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鴨川かもがわでトビに食べ物たべものさらわれるの なんでなん?

2023-10-20 09:27:14

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半年はんとしほどまえのこと。
鴨川かもがわ河川敷かせんしきとりとうべながらあるいていたときでした。

最後さいごいちくち…とおもったその瞬間しゅんかん
「ビュッ」というするどおととともに、手元てもとにあったとうえていました。

わたしとうをさらっていったのは「トビ」でした。
あのときのくやしさとかなしみむねに、トビがなぜ食べ物たべものをさらうのか、そのなぞ調しらべました。

京都きょうと放送ほうそうきょく カメラマン 中嶋なかじまひさし 大阪おおさか放送ほうそうきょく ディレクター 吉岡よしおか由紀ゆき

まえ被害ひがいが…

まずはトビの映像えいぞう撮影さつえいしようと鴨川かもがわ周辺しゅうへんってみると…



まえ被害ひがいしゃ続々ぞくぞくと。



「トビにシュークリームをられました」

パンべていたら、『バサッ』というおととともに、ってかれました」

べようとおもったら、『えっ?ない!あれ!?』って。まいりました、というかんでした」


商店しょうてんがいいてみると

わたしおなおもをしたひとたちがこれほどいたとは!

つづいておとずれたのが鴨川かもがわちか商店しょうてんがい

ここなにか、ヒントられるでしょうか。



鮮魚せんぎょてん
おいしいからられるでっていたいんやけど」
豆腐とうふてん

「コロッケでもようられたってわはる。おいしそうえるんやろうね」


みなさんあじ自信じしんあるようですが、なぞけず。


わたしとうったみせでも、なぜられるのかをいてみると。


つま
「トビがうえからこうてんのちゃうかな?」
おっと
だれさきにエサとしてな、あたえたりするから、それであじをしめたんちゃうかな」


トビがえた要因よういんじつ

取材しゅざいすすめていくと、心強こころづよ存在そんざい行き着いきつきました。

はん世紀せいきちかにわたって鴨川かもがわ周辺しゅうへんでトビの調査ちょうさつづける日本にっぽんとり学会がっかい西台にしだい律子りつこさん

西台にしだいさんくちにしたのは意外いがいなことばでした。


(日本にっぽんとり学会がっかい 西台にしだい律子りつこさん)
「もともとのきっかけは、ユリカモメへの餌付えづです。トビからすれば、こぼれをもらうというかんですね」


ん!?

いきなりてきたユリカモメ。

いったいどういう関係かんけいなのでしょうか。


ユリカモメは渡り鳥わたりどり

西台にしだいさんによると、1980年代ねんだいから90年代ねんだいにかけて、ふゆになると、鴨川かもがわ周辺しゅうへんには数多かずおお飛来ひらいするようになったといいます。


その姿すがたカメラおさめようと、愛鳥あいちょう地元じもとひとたちのあいだでは、餌付えづブームになったのです。


しかし、2000年代ねんだいはいと、とりインフルエンザの流行りゅうこうなど背景はいけいに、鴨川かもがわにやってくるユリカモメのかず減少げんしょう

一方いっぽうで、えていったのがユリカモメへのエサを目当めあやって来やってくトビだったというのです。

トビは、ワシなどおなもうきんるいですが、臆病おくびょう性格せいかくで、本来ほんらいは、ほかとりのこしたさかなやカエルなどをべています。

そんなトビがエサをもらえるとかって、鴨川かもがわおおようになったと西台にしだいさん分析ぶんせきしています。


日本にっぽんとり学会がっかい 西台にしだい律子りつこさん
「ユリカモメにエサをあげようとエサをってきてもいない。じゃあ、せっかくってきたものはほかとりにあげましょうということで、トビにエサをあげるひともいた。トビはもうきんるいですけど、プライドがないのでね(えみ)。ひとってる弁当べんとうとかパンとか、そういうものもっていくようになった」


