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北朝鮮きたちょうせん かく実験じっけんとICBM発射はっしゃ実験じっけん中止ちゅうし かく実験じっけんじょう廃棄はいき発表はっぴょう

2018-04-21 03:01:04

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北朝鮮きたちょうせんのキム・ジョンウン(きむただしおん朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう委員いいんちょうは、かく実験じっけんとICBM=大陸たいりくかん弾道だんどうミサイルの発射はっしゃ実験じっけんいちにちから中止ちゅうしし、かく実験じっけんじょう廃棄はいきするかんが表明ひょうめいしました。ただ核保有かくほゆう立場たちばわりはなく、かくやICBMの実験じっけん再開さいかいする余地よちのこしています。
北朝鮮きたちょうせん国営こくえい朝鮮ちょうせん中央ちゅうおうテレビが、いちにち午前ごぜんつたえたところによりますと、ピョンヤンでぜろにち朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう中央ちゅうおう委員いいんかい総会そうかいひらかれ、キム・ジョンウン委員いいんちょう演説えんぜつしました。

このなかで、キム委員いいんちょうは「かく開発かいはつ運搬うんぱん攻撃こうげき手段しゅだん開発かいはつがすべておこなわれ、かく兵器へいき完結かんけつ証明しょうめいされた状況じょうきょうで、いかなるかく実験じっけんも、ちゅう長距離ちょうきょり大陸たいりくかん弾道だんどうミサイルの発射はっしゃ実験じっけん必要ひつようなくなり、北部ほくぶかく実験じっけんじょう使命しめいえた」とべました。

そして総会そうかいでは、かく実験じっけんとICBMの発射はっしゃ実験じっけんいちにちから中止ちゅうしするとともに、「透明とうめいせい保証ほしょうするため」として、北東ほくとうのハムギョン(咸きょう北道ほくどうプンゲリ(ゆたかけいさと)にあるかく実験じっけんじょう廃棄はいきすることをめました。

満場まんじょう一致いっち採択さいたくされた決定けっていしょには、「朝鮮ちょうせん半島はんとう世界せかい平和へいわ安定あんていまもために、周辺しゅうへんこく国際こくさい社会しゃかいとの緊密きんみつ連携れんけい対話たいわ積極せっきょくてきおこな」とする文言もんごん盛り込もりこまれ、国際こくさい社会しゃかい協調きょうちょうする姿勢しせいをアピールしています。

さらに、北朝鮮きたちょうせん今回こんかい決定けっていを、キム委員いいんちょうねんまえおな会議かいぎ打ち出うちだした、かく開発かいはつ経済けいざい立て直たてなおしを並行へいこうしてすすめる並進へいしん路線ろせん」の「勝利しょうり宣言せんげん」と位置いちづけており、今後こんご経済けいざい立て直たてなおしに全力ぜんりょくげる方針ほうしん強調きょうちょうしています。

ただ決定けっていしょでは「臨界りんかいぜんかく実験じっけん地下ちかかく実験じっけん核兵器かくへいき小型こがた運搬うんぱん手段しゅだん開発かいはつ次々つぎつぎすすめ、かく兵器へいき実現じつげんした」と主張しゅちょうしたうえで、「わが国わがくにに対にたいするかく脅威きょういかく挑発ちょうはつがないかぎり、核兵器かくへいき絶対ぜったい使つかわず、いかなる場合ばあいにも核兵器かくへいきかく技術ぎじゅつ移転いてんしない」としていて、核保有かくほゆう立場たちばわりはありません。また北朝鮮きたちょうせん過去かこにも、かく開発かいはつ計画けいかく放棄ほうき弾道だんどうミサイルの発射はっしゃ凍結とうけつ表明ひょうめいしながら再開さいかいしてきた経緯けいいがあり、今回こんかいその余地よちのこしています。

北朝鮮きたちょうせんとしては、ろくにちせまった南北なんぼく首脳しゅのう会談かいだんや、その後そのごひらかれる見通みとお史上しじょうはつべいちょう首脳しゅのう会談かいだんひかえて、先手せんてかたちで、朝鮮ちょうせん半島はんとう非核ひかくけた本気ほんき印象いんしょうづけることで、体制たいせい保証ほしょう制裁せいさい解除かいじょなど見返みかえりを引き出ひきだすために会談かいだん主導しゅどうけんにぎろうというねらあるられます。

