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大飯原発訴訟 住民の訴え退ける 名古屋高裁金沢支部
2018-07-04 07:09:21

福井県にある大飯原子力発電所3号機と4号機について、住民らが関西電力に運転しないよう求めた裁判で、2審の名古屋高等裁判所金沢支部は、運転しないよう命じた1審の判決を取り消し、住民の訴えを退けました。高裁は、大飯原発の運転再開にあたり原子力規制委員会が行った審査に不合理な点はないという判断を示しました。
大飯原子力発電所3号機と4号機の運転をめぐり、住民らが関西電力に対して起こした裁判で、4年前、1審の福井地方裁判所は「地震の揺れの想定が楽観的だ」などとして運転しないよう命じる判決を言い渡しました。
福島第一原発の事故のあと、原発の運転を認めない司法判断はこれが初めてで、関西電力が控訴し、対象外とされた一部の原告も控訴しました。
4日の2審の判決で、名古屋高等裁判所金沢支部の内藤正之裁判長は、1審の判決を取り消し、住民の訴えを退けました。
判決では、大飯原発の運転再開にあたり原子力規制委員会が行った審査について「不合理な点は認められず、大飯原発の危険性は社会通念上、無視できる程度にまで管理・統制されている」という判断を示しました。
大飯原発3号機と4号機は去年、原子力規制委員会の審査に合格し、すでに営業運転を始めていて、高裁の判断が注目されていました。

福島第一原発の事故のあと、原発の運転を認めない司法判断はこれが初めてで、関西電力が控訴し、対象外とされた一部の原告も控訴しました。
4日の2審の判決で、名古屋高等裁判所金沢支部の内藤正之裁判長は、1審の判決を取り消し、住民の訴えを退けました。
判決では、大飯原発の運転再開にあたり原子力規制委員会が行った審査について「不合理な点は認められず、大飯原発の危険性は社会通念上、無視できる程度にまで管理・統制されている」という判断を示しました。
大飯原発3号機と4号機は去年、原子力規制委員会の審査に合格し、すでに営業運転を始めていて、高裁の判断が注目されていました。

