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スー・チー氏「ロヒンギャ問題解決には時間かかる」
2018-06-07 09:59:31

ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問がNHKの単独インタビューに応じ、少数派のロヒンギャの人たちが隣国への避難を余儀なくされていることについて「数世紀前から続く問題であり、数か月で解決することは不可能だ」などと述べ、解決には時間がかかるという認識を示しました。
ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問は7日、おととしの新政権発足後では初めてとなるNHKとの単独インタビューに応じました。
少数派のイスラム教徒、ロヒンギャの人たち、推計で70万人が隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされている問題をめぐり、スー・チー氏は人権侵害についての国連による調査を拒否していることなどから、国際的な批判を浴びてきました。
7日のインタビューで、スー・チー氏は「これは数世紀前から続く問題であり、ミャンマー国内でさえ、歴史的な背景をすべて理解している人はほとんどいない。何が起きていて、なぜ対策をとらなければならないか、まずは、ミャンマーの国民が理解できることが最も重要だ」と述べ、国民の間にロヒンギャの人たちに対する根強い差別感情もある中で問題の解決には時間がかかるという認識を示しました。
そのうえで、ロヒンギャの避難民のミャンマー側への帰還が進まない現状について「ミャンマーは果たすべき責任はすべて果たしてきた」と述べ、ロヒンギャの人権保護に消極的だという批判はあたらないと反論しました。
そして、今後は、ミャンマー政府が主体となって人権侵害についての調査を進め、国連の支援も得ながら帰還の手続きを進めることで問題の解決につなげたいという考えを示しました。
また、議会の議席の4分の1が軍に割り当てられるなど、依然として軍が政権運営に強い影響力を持っていることについて「軍の影響力がミャンマーが抱える課題を複雑にしているというのが実情だ。ミャンマー政府は、真に民主的な国家のように、軍をコントロールすることができない」と述べ、民主化の実現や、少数民族の武装勢力との和平に向けて、軍との調整で苦慮していることをにじませていました。
最後に、ロヒンギャの人たちをめぐる問題に対する日本の関わりについて「有益で現実的な支援をしてきてくれたことに感謝している。今後も両国の友好関係を重視している」と述べたうえで、経済面も含めた日本からの支援に期待する考えを示しました。
少数派のイスラム教徒、ロヒンギャの人たち、推計で70万人が隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされている問題をめぐり、スー・チー氏は人権侵害についての国連による調査を拒否していることなどから、国際的な批判を浴びてきました。
7日のインタビューで、スー・チー氏は「これは数世紀前から続く問題であり、ミャンマー国内でさえ、歴史的な背景をすべて理解している人はほとんどいない。何が起きていて、なぜ対策をとらなければならないか、まずは、ミャンマーの国民が理解できることが最も重要だ」と述べ、国民の間にロヒンギャの人たちに対する根強い差別感情もある中で問題の解決には時間がかかるという認識を示しました。
そのうえで、ロヒンギャの避難民のミャンマー側への帰還が進まない現状について「ミャンマーは果たすべき責任はすべて果たしてきた」と述べ、ロヒンギャの人権保護に消極的だという批判はあたらないと反論しました。
そして、今後は、ミャンマー政府が主体となって人権侵害についての調査を進め、国連の支援も得ながら帰還の手続きを進めることで問題の解決につなげたいという考えを示しました。
また、議会の議席の4分の1が軍に割り当てられるなど、依然として軍が政権運営に強い影響力を持っていることについて「軍の影響力がミャンマーが抱える課題を複雑にしているというのが実情だ。ミャンマー政府は、真に民主的な国家のように、軍をコントロールすることができない」と述べ、民主化の実現や、少数民族の武装勢力との和平に向けて、軍との調整で苦慮していることをにじませていました。
最後に、ロヒンギャの人たちをめぐる問題に対する日本の関わりについて「有益で現実的な支援をしてきてくれたことに感謝している。今後も両国の友好関係を重視している」と述べたうえで、経済面も含めた日本からの支援に期待する考えを示しました。
スー・チー政権2年余 問われる手腕
ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問が事実上のトップを務める政権が発足してから2年余りとなります。民主化の象徴的な存在として今も国民から高い支持を得ていますが、ロヒンギャの避難民への対応などを疑問視する声も出ていて、その手腕が問われています。
ミャンマーでは50年以上にわたって続いた軍が強い影響力を持つ政権に代わって、おととし3月、民主化勢力が主導する政権が発足し、事実上のトップとしてスー・チー氏が国家顧問に就任しました。
スー・チー氏は民主化の象徴的な存在として今も国民から高い支持を得ているほか、好調な内需に支えられ高い経済成長も続いています。
一方で、少数派のロヒンギャの住民、およそ70万人が隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされている問題をめぐっては、治安部隊による迫害行為が指摘される中、事実の解明や人権の保障は進んでいません。
背景には、ロヒンギャの人たちに対するミャンマー国民の根強い差別感情や、議会の4分の1を占める軍が今も強い影響力を持つといった現状などがあると見られていますが、国際社会からの批判が強まっています。
こうした中、先月31日、ミャンマー政府は、バングラデシュに避難しているロヒンギャの住民の帰還手続きに国連が関与していくことを発表しました。
ロヒンギャの避難民をめぐる問題について、国連の関与を受け入れることによって問題の解決に取り組んでいる姿勢を示す狙いがあると見られます。
さらに、スー・チー氏がかかげる「民主主義」の在り方が問われる事態も相次いでいます。新政権が発足したあと、政府を批判した雑誌の編集者などが次々と逮捕されたほか、去年12月には、ロヒンギャの人権問題を取材していたロイター通信のミャンマー人記者が機密文書を不正に入手したとして逮捕され、言論の自由をめぐる状況に懸念が広がっています。
軍が今も影響力を持つ中で、民主化の象徴的な存在として、今後、真の民主化を実現させることができるのか、スー・チー氏の手腕が問われています。
ミャンマーでは50年以上にわたって続いた軍が強い影響力を持つ政権に代わって、おととし3月、民主化勢力が主導する政権が発足し、事実上のトップとしてスー・チー氏が国家顧問に就任しました。
スー・チー氏は民主化の象徴的な存在として今も国民から高い支持を得ているほか、好調な内需に支えられ高い経済成長も続いています。
一方で、少数派のロヒンギャの住民、およそ70万人が隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされている問題をめぐっては、治安部隊による迫害行為が指摘される中、事実の解明や人権の保障は進んでいません。
背景には、ロヒンギャの人たちに対するミャンマー国民の根強い差別感情や、議会の4分の1を占める軍が今も強い影響力を持つといった現状などがあると見られていますが、国際社会からの批判が強まっています。
こうした中、先月31日、ミャンマー政府は、バングラデシュに避難しているロヒンギャの住民の帰還手続きに国連が関与していくことを発表しました。
ロヒンギャの避難民をめぐる問題について、国連の関与を受け入れることによって問題の解決に取り組んでいる姿勢を示す狙いがあると見られます。
さらに、スー・チー氏がかかげる「民主主義」の在り方が問われる事態も相次いでいます。新政権が発足したあと、政府を批判した雑誌の編集者などが次々と逮捕されたほか、去年12月には、ロヒンギャの人権問題を取材していたロイター通信のミャンマー人記者が機密文書を不正に入手したとして逮捕され、言論の自由をめぐる状況に懸念が広がっています。
軍が今も影響力を持つ中で、民主化の象徴的な存在として、今後、真の民主化を実現させることができるのか、スー・チー氏の手腕が問われています。
ソース:NHK ニュース