北朝鮮きたちょうせん発表はっぴょう要旨ようし

ぜろにち北朝鮮きたちょうせん朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう中央ちゅうおう委員いいんかい総会そうかいでキム・ジョンウン委員いいんちょうおこなった演説えんぜつや、採択さいたくされた決定けっていしょのうちかく・ミサイル開発かいはつに関にかんする部分ぶぶん要旨ようしつぎのとおりです。

【キム委員いいんちょう演説えんぜつ
かく開発かいはつぜん工程こうてい順次じゅんじおこなわれ、運搬うんぱん攻撃こうげき手段しゅだん開発かいはつ事業じぎょうおこなわれ、かく兵器へいき完結かんけつ証明しょうめいされた状況じょうきょうで、もはやわれわれにいかなるかく実験じっけんも、ちゅう長距離ちょうきょり大陸たいりくかん弾道だんどうミサイル=ICBMの発射はっしゃ実験じっけん必要ひつようなくなり、北部ほくぶかく実験じっけんじょうその使命しめいえた」

採択さいたくされた決定けっていしょかく・ミサイル関係かんけい)】
臨界りんかいぜんかく実験じっけん地下ちかかく実験じっけん核兵器かくへいき小型こがた軽量けいりょうちょう大型おおがた核兵器かくへいき運搬うんぱん手段しゅだん開発かいはつのための事業じぎょう次々つぎつぎすすめ、かく兵器へいき実現じつげんした。

ぜろいちはちねん4月しがついちにちからかく実験じっけんとICBM発射はっしゃ実験じっけん中止ちゅうしする。

かく実験じっけん中止ちゅうし透明とうめいせい保証ほしょうするため、北部ほくぶかく実験じっけんじょう廃棄はいきする。かく実験じっけん中止ちゅうし世界せかいてき核軍縮かくぐんしゅくのための重要じゅうよう過程かていであり、わが国わがくにかく実験じっけん全面ぜんめん中止ちゅうしのための国際こくさいてき努力どりょく合流ごうりゅうする。

わが国わがくにに対にたいするかく脅威きょういや、かく威嚇いかくがないかぎり、核兵器かくへいき絶対ぜったい使つかわず、いかなる場合ばあいにも核兵器かくへいきかく技術ぎじゅつ移転いてんしない。

経済けいざい建設けんせつ有利ゆうり国際こくさい環境かんきょうととのえ、朝鮮ちょうせん半島はんとう世界せかい平和へいわ安定あんていまもために、周辺しゅうへんこく国際こくさい社会しゃかいとの緊密きんみつ連携れんけい対話たいわ積極せっきょくてきおこな

中央ちゅうおう委員いいんかい総会そうかい採択さいたくされた決定けっていしょ

今回こんかい朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう中央ちゅうおう委員いいんかい総会そうかいでは「経済けいざい建設けんせつかく武力ぶりょく建設けんせつ並進へいしん路線ろせん偉大いだい勝利しょうり宣布せんぷすることについて」とだいしたろく項目こうもくからなる決定けっていしょ採択さいたくされました。

その最初さいしょ項目こうもくでは、かく・ミサイル開発かいはつについて「臨界りんかいぜんかく実験じっけん地下ちかかく実験じっけん核兵器かくへいき小型こがた軽量けいりょうちょう大型おおがた核兵器かくへいき運搬うんぱん手段しゅだん開発かいはつのための事業じぎょう次々つぎつぎすすめ、かく兵器へいき実現じつげんした」と強調きょうちょうしました。

つづいてふたつめの項目こうもくでは、かく実験じっけんとICBM=大陸たいりくかん弾道だんどうミサイルの発射はっしゃ実験じっけんいちにちから中止ちゅうしするとともに、北東ほくとうハムギョン(咸きょう北道ほくどうのプンゲリにあるかく実験じっけんじょう廃棄はいきする方針ほうしんしめしました。

その理由りゆうについて、みっつめの項目こうもくで「かく実験じっけん中止ちゅうし世界せかいてき核軍縮かくぐんしゅくのための重要じゅうよう過程かてい」だとしていて、国際こくさい社会しゃかい要求ようきゅうこたえていく姿勢しせいせています。

しかしよっつめの項目こうもく核兵器かくへいき使用しようについて、「わが国わがくにに対にたいするかく脅威きょういかく挑発ちょうはつがないかぎり、核兵器かくへいき絶対ぜったい使つかわず、いかなる場合ばあいにも核兵器かくへいきかく実験じっけん移転いてんしない」と条件じょうけんをつけていて、核兵器かくへいき保有ほゆうする立場たちばわりはなく、かく実験じっけんやICBMの発射はっしゃ実験じっけん再開さいかいする余地よちのこしました。