大飯原子力発電所3号機と4号機の運転をめぐり、住民らが関西電力に対して起こした裁判で、4年前、1審の福井地方裁判所は「地震の揺れの想定が楽観的だ」などとして運転しないよう命じる判決を言い渡しました。
福島第一原発の事故のあと、原発の運転を認めない司法判断はこれが初めてで、関西電力が控訴し、対象外とされた一部の原告も控訴しました。
4日の2審の判決で、名古屋高等裁判所金沢支部の内藤正之裁判長は、1審の判決を取り消し、住民の訴えを退けました。
判決では、大飯原発の運転再開にあたり原子力規制委員会が行った審査について「不合理な点は認められず、大飯原発の危険性は社会通念上、無視できる程度にまで管理・統制されている」という判断を示しました。
大飯原発3号機と4号機は去年、原子力規制委員会の審査に合格し、すでに営業運転を始めていて、高裁の判断が注目されていました。
福島第一原発の事故のあと、原発の運転を認めない司法判断はこれが初めてで、関西電力が控訴し、対象外とされた一部の原告も控訴しました。
4日の2審の判決で、名古屋高等裁判所金沢支部の内藤正之裁判長は、1審の判決を取り消し、住民の訴えを退けました。
判決では、大飯原発の運転再開にあたり原子力規制委員会が行った審査について「不合理な点は認められず、大飯原発の危険性は社会通念上、無視できる程度にまで管理・統制されている」という判断を示しました。
大飯原発3号機と4号機は去年、原子力規制委員会の審査に合格し、すでに営業運転を始めていて、高裁の判断が注目されていました。
傍聴席からはため息
裁判長が判決の結論にあたる主文を読み上げている時、法廷の傍聴席からは「異議あり」などと声が上がり、裁判長は「お静かに」と述べました。
そして、判決の理由の中で「原子力規制委員会の審査に不合理な点はない」という判断を示すと、傍聴席からは「不当だ」といった大きな声やため息が聞こえました。
そして、判決の理由の中で「原子力規制委員会の審査に不合理な点はない」という判断を示すと、傍聴席からは「不当だ」といった大きな声やため息が聞こえました。
原告側「不当判決」
判決が言い渡されると、裁判所の前では、原告側の弁護士などが「不当判決」や「司法は福島から目をそむけるのか」と書かれた旗を掲げました。
そして、「福島の原発事故から目を背けた判決だ」とか「不当判決許さない」などとシュプレヒコールを上げていました。
弁護団の河合弘之弁護士は「国民を守るということを真摯(しんし)に検討したとは思えず、考えられる中で最悪の判決だ」と話すなど、憤りをあらわにしていました。
そして、「福島の原発事故から目を背けた判決だ」とか「不当判決許さない」などとシュプレヒコールを上げていました。
弁護団の河合弘之弁護士は「国民を守るということを真摯(しんし)に検討したとは思えず、考えられる中で最悪の判決だ」と話すなど、憤りをあらわにしていました。
関西電力「安全性確保に裁判所の理解」
大飯原発を運転している関西電力は「今回の判決は、大飯原発3、4号機の安全性が確保されていることについて、裁判所に理解していただいた結果だと考えている。当社としては、引き続き安全性や信頼性の向上に努め、今後も立地地域をはじめ、社会の皆様の理解を頂きながら運転を継続してまいります」とコメントしています。
規制委元委員「地震の揺れ 過小評価のおそれ」
裁判では、大飯原子力発電所3号機と4号機で想定される地震の揺れ=「基準地震動」をめぐって、再稼働の前提となる審査に参加した原子力規制委員会の元委員が証人として招かれ、「過小評価のおそれがある」と訴えました。
証言したのは、原子力規制委員会で地震や津波の想定などの審査を担当し、4年前に退任した島崎邦彦氏です。
島崎元委員は去年4月、裁判所に証人として招かれ、みずからが関わった審査で、基準地震動を求めるために「入倉・三宅式」と呼ばれる計算式を、大飯原発3号機と4号機の評価で使ったことは適切ではなかったと証言しました。
島崎元委員は、「入倉・三宅式」について、地震が起きた後にその規模を算出する場合には有効だが、地震の予測に使うのは適切ではないと指摘しました。
この計算式を使っておととし4月の熊本地震を分析した結果、地震が起きる前のデータでは震源となる断層の正確な面積がわからず、地震の揺れは小さくなったということです。
そのうえで、大飯原発3号機と4号機の基準地震動についても、「『入倉・三宅式』が、西日本に多い、断層面の傾斜が垂直かそれに近い横ずれ断層で使われた場合、過小評価のおそれがある」と訴えていました。
そのため、規制委員会はおととし7月、別の計算式を使って大飯原発3号機4号機の基準地震動を計算し直しましたが、関西電力の想定はおおむね妥当だとして見直す必要はないとしました。
一方、先立って進められていた大飯原発3号機4号機の国の審査で、関西電力は、原子力規制委員会からの指摘を受けて、基準地震動を2回にわたって見直しました。
審査では、原発の周辺で連動する活断層の数を2本から3本に増やし、震源の深さを当初の4キロから3キロに浅くすることを求められました。
その結果、基準地震動は最大700ガルから856ガルに引き上げられ、規制委員会は去年5月、再稼働の前提となる新たな規制基準に合格していると判断しています。
証言したのは、原子力規制委員会で地震や津波の想定などの審査を担当し、4年前に退任した島崎邦彦氏です。
島崎元委員は去年4月、裁判所に証人として招かれ、みずからが関わった審査で、基準地震動を求めるために「入倉・三宅式」と呼ばれる計算式を、大飯原発3号機と4号機の評価で使ったことは適切ではなかったと証言しました。
島崎元委員は、「入倉・三宅式」について、地震が起きた後にその規模を算出する場合には有効だが、地震の予測に使うのは適切ではないと指摘しました。
この計算式を使っておととし4月の熊本地震を分析した結果、地震が起きる前のデータでは震源となる断層の正確な面積がわからず、地震の揺れは小さくなったということです。
そのうえで、大飯原発3号機と4号機の基準地震動についても、「『入倉・三宅式』が、西日本に多い、断層面の傾斜が垂直かそれに近い横ずれ断層で使われた場合、過小評価のおそれがある」と訴えていました。
そのため、規制委員会はおととし7月、別の計算式を使って大飯原発3号機4号機の基準地震動を計算し直しましたが、関西電力の想定はおおむね妥当だとして見直す必要はないとしました。
一方、先立って進められていた大飯原発3号機4号機の国の審査で、関西電力は、原子力規制委員会からの指摘を受けて、基準地震動を2回にわたって見直しました。
審査では、原発の周辺で連動する活断層の数を2本から3本に増やし、震源の深さを当初の4キロから3キロに浅くすることを求められました。
その結果、基準地震動は最大700ガルから856ガルに引き上げられ、規制委員会は去年5月、再稼働の前提となる新たな規制基準に合格していると判断しています。
ソース:NHK ニュース