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文書改ざん 内部調査結果公表し20人前後処分へ 財務省
2018-06-03 19:34:31

森友学園をめぐる決裁文書の改ざん問題で、財務省は4日、内部調査の結果と職員らの処分を発表します。佐川前理財局長が改ざんを事実上、指示し、停職の懲戒処分に相当すると判断して退職金を減額するなど、20人前後を処分する方針です。
財務省のこれまでの内部調査で、佐川前理財局長は去年2月ごろ、野党などから国会に決裁文書を提出するよう求められ、部下に対して文書の内容を「よく確認しろ」という趣旨の話をしていたということです。
これを部下の職員が改ざんの「指示」と受け取っていたという証言があるほか、佐川前局長は部下が作った原案を基にどこを改ざんするか、部下とともに具体的に決めていたという証言もあるということです。
このため財務省では、佐川氏が事実上、改ざんを指示していたと認定し、「停職」の懲戒処分に相当するとして退職金を減額する方針です。
また佐川氏の部下にあたる理財局の総務課長も、改ざんに関わっていたとして、「停職」の懲戒処分にする方針で調整しています。また改ざんに直接、関わってはいないものの、当時の事務次官や当時の官房長の監督責任も問う方針で、処分の対象は20人前後に上ります。
麻生副総理兼財務大臣についても責任を明確にするため、大臣給与を自主的に返納する方針です。
財務省は、4日に公表する内部調査の結果で、改ざんは本省の理財局と近畿財務局が行い、ほかの部署や外部の関与はなかったという判断を示すことにしています。
公文書の改ざんという行政の根幹を揺るがす行為をしてまで、学園側との価格交渉をうかがわせる記述や、安倍総理大臣の妻の昭恵氏や政治家の名前をなぜ削除したのかについて、どこまで詳しく説明できるかが焦点になります。
これを部下の職員が改ざんの「指示」と受け取っていたという証言があるほか、佐川前局長は部下が作った原案を基にどこを改ざんするか、部下とともに具体的に決めていたという証言もあるということです。
このため財務省では、佐川氏が事実上、改ざんを指示していたと認定し、「停職」の懲戒処分に相当するとして退職金を減額する方針です。
また佐川氏の部下にあたる理財局の総務課長も、改ざんに関わっていたとして、「停職」の懲戒処分にする方針で調整しています。また改ざんに直接、関わってはいないものの、当時の事務次官や当時の官房長の監督責任も問う方針で、処分の対象は20人前後に上ります。
麻生副総理兼財務大臣についても責任を明確にするため、大臣給与を自主的に返納する方針です。
財務省は、4日に公表する内部調査の結果で、改ざんは本省の理財局と近畿財務局が行い、ほかの部署や外部の関与はなかったという判断を示すことにしています。
公文書の改ざんという行政の根幹を揺るがす行為をしてまで、学園側との価格交渉をうかがわせる記述や、安倍総理大臣の妻の昭恵氏や政治家の名前をなぜ削除したのかについて、どこまで詳しく説明できるかが焦点になります。
決裁文書改ざん問題の経緯
森友学園への国有地売却などに関する財務省の決裁文書が、改ざんされた疑いがあると最初に報じられたのは、ことしの3月2日でした。
当初、財務省は、大阪地検の捜査が行われていることを理由に、明確な説明を避けていました。
しかし近畿財務局で国有地の取り引きを担当する部署にいた男性職員が3月7日に自殺し、上からの指示で文書を書き直させられた、とか、このままでは自分1人のせいにされてしまう、などという内容が書かれたメモを残していました。
3月9日には、財務省の前理財局長だった当時の佐川宣寿国税庁長官が辞任。理財局長時代の国会対応に丁寧さを欠き、国会審議の混乱を招いたことを辞任の理由に挙げました。
ただ、改ざんについては「捜査を受けている立場でコメントは差し控えたい」として答えませんでした。
財務省が改ざんを認めたのは問題が明るみなってから10日後の3月12日。森友学園をめぐる問題が国会で取り上げられた去年2月以降、14の文書で300か所以上を改ざんし、学園との事前の価格交渉をうかがわせる記述のほか、安倍総理大臣の妻の昭恵氏や政治家の名前が記された部分などを削除していました。
改ざんは、誰が、どのような目的で指示していたのか。財務省は、改ざんは本省の理財局の指示で行われ、当時、国会答弁にも立っていた佐川氏の関与の度合いは大きく、改ざんも「知っていた」と説明してきました。
ただ佐川氏本人は、3月27日の国会の証人喚問で「刑事訴追の可能性」を理由に証言を拒み、みずからの関与や改ざんを指示していたかどうか明らかにしませんでした。
さらに先月には佐川氏が、「すでに廃棄した」と答弁してきた、森友学園との交渉記録を実は意図的に廃棄していたことが明らかになりました。
財務省は、職員のパソコンなどに記録が残っていたとして大量の文書も公開。「国会審議を冒とくしたという批判を受けても言い逃れできない」と謝罪しました。