いつつめの項目こうもくでは、経済けいざいについて言及げんきゅうし、「くに人的じんてき物的ぶってき資源しげんそう動員どういんして、強力きょうりょく社会しゃかい主義しゅぎ経済けいざい建設けんせつして、人民じんみん生活せいかつ画期的かっきてきたかめる」として、くにのすべての資源しげん投入とうにゅうして経済けいざい活性かっせいさせる方針ほうしんしめしました。

最後さいごに、「朝鮮ちょうせん半島はんとう世界せかい平和へいわ安定あんていまもために、周辺しゅうへんこく国際こくさい社会しゃかいとの緊密きんみつ連携れんけい対話たいわ積極せっきょくてきおこな」として南北なんぼく首脳しゅのう会談かいだんその後そのごひらかれる見通みとおべいちょう首脳しゅのう会談かいだん念頭ねんとう国際こくさい社会しゃかいとの対話たいわ姿勢しせいをアピールしています。

去年きょねん ICBMきゅう発射はっしゃ実験じっけん

北朝鮮きたちょうせんアメリカ本土ほんどとどICBM=大陸たいりくかん弾道だんどうミサイルの開発かいはつすすめていることを軍事ぐんじパレードを通をつうじてアピールしてきたほか去年きょねん、ICBMきゅう弾道だんどうミサイルの発射はっしゃはじめて踏み切ふみきりました。

首都しゅとピョンヤンでおこなわれた軍事ぐんじパレードでは、過去かこよんかい登場とうじょうしていて、ぜろいちねん4月しがつぜろいちさんねん7月しちがつ登場とうじょうした、片側かたがわはちりん大型おおがたトレーラーに搭載とうさいされたICBMきゅう弾道だんどうミサイルは、「KNぜろはち」とばれ、弾頭だんとうがとがっています。

ぜろいちねん10月じゅうがつ登場とうじょうしたものは弾頭だんとうまるみをびていて、KNぜろはち改良かいりょうがたられ、韓国かんこくメディアが「アメリカぐん韓国かんこくぐんが『KNいちよん』と名付なづけた」とつたえていました。

また去年きょねん4月しがつ大型おおがたトレーラーに搭載とうさいされて登場とうじょうしたミサイルは、これまでのものよりもながく、新型しんがたられています。

そして去年きょねん7月しちがつ、ICBMきゅうの「火星かせいいちよんがたはつ相次あいついで発射はっしゃし、いずれ通常つうじょうより角度かくどをつけてたか打ち上うちあげる「ロフテッド軌道きどう」がもちいられました。

さらに、11月じゅういちがつには「アメリカ本土ほんど全域ぜんいき攻撃こうげきできる新型しんがたのICBM」だと主張しゅちょうする「火星かせいいちがた」をはじめて発射はっしゃし、このときも「ロフテッド軌道きどう」がもちいられ、高度こうど過去かこ最高さいこうよんよんななキロたっしたと発表はっぴょうしました。

そのさい立ち会たちあったキム・ジョンウン朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう委員いいんちょうは「かく武力ぶりょく完成かんせい歴史れきしてき偉業いぎょう、ミサイル強国きょうこく偉業いぎょうがついに実現じつげんした」と主張しゅちょうし、かく・ミサイル開発かいはつ進展しんてんぶりを誇示こじしていました。

中距離ちゅうきょり弾道だんどうミサイルの発射はっしゃ実験じっけん

北朝鮮きたちょうせんのキム・ジョンウン委員いいんちょう今回こんかい演説えんぜつなかで、ICBMとともに発射はっしゃ実験じっけん中止ちゅうしすると表明ひょうめいした「ちゅう長距離ちょうきょり」の弾道だんどうミサイルについては、「ムスダン」と「北極星ほっきょくせいがた」、それに火星かせいいちがた」を「ちゅう長距離ちょうきょり戦略せんりゃく弾道だんどうミサイル」とび、発射はっしゃ実験じっけんおこなってきた経緯けいいがあります。

このうち「ムスダン」は、射程しゃていおよそぜろぜろキロからよんぜろぜろぜろキロで、アメリカぐん基地きちあるグアムとうたっするられています。

また北極星ほっきょくせいがた」は、SLBM=潜水せんすいかん発射はっしゃ弾道だんどうミサイルを地上ちじょう配備はいびがた改良かいりょうしたもので、去年きょねん2月にがつはじめて発射はっしゃされたのにつづき、5月ごがつにもふたた発射はっしゃされ、キム委員いいんちょう実戦じっせん配備はいび承認しょうにんしたとつたえられていました。

