将棋しょうぎの藤井ふじい聡さとし太ふとしさん 15歳さいで七なな段だんに 最年少さいねんしょう記録きろくを61年ねんぶり更新こうしん

この春はる、高校生こうこうせい棋士きしとなった将棋しょうぎの藤井ふじい聡さとし太たい六ろく段だんが１いち８はち日にちの対局たいきょくに勝かって昇段しょうだんの条件じょうけんを満みたし、１いち５ご歳さい９きゅうか月かげつの史上しじょう最年少さいねんしょうで「七なな段だん」となりました。七なな段だん昇段しょうだんの最年少さいねんしょう記録きろくの更新こうしんは６ろく１いち年ねんぶりです。

藤井ふじい聡さとし太たい六ろく段だん（１いち５ご）は１いち８はち日にち、大阪おおさかの関西かんさい将棋しょうぎ会館かいかんで「竜王りゅうおうランキング戦せん」５ご組くみの準決勝じゅんけっしょうに臨のぞみ、船江ふなえ恒つね平たいら六ろく段だん（３さん１いち）と対局たいきょくしました。

午前ごぜん１いち０ぜろ時じに始はじまった対局たいきょくは、中盤ちゅうばんに入はいって互たがいに駒こまを打ち合うちあうなかで藤井ふじいさんが次第しだいに優勢ゆうせいとなり、午後ごご９きゅう時じ前まえ、７なな２に手てまでで船江ふなえさんが投了とうりょうしました。

これによって藤井ふじいさんは５ご組くみの中なかで２に位い以内いないとなって竜王りゅうおうランキング戦せんの２に期き連続れんぞくの昇級しょうきゅうが決きまり、昇段しょうだんの条件じょうけんを満みたして「七なな段だん」となりました。

おととし史上しじょう最年少さいねんしょうで四よん段だんになって、プロ入いりした藤井ふじいさんは、ことし２月にがつに五ご段だん、六ろく段だんと昇段しょうだんを重かさね、この４よんか月かげつの間まに３さん度どの昇段しょうだんを果はたしたことになります。

日本にっぽん将棋しょうぎ連盟れんめいによりますと、七なな段だん昇段しょうだんのこれまでの最年少さいねんしょう記録きろくは、昭和しょうわ３さん２に年ねんに加藤かとう一二三ひふみさんが達成たっせいした１いち７なな歳さい３さんか月かげつです。

現在げんざい１いち５ご歳さい９きゅうか月かげつの藤井ふじいさんは、加藤かとうさんよりも１いち年ねん６ろくか月かげつ早はやく七なな段だんになり、最年少さいねんしょう記録きろくを６ろく１いち年ねんぶりに更新こうしんしました。

藤井ふじいさん「目めの前まえの一いち局きょく一いち局きょくに打ち込うちこんできた」

七なな段だんに昇段しょうだんした藤井ふじい聡さとし太ふとしさんは「ここまで速はやいペースで昇段しょうだんできると思おもっていませんでしたが、目めの前まえの一いち局きょく一いち局きょくに打ち込うちこんできたことが、こういう形かたちになって現あらわれ、うれしく思おもいます」と話はなしていました。

驚異きょうい的てきな速はやさで昇段しょうだん

日本にっぽん将棋しょうぎ連盟れんめいによりますと、七なな段だんへの昇段しょうだんを果はたした年齢ねんれいは、戦後せんごの記録きろくでは、去年きょねん現役げんえきを引退いんたいした加藤かとう一二三ひふみさんが１いち７なな歳さい３さんか月かげつで、これまで最年少さいねんしょう記録きろくを保持ほじしてきました。

次ついで、谷川たにがわ浩司こうじ九きゅう段だんが１いち８はち歳さい１いち１いちか月かげつ、羽生はぶ善治よしはる二に冠かんが２に０ぜろ歳さい０ぜろか月かげつ、渡辺わたなべ明あきら棋王きおうが２に１いち歳さい５ごか月かげつとなっています。

４よん人にんは、いずれも中学生ちゅうがくせいのときにプロ入いりを決きめ、その後そのごトップ棋士きしに上り詰のぼりつめていますが、藤井ふじいさんはこの４よん人にんと比くらべても驚異きょうい的てきな速はやさで昇段しょうだんを重かさねていることになります。

加藤かとう一二三ひふみさん「見事みごとの一いち字じに尽つきる」

これまで七なな段だん昇段しょうだんの最年少さいねんしょう記録きろくを保持ほじしていた加藤かとう一二三ひふみさんは「快かい進撃しんげきの末すえの史上しじょう最年少さいねんしょう、史上しじょう最速さいそくでの七なな段だん昇段しょうだん、心こころよりお祝おいわい申し上もうしあげます。１いち５ご歳さいにして早はやくも高段こうだん者しゃの域いきに達たっしたことは見事みごとの一いち字じに尽つきます。これからも、そのたぐいまれなる才能さいのうと豊ゆたかな探究たんきゅう心しん、絶たえざる情熱じょうねつをもって、いまだ誰だれもみたことのない景色けしきをわれわれにみせてくれることを楽たのしみにしております」というコメントを出だしました。