一方、改ざん問題などの捜査を行ってきた検察当局は、先月31日、佐川前理財局長を嫌疑不十分で不起訴にしました。また国有地売却問題で告発された財務省の当時の幹部らについても不起訴にし、一連の問題で告発を受理した38人全員を不起訴にしています。
当初、財務省は、大阪地検の捜査が行われていることを理由に、明確な説明を避けていました。
しかし近畿財務局で国有地の取り引きを担当する部署にいた男性職員が3月7日に自殺し、上からの指示で文書を書き直させられた、とか、このままでは自分1人のせいにされてしまう、などという内容が書かれたメモを残していました。
3月9日には、財務省の前理財局長だった当時の佐川宣寿国税庁長官が辞任。理財局長時代の国会対応に丁寧さを欠き、国会審議の混乱を招いたことを辞任の理由に挙げました。
ただ、改ざんについては「捜査を受けている立場でコメントは差し控えたい」として答えませんでした。
財務省が改ざんを認めたのは問題が明るみなってから10日後の3月12日。森友学園をめぐる問題が国会で取り上げられた去年2月以降、14の文書で300か所以上を改ざんし、学園との事前の価格交渉をうかがわせる記述のほか、安倍総理大臣の妻の昭恵氏や政治家の名前が記された部分などを削除していました。
改ざんは、誰が、どのような目的で指示していたのか。財務省は、改ざんは本省の理財局の指示で行われ、当時、国会答弁にも立っていた佐川氏の関与の度合いは大きく、改ざんも「知っていた」と説明してきました。
ただ佐川氏本人は、3月27日の国会の証人喚問で「刑事訴追の可能性」を理由に証言を拒み、みずからの関与や改ざんを指示していたかどうか明らかにしませんでした。
さらに先月には佐川氏が、「すでに廃棄した」と答弁してきた、森友学園との交渉記録を実は意図的に廃棄していたことが明らかになりました。
財務省は、職員のパソコンなどに記録が残っていたとして大量の文書も公開。「国会審議を冒とくしたという批判を受けても言い逃れできない」と謝罪しました。
一方、改ざん問題などの捜査を行ってきた検察当局は、先月31日、佐川前理財局長を嫌疑不十分で不起訴にしました。また国有地売却問題で告発された財務省の当時の幹部らについても不起訴にし、一連の問題で告発を受理した38人全員を不起訴にしています。
国家公務員の処分
国家公務員の処分には法律に基づいて行われる「懲戒処分」があります。
懲戒処分には重い順に「免職」「停職」「減給」「戒告」の4種類があります。
ほかにも処分はあります。財務省の内規に基づいて行われるのが「訓告」や、文書や口頭での「厳重注意」といった処分です。
佐川前理財局長のようなすでに退職した人に対して処分はできません。在職中に「免職相当」や「停職相当」などの行為があった場合、退職金の返還や自主返納を求めることになります。
懲戒処分には重い順に「免職」「停職」「減給」「戒告」の4種類があります。
ほかにも処分はあります。財務省の内規に基づいて行われるのが「訓告」や、文書や口頭での「厳重注意」といった処分です。
佐川前理財局長のようなすでに退職した人に対して処分はできません。在職中に「免職相当」や「停職相当」などの行為があった場合、退職金の返還や自主返納を求めることになります。
過去の処分
平成10年に、当時の大蔵省で、接待汚職事件が発覚した際には、合わせて112人が処分を受けました。
最も重い懲戒処分は「停職」でした。銀行局担当の大臣官房審議官が「停職」4か月でした。
「減給」の懲戒処分は17人。証券局長や近畿財務局長などが対象でした。
「戒告」の懲戒処分は14人でした。
このほか、80人が財務省の内規に基づいた「訓告」や「文書厳重注意」「口頭厳重注意」の処分を受けました。
この接待汚職事件では、当時の三塚大蔵大臣も責任を取って辞任しました。また銀行と監督当局の癒着が明らかになり、旧大蔵省から金融行政が分離されるきっかけになりました。
このほか、財務省では平成20年に、深夜に帰宅する際に公費で利用したタクシーの運転手から金品などを受け取っていた問題で600人余りの職員が「停職」や「減給」などの処分を受け、当時の事務次官が文書による「厳重注意」を受けています。
最も重い懲戒処分は「停職」でした。銀行局担当の大臣官房審議官が「停職」4か月でした。
「減給」の懲戒処分は17人。証券局長や近畿財務局長などが対象でした。
「戒告」の懲戒処分は14人でした。
このほか、80人が財務省の内規に基づいた「訓告」や「文書厳重注意」「口頭厳重注意」の処分を受けました。
この接待汚職事件では、当時の三塚大蔵大臣も責任を取って辞任しました。また銀行と監督当局の癒着が明らかになり、旧大蔵省から金融行政が分離されるきっかけになりました。
このほか、財務省では平成20年に、深夜に帰宅する際に公費で利用したタクシーの運転手から金品などを受け取っていた問題で600人余りの職員が「停職」や「減給」などの処分を受け、当時の事務次官が文書による「厳重注意」を受けています。
ソース:NHK ニュース