業じぎょう者しゃの方々かたがた、そして、日々ひびの生活せいかつに大変たいへんに不安ふあんを感かんじている方々かたがたがたくさんいる。そうした皆みなさんの事業じぎょうを継続けいぞくしてもらうため、あるいは生活せいかつを維持いじしてもらうために、現金げんきん給付きゅうふを行おこないたい」と述のべ、すべての国民こくみんに一律いちりつに給付きゅうふすることに慎重しんちょうな考かんがえを示しめしました。

また現金げんきん給付きゅうふの規模きぼや対象たいしょうについて「リーマンショックの時ときの経験けいけんや効果こうかなどを考かんがえれば、ターゲットをある程度あるていどおいて、思い切おもいきった給付きゅうふを行おこなっていくべきだと考かんがえている」と述のべました。

さらに、感染かんせんの拡大かくだいが抑制よくせいされ、社会しゃかい的てきな不安ふあんがふっしょくされた段階だんかいで、一気いっきに日本にっぽん経済けいざいをＶぶい字じ回復かいふくさせていくとして、旅行りょこう・運輸うんゆ、外食がいしょく、イベント産業さんぎょうなどに対にたいし、短期たんき集中しゅうちゅうで大胆だいたんな需要じゅよう喚起かんき策さくを講こうじる考かんがえを示しめしました。

そして、経済けいざい対策たいさくの規模きぼについて「世界せかいが協調きょうちょうし、強大きょうだいな経済けいざい財政ざいせい政策せいさくを実行じっこうすることが、先般せんぱんのＧじ-20サミットの合意ごういだ。リーマンショックの時ときを上回うわまわるかつてない規模きぼの対策たいさくをとりまとめる」と強調きょうちょうしました。

「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」出だす状況じょうきょうでないが瀬戸際せとぎわ

また、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」を出だす状況じょうきょうかどうかについて「今いまの段階だんかいにおいて、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんを出だす状況じょうきょうではないが、まさにぎりぎり持もちこたえているということで　瀬戸際せとぎわの状況じょうきょうが続つづいていると認識にんしきしている」と述のべました。

さらに、「新型しんがたコロナウイルスとの戦たたかいがいつ終息しゅうそくするのか、現時点げんじてんで答こたえられる世界せかいの首脳しゅのうは１いち人にんもいない。私わたしも、答こたえることは残念ざんねんながらできない。来年らいねん、自民党じみんとう総裁そうさいとしての私わたしの任期にんきや衆議院しゅうぎいん議員ぎいんの任期にんきが来くるが、今いまはそういうことを、一切いっさい頭あたまの中なかには置おかず、感染かんせん症しょうとの戦たたかいに集中しゅうちゅうしたい」と述のべました。

学校がっこう再開さいかい 特とくに慎重しんちょうな対応たいおう必要ひつよう

学校がっこうの再開さいかいについては「コロナウイルスをめぐる状況じょうきょうは日々ひび刻々こっこく変かわっている。その時々ときどきの状況じょうきょうに合あわせて、考かんがえなければならない」と述のべました。

そのうえで、「特とくに学校がっこうの再開さいかいは子こどもたちの健康けんこうや命いのちがかかっており、特とくに慎重しんちょうな対応たいおうが必要ひつようだ。東京とうきょうは大変たいへん厳きびしい状況じょうきょうになっているが、まだ感染かんせん者しゃが出でていない地域ちいきもあるので、専門せんもん家かの判断はんだんを仰あおぎたい」と述のべました。

長期ちょうき戦せんの覚悟かくごを

さらに、大だい規模きぼイベントなどの自粛じしゅく要請ようせいへの協力きょうりょくに謝意しゃいを示しめし、「この１いちか月かげつで、いわば『コロナ疲づかれ』、『自粛じしゅく疲づかれ』とも呼よぶべき、ストレスを感かんじている人ひとも多おおいかもしれないが、少すこしでも気きを緩ゆるめれば、いつ感染かんせんが急きゅう拡大かくだいしてもおかしくない。長期ちょうき戦せんを覚悟かくごしていただく必要ひつようがある」と述のべ、重かさねて協力きょうりょくを求もとめました。

また、不安ふあんを１いち日にちも早はやく解消かいしょうするため、世界せかいの英知えいちを結集けっしゅうし、治療ちりょう薬やくやワクチンの開発かいはつを加速かそくしていくとして、大学だいがくや民間みんかん企業きぎょうなどによる研究けんきゅう開発かいはつを強つよく後押あとおししていく考かんがえを示しめしました。

経済けいざい対策たいさくも活用かつようしマスク確保かくほ

また、マスクの品薄しなうすの状況じょうきょうが続つづいていることについて、「次つぎの経済けいざい対策たいさくも活用かつようし、さらなる生産せいさんの増強ぞうきょうに引き続ひきつづき取り組とりくみ、必要ひつようの高たかい施設しせつにしっかりと供給きょうきゅうを確保かくほしていく」と述のべました。

そのうえで、「全国ぜんこくの医療いりょう機関きかんには、1500万まん枚まい以上いじょうの医療いりょう用ようマスクを確保かくほし、来週らいしゅうまでには、すべての都道とどう府県ふけんに行き渡いきわたらせる。また、介護かいご施設しせつ、高齢こうれい者しゃ施設しせつ向むけには、布製ぬのせいのマスクを配布はいふする方針ほうしんで、来週らいしゅう半なかばに2000万まん枚まい以上いじょうの確保かくほを完了かんりょうし、全国ぜんこく50万まんか所かしょの施設しせつに順次じゅんじ配布はいふする。これに加くわえて、全国ぜんこくの小中しょうちゅう高校こうこう向むけに、1100万まん枚まいの布製ぬのせいのマスクを確保かくほし、４月しがつ中ちゅうを目途もくとに配布はいふする」と述のべました。

都市とし封鎖ふうさは罰則ばっそく伴ともなわず

ロックダウン・都市としの封鎖ふうさの対応たいおうについて、「強制きょうせい的てきに罰則ばっそくを伴ともなってやるということではなく、知事ちじから、あくまでも要請ようせいと指示しじということになるわけで、その中なかで、協力きょうりょくをいただかなければならない」と述のべました。

また、「欧米おうべい諸国しょこくと比くらべて相当そうとう、日本にっぽんは感染かんせん者しゃの数かずが少すくない、ＰＣＲ検査けんさの数かずが少すくないと言いわれるが、私わたしも、ほぼ毎日まいにちのように、厚生こうせい労働ろうどう省しょうに対にたいして『医師いしが必要ひつようと判断はんだんすれば、必かならずＰＣＲ検査けんさができるようにしてもらいたい』と申し上もうしあげている。日本にっぽんは、隠かくしているのかという議論ぎろんがあるが、私わたしは違ちがうと思おもう」と述のべました。

ソース：NHK ニュース