仏像ぶつぞうなど盗難とうなん 3年ねん半はんで約やく100点てん 無人むじんの寺てらや神社じんじゃで 和歌山わかやま

和歌山わかやま県内けんないの無人むじんの寺てらや神社じんじゃで、３さん年ねん半はんほどの間まに、少すくなくとも１いち０ぜろ０ぜろ点てん近ちかくの仏像ぶつぞうや木像もくぞうなどが盗ぬすまれる被害ひがいに遭あっていることが警察けいさつなどへの取材しゅざいでわかりました。警察けいさつは、仏像ぶつぞうを狙ねらった窃盗せっとうグループによる犯行はんこうの疑うたがいがあると見みて捜査そうさしています。

警察けいさつによりますと、和歌山わかやま県内けんないでは平成へいせい２に７なな年ねんから先月せんげつ３さん１いち日にちまでの３さん年ねん半はんほどの間まに、寺てらの仏像ぶつぞうや神社じんじゃの木像もくぞう、少すくなくとも９きゅう８はち点てんが盗ぬすまれているのが確認かくにんされたということです。多おおくが無人むじんの寺てらや神社じんじゃだったということです。
特とくに集中しゅうちゅうしているのが県けん北部ほくぶの岩出いわで市しや紀の川きのかわ市しで、全体ぜんたいの８はち割わりに当にあたる７なな９きゅう点てんが被害ひがいに遭あっていました。

このうち紀の川きのかわ市しでは、いずれも平安へいあん時代じだいの作さくとされ市しの文化財ぶんかざいに指定していされている知足ちそく院いんの「木造もくぞう天てん部ぶ形がた立像りつぞう」がおととし３月さんがつから４月しがつまでの間まに、西山にしやま観音かんのん堂どうの「木造もくぞう十じゅう一いち面めん観音かんのん立像りつぞう」がことし３月さんがつに盗ぬすまれていました。

警察けいさつは、仏像ぶつぞうを狙ねらった窃盗せっとうグループによる犯行はんこうの疑うたがいがあるとみて捜査そうさするとともに、自治体じちたいなどと協力きょうりょくして地域ちいきの人ひとたちに防犯ぼうはんカメラの設置せっちなども呼よびかけています。

高齢こうれい化かや人口じんこう減少げんしょうで管理かんり難むずかしく

盗ぬすまれた「木造もくぞう十じゅう一いち面めん観音かんのん立像りつぞう」は、高たかさが１いちメートル８はち０ぜろセンチ、重おもさが数すう十じゅうキロあります。

この仏像ぶつぞうが安置あんちされていた「西山にしやま観音かんのん堂どう」はふだんは無人ぶにんですが、寺てらの行事ぎょうじに合あわせて、毎年まいとし３月さんがつに地域ちいきの人ひとたちが掃除そうじをしています。

ことしも１いち８はち日にちに檀家だんかの高田たかだ光造こうぞうさん（６ろく９きゅう）がお堂どうに入はいったところ、仏像ぶつぞうなどがなくなっているのに気付きづいたということです。

檀家だんかの総代そうだいを務つとめる西川にしかわ泰弘やすひろさん（７なな１いち）によりますと、近年きんねんは高齢こうれい化かや人口じんこう減少げんしょうでお堂どうの維持いじ管理かんりが難むずかしくなってきているということです。

西川にしかわさんは「市しや県けんがある程度あるていど、支援しえんに力ちからを入いれてもらわないと、地域ちいきだけで文化財ぶんかざいを守まもり切きるのは難むずかしくなっている。盗ぬすまれた仏像ぶつぞうは早はやく見みつけてもらいたい」と話はなしています。

和歌山わかやまで被害ひがい急増きゅうぞう

警察けいさつによりますと、和歌山わかやま県内けんないの寺てらや神社じんじゃから仏像ぶつぞうなどが盗ぬすまれる被害ひがいは平成へいせい２に７なな年ねんから増ふえています。平成へいせい２に６ろく年ねんは被害ひがいの届け出とどけではありませんでしたが、平成へいせい２に７なな年ねんには５いつつの市しと町まちで合あわせて１いち９きゅう点てんが、おととしには２ふたつの市しで１いち５ご点てんが盗ぬすまれていました。

特とくに去年きょねんは届け出とどけでの数かずが急増きゅうぞうし、４よっつの市しと町まちで５ご２に点てんと、前まえの年としのおよそ３さん．５ご倍ばいとなりました。ことしも先月せんげつ３さん１いち日にちまでの段階だんかいで４よっつの市しと町まちで１いち２に点てんが盗ぬすまれています。

ソース：NHK ニュース