鴨川かもがわ周辺しゅうへん環境かんきょう影響えいきょう

エサだけでなく、鴨川かもがわ周辺しゅうへん環境かんきょう指摘してきする専門せんもんもいます。

日本にっぽん野鳥やちょうかい京都きょうと支部しぶ船瀬ふなせ茂信しげのぶさんです。

船瀬ふなせさん案内あんないしてくれたのは、京都きょうと市内しない植物しょくぶつえん


するとうえにトビののあとがつかりました。

船瀬ふなせさんによると、トビは山間さんかん繁殖はんしょく活動かつどうおこない、まちちゅうにも姿すがたせていましたが、ここすうねんまちちゅうでも繁殖はんしょくおこなようになりました。


案内あんないしてくれた植物しょくぶつえんのほかにも、京都きょうと御苑ぎょえん下鴨神社しもがもじんじゃなどでも、トビの相次あいついで発見はっけんされているというのです。

船瀬ふなせさんは、子育こそだのためにおおのエサを必要ひつようとしていたトビが、人間にんげんから食べ物たべものようになったのではないかと指摘してきします。



日本にっぽん野鳥やちょうかい 京都きょうと支部しぶ 船瀬ふなせ茂信しげのぶさん
子育こそだ条件じょうけんとして、本来ほんらい生息せいそくしている場所ばしょおなような環境かんきょうこのあたにたまたまあったということになります。ひながそだまでは、必死ひっしになってエサをして、子育こそだをするので、自分じぶんべるりょうなんばいかのエサを確保かくほせなあかん。どうしてらない部分ぶぶんやっぱり人間にんげんからうばという行動こうどうしまう


”にられていると

ユリカモメへの餌付えづ繁殖はんしょくてきした京都きょうと市内しない環境かんきょうが、トビによる「被害ひがい」がえている理由りゆうかんがえられますが、じつ人間にんげんがわにも要因よういんあるといいます。

それがSNS。

える写真しゃしん”をために、うでばして食べ物たべものなど撮影さつえいするこうした行為こうい

じつトビにとっては格好かっこうのターゲットなのだそうです。


日本にっぽんとり学会がっかい 西台にしだい律子りつこさん
じっと食べ物たべものっていうのは、トビにエサをあげてるのと一緒いっしょですから。まえうえばしているひともいますから、トビからすると、それ間違まちがえますよね。食べ物たべものこうじっとするのはダメですね」


鴨川かもがわなつ風物詩ふうぶつし納涼のうりょうゆか」では

しかし取材しゅざい途中とちゅうあら疑問ぎもんにぶつかりました。

鴨川かもがわといえば、京都きょうとなつ風物詩ふうぶつし納涼のうりょうゆか」。

かわべりゆかみ、食事しょくじさけたのしむ場所ばしょですが、かわのすぐそば食事しょくじをしていれば、被害ひがいおおのではないか、とおもいきや、おみせほうくと…



飲食いんしょくてんマネージャー)
鴨川かもがわ沿いには、飲食いんしょくてんがもちろんおおいので、そういう被害ひがいはあってもおかしくないのかなとおもんですけれども、一切いっさいいたことがないですね」


このおみせのマネージャーはプライベートではトビに食べ物たべものをさらわれたことがあるようですが、おみせでは被害ひがい報告ほうこくはないそうです。

このなぞ解き明ときあかしてもらうために、日本にっぽん野鳥やちょうかい船瀬ふなせさんはなしと、納涼のうりょうゆかには被害ひがいにくい要素ようそあるといいます。



ひと向かい合むかいあってべていること。
トビは警戒けいかいしんつよひとにするため、向かい合むかいあってべている納涼のうりょうゆかねらいにくいそう


屋根やねしがらみかべがあるとトビは小回こまわかないため、屋根やねしがらみかべがあると、ちかづきにくいそう
屋根やねがないところでは、かさをさすことなど対策たいさくとして有効ゆうこうそうです。


とうをさらわれた経験けいけんからはじまったトビをめぐなぞき。

そのくやしさは簡単かんたんにはわすれられませんが、人間にんげんがわにも要因よういんあると、トビとうまく付き合つきあっていくためのポイントえてきました。

ソース:NHK ニュース