さらに「火星かせいいちがた」は、北朝鮮きたちょうせんが「アメリカ太平洋たいへいようぐん司令しれいあるハワイと、アラスカを射程しゃていおさめている」と主張しゅちょうしている弾道だんどうミサイルです。去年きょねん8月はちがつには、北朝鮮きたちょうせん弾道だんどうミサイルの運用うんようにな戦略せんりゃくぐん声明せいめい発表はっぴょうし、「火星かせいいちがた」をよんはつ同時どうじ発射はっしゃして、グアムとう周辺しゅうへん海上かいじょう着弾ちゃくだんさせるとする計画けいかくあきらかにしていました。

弾道だんどうミサイルはけい20はつ

北朝鮮きたちょうせんは、おととしつづいて去年きょねん弾道だんどうミサイルの発射はっしゃ繰り返くりかえし、技術ぎじゅつ進展しんてんぶりを誇示こじしていました。

北朝鮮きたちょうせん去年きょねん2月にがつに、SLBM=潜水せんすいかん発射はっしゃ弾道だんどうミサイルを地上ちじょう配備はいびがた改良かいりょうしたあたらしい中距離ちゅうきょり弾道だんどうミサイル「北極星ほっきょくせいがたいちはつ発射はっしゃし、3月さんがつには中距離ちゅうきょり弾道だんどうミサイル「スカッドい-あ-るよんはつ同時どうじ発射はっしゃしました。

その後そのご3月さんがつから4月しがつにかけて、わせてよんはつ弾道だんどうミサイルを発射はっしゃしましたが、いずれ失敗しっぱいしたとられています。

そして5月ごがつ新型しんがた中距離ちゅうきょり弾道だんどうミサイル「火星かせいいちがたいちはつを、そのいち週間しゅうかんには「北極星ほっきょくせいがたいちはつを、それぞれ発射はっしゃ翌週よくしゅうにも海上かいじょう艦船かんせんねら精密せいみつ誘導ゆうどうシステム導入どうにゅうしたとするあたらしい弾道だんどうミサイルいちはつ発射はっしゃしました。

つづいて7月しちがつに、ICBM=大陸たいりくかん弾道だんどうミサイルと主張しゅちょうする「火星かせいいちよんがたはつを、8月はちがつ短距離たんきょり弾道だんどうミサイルとられるさんはつ発射はっしゃしました。

さらに、8月はちがつ9月くがつ北海道ほっかいどう上空じょうくう通過つうかして太平洋たいへいようじょう落下らっかさせるかたちで「火星かせいいちがた」をいちはつずつ発射はっしゃしたほか11月じゅういちがつには「アメリカ本土ほんど全域ぜんいき攻撃こうげきできる新型しんがたのICBM」だと主張しゅちょうする「火星かせいいちがたいちはつはじめて発射はっしゃし、去年きょねんいち年間ねんかん発射はっしゃした弾道だんどうミサイルは、わせてぜろはつのぼっていました。

北東ほくとう山岳さんがく地帯ちたいかく実験じっけんじょう

北朝鮮きたちょうせんかく実験じっけんじょうある北東ほくとう・ハムギョン(咸きょう北道ほくどうのキルジュ(よししゅうぐんプンゲリは、標高ひょうこういちぜろぜろぜろメートルえるけわしい山々やまやまつらなる山岳さんがく地帯ちたい位置いちし、地下ちかられた坑道こうどう繰り返くりかえかく実験じっけんおこなわれてきました。

ぜろぜろろくねん10月じゅうがつぜろぜろきゅうねん5月ごがつぜろいちさんねん2月にがつぜろいちろくねん1月いちがつ9月くがつそしてぜろいちななねん9月くがつと、過去かこわせてろくかいおこなわれたかく実験じっけんは、いずれもプンゲリで実施じっしされました。

アメリカはじめとする関係かんけいこくは、人工じんこう衛星えいせい使つかってこのかく実験じっけんじょうでのうご監視かんししていて、韓国かんこく政府せいふ北朝鮮きたちょうせんあらかく実験じっけんいつでもおこなえる状況じょうきょうある警戒けいかいつづけていました。

またろくかいかく実験じっけんのあと、プンゲリでは自然しぜん地震じしん相次あいついで発生はっせいし、韓国かんこく気象庁きしょうちょうは「ろくかいかく実験じっけんによって非常ひじょうつよちから発生はっせいしたため、あさほうの断層だんそう不安定ふあんていになったことによる影響えいきょうではないか」と分析ぶんせきしていました。
ソース:NHK ニュース