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イラク日報 空幕でも見つかる 防衛相「大変遺憾」
2018-04-06 03:15:25

自衛隊のイラク派遣の日報が、陸上幕僚監部などに続き航空幕僚監部にも残っていたことがわかり、小野寺防衛大臣は「大変遺憾だ」としたうえで、陸海空すべての自衛隊を対象に改めて調べるよう指示を出す考えを示しました。
新たに見つかったのは、航空自衛隊が平成15年から21年にかけてイラクで行った復興支援活動などの日報のうち平成16年3月6日からの3日分3枚で、野党議員からの資料要求を受けて文書を探す過程で、航空幕僚監部の運用支援・情報部に電子データで保存されていることが5日、確認されたということです。
小野寺防衛大臣は閣議のあとの記者会見で、6日朝、丸茂航空幕僚長から説明を受け、閣議の直後に安倍総理大臣に報告し「速やかに公表したほうがいい」と指示を受けたことを明らかにしました。
そのうえで、去年2月、当時の稲田防衛大臣が国会で「確認したが見つけることはできなかった」と答弁していたことに触れ「大変遺憾だ。去年2月の段階でも日報の探索は行ったが十分でなかった。引き続き探索を続けていきたい」と述べ、陸海空すべての自衛隊を対象に改めて調べるよう指示を出す考えを示しました。
さらに記者団から「シビリアンコントロール=文民統制が機能していないのではないか」と質問されたのに対し「大臣の命令にしっかりと対応していないのは大変大きな問題で、正していきたい。現在行っている調査の結果しだいでは、防衛省・自衛隊のシビリアンコントロールにも関わる重大な問題となりかねず、国民の不安、疑念にしっかり答えられる組織にしていかなければならない」と述べました。
小野寺防衛大臣は閣議のあとの記者会見で、6日朝、丸茂航空幕僚長から説明を受け、閣議の直後に安倍総理大臣に報告し「速やかに公表したほうがいい」と指示を受けたことを明らかにしました。
そのうえで、去年2月、当時の稲田防衛大臣が国会で「確認したが見つけることはできなかった」と答弁していたことに触れ「大変遺憾だ。去年2月の段階でも日報の探索は行ったが十分でなかった。引き続き探索を続けていきたい」と述べ、陸海空すべての自衛隊を対象に改めて調べるよう指示を出す考えを示しました。
さらに記者団から「シビリアンコントロール=文民統制が機能していないのではないか」と質問されたのに対し「大臣の命令にしっかりと対応していないのは大変大きな問題で、正していきたい。現在行っている調査の結果しだいでは、防衛省・自衛隊のシビリアンコントロールにも関わる重大な問題となりかねず、国民の不安、疑念にしっかり答えられる組織にしていかなければならない」と述べました。
空自日報 野党要求でその日に発見
イラク派遣の日報について、航空自衛隊では去年2月、国会議員からの質問を受けて、東京・市ヶ谷の航空幕僚監部の運用支援・情報部などで確認作業が行われました。
防衛省によりますと、この時は見つからず、さらに南スーダンのPKO部隊の日報問題を受けて、去年7月以降、陸海空の各自衛隊でイラク派遣を含めて過去の海外派遣の日報の調査が行われた際にも、航空自衛隊では見つからなかったとしていました。
ところが5日、野党議員から航空自衛隊のイラク派遣について、再度、日報の確認を要求され、調べ直した結果、5日のうちに運用支援・情報部で3日分の日報が見つかり、6日朝、防衛大臣に報告したということです。
防衛省によりますと、この時は見つからず、さらに南スーダンのPKO部隊の日報問題を受けて、去年7月以降、陸海空の各自衛隊でイラク派遣を含めて過去の海外派遣の日報の調査が行われた際にも、航空自衛隊では見つからなかったとしていました。
ところが5日、野党議員から航空自衛隊のイラク派遣について、再度、日報の確認を要求され、調べ直した結果、5日のうちに運用支援・情報部で3日分の日報が見つかり、6日朝、防衛大臣に報告したということです。
日報 部隊ごとに作成
日報は、PKO活動や災害の救援などに派遣された自衛隊の部隊が、活動の状況や現地の情勢など日々の状況をまとめて司令部などに報告するための記録で、派遣中、毎日記されます。
部隊ごとにまとめるため、今回見つかった陸上自衛隊と航空自衛隊のイラク派遣の日報は別々の記録となります。
防衛省によりますと、陸上自衛隊の部隊の日報には、派遣先のイラク南部のサマーワで行った施設の整備や給水活動など、現地の復興支援活動の進捗状況などが記されているということです。