師匠ししょう 杉本すぎもと昌隆まさたか七なな段だんは

師匠ししょうの杉本すぎもと昌隆まさたか七なな段だんは、「ことしに入はいって３さん回かい目めの昇段しょうだんには感服かんぷくします。結果けっかを出だし続つづける強つよい棋士きしに対にたいして敬意けいいを表あらわします。弟子でしに自分じぶんと同おなじ段位だんいに追おいつかれることは、師匠ししょうとして大おおきな喜よろこび。複雑ふくざつな気持きもちなど微塵みじんもありません」と喜よろこびを表あらわしています。

勝因しょういんについては「気持きもちが前向まえむきで終始しゅうし攻せめの姿勢しせいを崩くずさなかったことです。一方いっぽう、相手あいてに角かくを打うたせるなど攻せめ合あいに持ち込もちこむ場面ばめんもありました。自陣じじん近ちかくに相手あいての駒こまを打うたせるのは怖こわいので、選えらばない棋士きしもいますが、彼かれは正面しょうめんからいけると判断はんだんしたのでしょう。緩急かんきゅう自在じざいな指さし回まわしでした」と分析ぶんせきしました。

そのうえで今後こんごの指導しどうについて、「技術ぎじゅつ的てきにはトップクラスの棋士きしなので私わたしが教おしえることはありませんが、まだ高校こうこう生なまなので将棋しょうぎを第だい一いちに集中しゅうちゅうできる環境かんきょう作づくりをしてあげたいと思おもいます。これまで以上いじょうにほかの棋士きしにマークされていくことになりますが、期待きたいに応こたえてほしいです」とエールを送おくっていました。

将棋しょうぎ界かいからの祝福しゅくふくコメント

藤井ふじい聡さとし太ふとしさんが史上しじょう最年少さいねんしょうで七なな段だんに昇段しょうだんしたことを受うけて、祝福しゅくふくのコメントが寄よせられています。

日本にっぽん将棋しょうぎ連盟れんめいの佐藤さとう康光やすみつ会長かいちょうは「年としの初はじめは四よん段だんだったことを考かんがえますと、過去かこに例れいを見みないスピードで、ただ驚おどろくばかりです。内容ないようも申し分もうしぶんなく見事みごとのひと言ひとことに尽つきます。さらなる飛躍ひやくを祈念きねんいたします」とたたえています。

羽生はぶ善治よしはる二に冠かんは「２月にがつの六ろく段だん昇段しょうだんから３さんか月かげつ余あまりで七なな段だん昇段しょうだんを達成たっせいされてそのスピードに驚きょうがくさせられています。将棋しょうぎの内容ないようも積極せっきょく的てきな動うごきが特徴とくちょうで磨みがきがかかっていると思おもいます。今後こんごの更さらなる活躍かつやくを期待きたいします」とコメントしています。

地元じもとの愛知あいち 瀬戸せと 歓声かんせいが沸き上わきあがる

地元じもとの愛知あいち県けん瀬戸せと市しでは喜よろこびの声こえが聞きかれました。

「せと銀座ぎんざ通どおり商店しょうてん街がい」では、これまでも藤井ふじいさんの対局たいきょくごとにシャッターに駒こまを貼はり付つけて大盤おおばん解説かいせつを行おこなう企画きかくを行おこなっていて、１いち８はち日にちも地元じもとの人ひとたちが集あつまって対局たいきょくの行方ゆくえを見守みまもりました。午後ごご９きゅう時じ前まえに藤井ふじいさんの勝利しょうりが決きまると、歓声かんせいが沸き上わきあがりました。

続つづいて、事前じぜんに準備じゅんびしていた「祝しゅく藤井ふじい聡さとし太ふとし君くん七なな段だん昇段しょうだんおめでとうごいます」と書かかれた幕まくがアーケードの天井てんじょうから吊つるされました。

シャッターの大盤おおばん解説かいせつを企画きかくした商店しょうてん街がいの飯島いいじま加奈かなさんは「途中とちゅう、混戦こんせんになって対局たいきょくの行方ゆくえに注目ちゅうもくしていました。七なな段だん昇段しょうだんなんて本当ほんとうにすごいことだと思おもいます。これからも応援おうえんしていきます」とうれしそうに話はなしていました。

また、日本にっぽん将棋しょうぎ連盟れんめいの指導しどう員いんで大盤おおばん解説かいせつを行おこなった菅原すがわら秀雄ひでおさんは「七なな段だんはすごいことだし、さらに上うえを目指めざしてほしい」とエールを送おくっていました。

藤井ふじい聡さとし太ふとしさんの地元じもと、愛知あいち県けん瀬戸せと市しの伊藤いとう保徳やすのり市長しちょうは「心こころからお喜よろこび申し上もうしあげます。瀬戸せと市しにおける将棋しょうぎ文化ぶんかの普及ふきゅうや藤井ふじい七なな段だんの応援おうえんに今後こんごも取り組とりくんでいきたいと思おもいます。地元じもとに明あかるい話題わだいを提供ていきょうしてくれる藤井ふじい七なな段だんに敬意けいいを表あらわし感謝かんしゃしたいと思おもいます」というコメントを出だしました。

ソース：NHK ニュース