Show Furigana
予報士のつぶやき 寒い季節はなぜ乾燥するのか
2023-10-24 07:10:04

最近、「くちびるが割れた」「ハンドクリームを塗る回数が増えた」という会話がよく聞こえてくるようになりました。私も肌の乾燥には日常的に悩んでいて、スーパーのビニール袋がなかなか開けられずに苦労しています。
夏はあれだけ湿気がたっぷりだったのに、寒くなるとどうして空気は乾燥してしまうのでしょうか?
■理由(1) 空気の性質のせい
実は、空気には「温度によって空気中に含むことのできる水蒸気量が変わる」という性質があります。気温が高いほど空気中に水蒸気をたくさん含むことができ、反対に、気温が低いほど含める水蒸気の量は減ってしまうのです。
このため、気温の低い季節は空気中の水蒸気が少なく、乾燥しやすくなります。
■理由(2) 気圧配置と地形のせい
理由(1)に加え、冬の太平洋側は日本海側に比べ乾燥しやすくなる理由があります。
冬になると、日本の西に高気圧、東に低気圧が位置する、西高東低の気圧配置(いわゆる冬型の気圧配置)になることが多いです。この気圧配置になると、大陸から冷たい空気が吹き出すようになり、日本海上で発生した雪雲が日本海側の地域に雪を降らせます。
しかし、ほとんどの雪雲は、日本列島を太平洋側と日本海側に分ける、背の高い山脈を越えることができません。雪雲は山々にせき止められ、乾いた空気のみが空っ風として太平洋側に吹き降ります。
このようにして、冬の太平洋側は空気が乾燥しやすくなるのです。
これから寒くなるにつれ、空気の乾燥が進みます。お肌のケアに加え、暖房器具や火の取り扱いにも注意してください。
ソース:NHK ニュース