Show Furigana
鉄鋼輸入制限 EU・カナダ・メキシコにも高関税 トランプ政権
2018-05-31 19:37:33

アメリカのトランプ政権は、鉄鋼製品などへの異例の輸入制限措置で、一時的に対象から外していたEU=ヨーロッパ連合やカナダ、メキシコに対し、1日から新たに高い関税を課すことを決めました。EUは報復関税を課す構えを示すなど、貿易摩擦の広がりが懸念されます。
アメリカのトランプ政権は、ことし3月、安く輸入されている鉄鋼やアルミニウムについて、安全保障上の脅威を理由に高い関税を課す、異例の輸入制限措置を発動しました。
トランプ政権は、一時的に対象から外していたEUやカナダ、メキシコに対しても、1日から新たに高い関税を課すことを決めました。
トランプ大統領は、EUに対する貿易赤字が年間16兆円を超えていることなどに強い不満を示してきました。
この決定に対抗しEUは、アメリカへ報復関税を課す構えです。
また、アメリカは、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉で合意の見通しが不透明なカナダとメキシコにも高い関税を課すことを決めましたが、協議が続いている中での決定は強い反発を招いています。
アメリカは、EUやカナダ、メキシコと協議を続けるとしていますが、ともに自由貿易を推進してきた国や地域への一方的な措置の発動で、貿易摩擦の広がりが懸念されます。
一方、当初から対象にされてきた日本について、トランプ大統領は、貿易赤字の削減に向けた具体的な成果が得られれば除外を検討するとしており、当面、鉄鋼製品などへの高い関税が続く見通しです。
トランプ政権は、一時的に対象から外していたEUやカナダ、メキシコに対しても、1日から新たに高い関税を課すことを決めました。
トランプ大統領は、EUに対する貿易赤字が年間16兆円を超えていることなどに強い不満を示してきました。
この決定に対抗しEUは、アメリカへ報復関税を課す構えです。
また、アメリカは、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉で合意の見通しが不透明なカナダとメキシコにも高い関税を課すことを決めましたが、協議が続いている中での決定は強い反発を招いています。
アメリカは、EUやカナダ、メキシコと協議を続けるとしていますが、ともに自由貿易を推進してきた国や地域への一方的な措置の発動で、貿易摩擦の広がりが懸念されます。
一方、当初から対象にされてきた日本について、トランプ大統領は、貿易赤字の削減に向けた具体的な成果が得られれば除外を検討するとしており、当面、鉄鋼製品などへの高い関税が続く見通しです。
米のロス商務長官「幅広い国対象に高関税を課す必要」
今回の決定について、アメリカのロス商務長官は、31日、CNBCテレビのインタビューで「鉄鋼の過剰生産は世界中で見られることだ。1つの国を対象とするだけでは過剰生産の問題に対処できない」と述べ、アメリカの産業を保護するには過剰生産の原因となっている中国だけでなく幅広い国を対象に高い関税を課す必要があるという考えを示しました。
そのうえで、EU=ヨーロッパ連合が報復措置をとる構えを示していることについて、アメリカの経済規模と比べ極めて小さなものだとして、国内への影響は小さいと強調しました。
そのうえで、EU=ヨーロッパ連合が報復措置をとる構えを示していることについて、アメリカの経済規模と比べ極めて小さなものだとして、国内への影響は小さいと強調しました。
EU「米からの輸入に関税を課す以外に選択肢ない」
アメリカが鉄鋼製品などに高い関税を課す輸入制限措置の対象にEUを含めると決めたことを受けて、EUのユンケル委員長は31日、声明を出し、「アメリカによる一方的な関税は正当化できるものでなく、WTO=世界貿易機関のルールにも反する。純粋な保護主義だ」としてアメリカの決定を批判しました。
そのうえで「WTOに訴えるとともにアメリカからの輸入に関税を課す以外に選択肢はない」として報復措置を取る考えを示しました。
EUはすでに、ウイスキーのバーボンやハーレー・ダビッドソンといったアメリカを象徴する製品などに報復関税を課すとして対象品目のリストの草案を公表しています。