航空自衛隊の日報には、隣国のクウェートから輸送機を使って人員や物資をイラク国内に輸送した活動実績や、活動を続けるための現地での訓練の状況などが記されています。
自衛隊のイラク派遣では、イラク支援法に基づいて「非戦闘地域」で活動するとされましたが、イラクでは予断を許さない治安情勢が続きました。
陸上自衛隊の日報には、迫撃砲による攻撃の状況など現地の治安情勢のほか、他国の部隊との調整状況なども記されているということです。
現場の実情が具体的に記された日報は、隊員の安全確保や教育訓練などを検討するために欠かせない貴重な一次資料です。
部隊ごとにまとめるため、今回見つかった陸上自衛隊と航空自衛隊のイラク派遣の日報は別々の記録となります。
防衛省によりますと、陸上自衛隊の部隊の日報には、派遣先のイラク南部のサマーワで行った施設の整備や給水活動など、現地の復興支援活動の進捗状況などが記されているということです。
航空自衛隊の日報には、隣国のクウェートから輸送機を使って人員や物資をイラク国内に輸送した活動実績や、活動を続けるための現地での訓練の状況などが記されています。
自衛隊のイラク派遣では、イラク支援法に基づいて「非戦闘地域」で活動するとされましたが、イラクでは予断を許さない治安情勢が続きました。
陸上自衛隊の日報には、迫撃砲による攻撃の状況など現地の治安情勢のほか、他国の部隊との調整状況なども記されているということです。
現場の実情が具体的に記された日報は、隊員の安全確保や教育訓練などを検討するために欠かせない貴重な一次資料です。
野田総務相「森友問題の中 大変な大問題」
野田総務大臣は閣議のあと記者団に対し「森友学園に関する文書の問題で行政に対して国民の厳しい目が向けられている中での新しい事案であり、大変大きな問題だと認識していて残念に思っている。シビリアンコントロール=文民統制がきいていたかどうかも含めて防衛省が調査しており、事実関係が明らかになったところで、厳正な措置も含め適切に対応されると承知している」と述べました。
立民 辻元氏「隠しきれなくなったのではないか」
立憲民主党の辻元国会対策委員長は記者団に対し「やっぱり、という感じだ。航空自衛隊はイラクで武装したアメリカ兵の運搬をしており、国会でも『武力行使との一体化ではないか』と指摘されてきた案件なので、隠してきたものが隠しきれなくなったのではないか。シビリアンコントロール=文民統制がきいているのか本当に心配だが、発見の経緯だけでなく、イラクでの活動の検証も合わせてて行うべきだ」と述べました。
公明 山口代表「建設的な視点で議論」
公明党の山口代表は党の参議院議員総会で「自衛隊の日報をめぐる問題などで国会が紛糾しているが、日報がどういう経過で出てきたかをしっかり認識したうえで、どうやってこのようなことを起こさないようにしていくか、建設的な視点で議論していきたい」と述べました。
公明 井上幹事長「極めて深刻」
公明党の井上幹事長は記者会見で「文民統制上、極めて深刻な問題だと認識している。国民が懸念を持つことは断じてあってはならず、懸念の払拭(ふっしょく)に取り組むべきだ。防衛省の調査チームで調査し、速やかに公表するとともに、与党としても実態の解明のため国会でしっかり審議していかないといけない」と述べました。
空自イラク派遣 5年余りで多国籍軍など4万人超輸送
航空自衛隊のイラクで派遣は、イラク南部のサマーワで活動していた陸上自衛隊を支援するため、平成15年12月に隣国のクウェートに部隊を送り、平成16年3月から活動が始まりました。
派遣は平成21年2月まで5年余りにわたって続き、当初はC130輸送機でクウェートから陸上自衛隊の部隊をサマーワに輸送するのが活動の中心でした。
平成18年7月に陸上自衛隊がサマーワから撤収して以降は、イラク国内の治安回復を支援することなどを目的に、アメリカ軍など多国籍軍の兵士や国連の職員、物資などをイラクの首都バグダッドなどに輸送する活動に当たりました。
5年余りの派遣期間に航空自衛隊の部隊が運んだ人員の総数は4万6500人、物資の総量は673トンに上ります。
派遣は平成21年2月まで5年余りにわたって続き、当初はC130輸送機でクウェートから陸上自衛隊の部隊をサマーワに輸送するのが活動の中心でした。
平成18年7月に陸上自衛隊がサマーワから撤収して以降は、イラク国内の治安回復を支援することなどを目的に、アメリカ軍など多国籍軍の兵士や国連の職員、物資などをイラクの首都バグダッドなどに輸送する活動に当たりました。
5年余りの派遣期間に航空自衛隊の部隊が運んだ人員の総数は4万6500人、物資の総量は673トンに上ります。
ソース:NHK ニュース