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米大統領 イラン核合意の離脱発表 過去最大級の経済制裁へ
2018-05-08 18:37:01

アメリカのトランプ大統領はイラン核合意から離脱し、イランに対して過去最大級の経済制裁を行うと発表しました。イランが核開発を大幅に制限する見返りに、経済制裁を解除するとした核合意の枠組みが崩壊につながるおそれもあり、イランが強く反発するのは確実で、核合意の維持を求めてきたヨーロッパなど国際社会にも大きな波紋を広げることになりそうです。
トランプ大統領は8日午後2時(日本時間8日午前3時すぎ)からホワイトハウスで演説し、「今の核合意のもとではイランの核保有を止められない」と述べたうえで、核合意から離脱する考えを明らかにしました。そのうえでイランに対して、過去最大級の経済制裁を行うと発表しました。
核合意はイランの核開発を大幅に制限する代わりに関係国が制裁を解除するとしたものですが、トランプ大統領は「欠陥がある」と非難し、今週12日の期限までに合意の欠陥が修正できなければ、核合意から離脱すると警告してきました。
アメリカが離脱の方針を明らかにしたことで、核合意の枠組みが崩壊につながるおそれもありイランが強く反発するのは確実です。
イランの核合意をめぐっては、先月、フランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相らが相次いでワシントンを訪問し、核合意の維持を求めてきましたが、トランプ大統領の判断に対し、ヨーロッパなど国際社会にも大きな波紋を広げることになりそうです。
核合意はイランの核開発を大幅に制限する代わりに関係国が制裁を解除するとしたものですが、トランプ大統領は「欠陥がある」と非難し、今週12日の期限までに合意の欠陥が修正できなければ、核合意から離脱すると警告してきました。
アメリカが離脱の方針を明らかにしたことで、核合意の枠組みが崩壊につながるおそれもありイランが強く反発するのは確実です。
イランの核合意をめぐっては、先月、フランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相らが相次いでワシントンを訪問し、核合意の維持を求めてきましたが、トランプ大統領の判断に対し、ヨーロッパなど国際社会にも大きな波紋を広げることになりそうです。
イスラエル首相「勇気ある決断に感謝」
イスラエルのネタニヤフ首相は、アメリカのトランプ大統領がイラン核合意からの離脱を表明したあと、直ちに会見し、「イスラエルは当初からイラン核合意に反対しており、トランプ大統領の歴史的な勇気ある決断に感謝したい」と述べました。
一方、イスラエル軍は隣国のシリアにあるイランの軍事施設で不審な動きが確認されたとして、シリアと接する地域についてはミサイル攻撃を警戒し、避難用のシェルターをすぐに使用できるよう準備を指示しました。また、ミサイルを迎撃するための防衛システムの配備も各地で進めているとしています。
一方、イスラエル軍は隣国のシリアにあるイランの軍事施設で不審な動きが確認されたとして、シリアと接する地域についてはミサイル攻撃を警戒し、避難用のシェルターをすぐに使用できるよう準備を指示しました。また、ミサイルを迎撃するための防衛システムの配備も各地で進めているとしています。
サウジアラビア 米の判断を歓迎
イランと敵対するサウジアラビアは8日、国営通信を通じて声明を発表し、トランプ大統領の判断を歓迎しました。そのうえで「サウジアラビアはイランが核開発を進めたり、大量破壊兵器を取得したりすることが絶対にないように、アメリカや国際社会とともに連携していく」として、イランが地域での影響力を拡大しないようアメリカなどと協力していく姿勢を強調しました。
仏大統領「米の決断を残念に思う」
アメリカのトランプ大統領がイラン核合意から離脱すると発表したことに対し、フランスのマクロン大統領は8日、ツイッターに「フランスとドイツ、そしてイギリスはアメリカの決断を残念に思う。核不拡散の体制が危機にひんしている」と投稿し、トランプ大統領の決断を批判しました。
EU 核合意維持 制裁解除続ける考え
イラン核合意の交渉の調整役を担ったEU=ヨーロッパ連合のモゲリーニ上級代表は8日、訪問先のイタリアで緊急の記者会見を行い、遺憾の意を示しました。そのうえで、「イランが義務を果たすかぎり、EUも核合意の内容を完全に履行する」と述べ、アメリカが離脱しても核合意を維持し、制裁の解除を続ける考えを示しました。
さらに、イランとの核合意は世界の核不拡散の枠組みの維持や朝鮮半島の非核化を目指すうえで重要な役割を担っているとして、アメリカの離脱によって北朝鮮の非核化を目指す国際社会の外交努力に悪影響が出ることに懸念を示しました。
また、トランプ大統領が過去最大級の経済制裁を科すと発表したことについても懸念を示し、直ちに関係国の外相らと協議する考えを示しました。
一方、EUのトゥスク大統領も来週、ブルガリアで開かれる首脳会議で対応を協議する考えを示しました。
また、トランプ大統領の発表に先立って、EUとイギリス、ドイツ、フランスの3か国、それにイラン外務省の高官は8日、ベルギーの首都、ブリュッセルにあるEU本部で協議しました。協議の具体的な内容は明らかになっていませんが、今後の核合意の枠組みについて意見を交わしたものと見られ、アメリカを除く関係国の対応が注目されます。
さらに、イランとの核合意は世界の核不拡散の枠組みの維持や朝鮮半島の非核化を目指すうえで重要な役割を担っているとして、アメリカの離脱によって北朝鮮の非核化を目指す国際社会の外交努力に悪影響が出ることに懸念を示しました。
また、トランプ大統領が過去最大級の経済制裁を科すと発表したことについても懸念を示し、直ちに関係国の外相らと協議する考えを示しました。
一方、EUのトゥスク大統領も来週、ブルガリアで開かれる首脳会議で対応を協議する考えを示しました。
また、トランプ大統領の発表に先立って、EUとイギリス、ドイツ、フランスの3か国、それにイラン外務省の高官は8日、ベルギーの首都、ブリュッセルにあるEU本部で協議しました。協議の具体的な内容は明らかになっていませんが、今後の核合意の枠組みについて意見を交わしたものと見られ、アメリカを除く関係国の対応が注目されます。
ソース:NHK ニュース