一方で、EUはアメリカが無条件でEUを措置の対象から除外するなら、アメリカからの自動車や液化天然ガスの輸入拡大などで、協議に応じる準備があると呼びかけてきました。
そのうえで「WTOに訴えるとともにアメリカからの輸入に関税を課す以外に選択肢はない」として報復措置を取る考えを示しました。
EUはすでに、ウイスキーのバーボンやハーレー・ダビッドソンといったアメリカを象徴する製品などに報復関税を課すとして対象品目のリストの草案を公表しています。
一方で、EUはアメリカが無条件でEUを措置の対象から除外するなら、アメリカからの自動車や液化天然ガスの輸入拡大などで、協議に応じる準備があると呼びかけてきました。
カナダ 7月1日から報復措置
カナダのトルドー首相は緊急に記者会見し、「安全保障を理由とした今回のアメリカの措置は全く受け入れられない。カナダからアメリカに輸出された鉄鋼やアルミニウムが安全保障上の脅威という主張は理解しがたい」と述べて、アメリカの対応を強く批判しました。
そのうえで、カナダは、7月1日から報復措置に踏み切ることを発表しました。
具体的には、カナダが被る損失が1年間で、日本円にして1兆3000億円あまりに上ると指摘し、同等額の損失をアメリカに与えるため、アメリカからの鉄鋼やアルミニウムなどに25%、オレンジジュースやチョコレートなどに10%の関税をかけ、アメリカがカナダを対象から外すまで続けるということです。
これらの製品はNAFTA=北米自由貿易協定のもとで現在は関税がかかっていません。
また、8日からカナダで開かれるG7サミットで議長を務めるトルドー首相は、トランプ大統領も出席する見通しだとしたうえで、「通商や気候変動についてG7各国の考えが一致していないことはわかっていた。率直で真剣な話し合いをしたい」と述べて、G7サミットで通商問題を議題に取り上げる考えを示しました。
そのうえで、カナダは、7月1日から報復措置に踏み切ることを発表しました。
具体的には、カナダが被る損失が1年間で、日本円にして1兆3000億円あまりに上ると指摘し、同等額の損失をアメリカに与えるため、アメリカからの鉄鋼やアルミニウムなどに25%、オレンジジュースやチョコレートなどに10%の関税をかけ、アメリカがカナダを対象から外すまで続けるということです。
これらの製品はNAFTA=北米自由貿易協定のもとで現在は関税がかかっていません。
また、8日からカナダで開かれるG7サミットで議長を務めるトルドー首相は、トランプ大統領も出席する見通しだとしたうえで、「通商や気候変動についてG7各国の考えが一致していないことはわかっていた。率直で真剣な話し合いをしたい」と述べて、G7サミットで通商問題を議題に取り上げる考えを示しました。
メキシコ外相「米製品に報復関税」
メキシコのビデガライ外相は31日、声明を発表し「アメリカ政府による鉄鋼とアルミニウムに対する新たな関税に断固として反対する。アメリカからの輸入品に対して同等の関税を直ちに採用する」として、アメリカの決定を批判しました。
そのうえで、アメリカがメキシコを措置の対象から除外するまで、アメリカからの鉄鋼製品の一部、リンゴ、ブドウ、チーズなどに対し報復措置として関税をかけることを明らかにしました。
そのうえで、アメリカがメキシコを措置の対象から除外するまで、アメリカからの鉄鋼製品の一部、リンゴ、ブドウ、チーズなどに対し報復措置として関税をかけることを明らかにしました。
全米商工会議所「米国内の産業や雇用に悪影響」
今回の決定についてアメリカの主要な経済団体、全米商工会議所は、31日、声明を発表し、「このような措置は、アメリカの製造業の製造コストを上昇させる。アメリカの鉄鋼価格は、すでにヨーロッパや中国と比べ50%近く高くなっている」と述べ、鉄鋼の輸入制限措置の拡大は、アメリカ国内の産業や雇用に悪影響を与えると訴えました。
そのうえで、「今回の対象の拡大によって幅広い報復措置を招くことは確実で、税制改革や規制改革によって拡大してきた経済はリスクにさらされる。このリスクを真剣に受け止めるようトランプ政権に要請する」と述べ、決定の見直しを強く求めました。
そのうえで、「今回の対象の拡大によって幅広い報復措置を招くことは確実で、税制改革や規制改革によって拡大してきた経済はリスクにさらされる。このリスクを真剣に受け止めるようトランプ政権に要請する」と述べ、決定の見直しを強く求めました。
ソース:NHK ニュース