広島ひろしま 府中ふちゅう町まち 榎えのき川がわが氾濫はんらん 上流じょうりゅうで土石流どせきりゅうか

10日にち午前ごぜん、広島ひろしま県けん府中ふちゅう町まちを流ながれる榎えのき川がわで、上流じょうりゅうから流ながれてきた土砂どしゃや流木りゅうぼくが川かわをせき止せきとめ、水みずがあふれ出だしました。上流じょうりゅうで土石流どせきりゅうが発生はっせいした可能かのう性せいがあり、町まちは住民じゅうみんに避難ひなん指示しじを出だし、安全あんぜんの確保かくほを呼よびかけています。

10日にち午前ごぜん11時じすぎ、府中ふちゅう町まち本町ほんちょう３さん丁目ちょうめ付近ふきんにある寺山てらやま橋きょうで上流じょうりゅうから流ながれてきた大量たいりょうの土砂どしゃや流木りゅうぼくが川かわをせき止せきとめ、水みずがあふれ出だしました。

水みずは近ちかくの住宅じゅうたく街がいに流れ込ながれこみ、町まちは１いち万まん377世帯せたい、２に万まん3516人にんに避難ひなん指示しじを出だし、午後ごご４よん時半じはん現在げんざい、町内ちょうないの７ななか所かしょの避難ひなん所しょにおよそ370人にんが避難ひなんしたということです。

川かわの周辺しゅうへんには小学校しょうがっこうや幼稚園ようちえんなどがありますが、子こどもたちは、職員しょくいんなどの誘導ゆうどうで無事ぶじ避難ひなんしたということです。

これまでのところ、けが人けがにんの情報じょうほうはありませんが、複数ふくすうの住宅じゅうたくが水みずにつかったということです。

府中ふちゅう町まちの住宅じゅうたく街がいを流ながれる榎えのき川がわは、１いち級きゅう河川かせんの太田おおた川がわの支流しりゅうにあたる全長ぜんちょう4.8キロの川かわです。

県けんによりますと、10日にち午前ごぜん、土石流どせきりゅうが榎えのき川がわの上流じょうりゅうの砂防さぼうダムを乗り越のりこえたのが確認かくにんされ、県けんは、さらに上流じょうりゅうで土石流どせきりゅうが発生はっせいした可能かのう性せいがあるとみて調しらべています。

県けんは、川かわにたまった土砂どしゃや流木りゅうぼくの撤去てっきょを進すすめていますが、作業さぎょうが終おわるめどは立たっていないということです。

榎えのき川がわの砂防さぼうダムの状況じょうきょう

広島ひろしま県けんによりますと、府中ふちゅう町まちを流ながれる榎えのき川がわには、大雨おおあめなどで流れ出ながれだした土砂どしゃの勢いきおいを食い止くいとめる「砂防さぼうダム」が上流じょうりゅうの７ななか所かしょに設置せっちされています。

今回こんかい、県けんの職員しょくいんが土石流どせきりゅうが乗り越のりこえているのを確認かくにんしたのは、７ななか所かしょのうち最もっとも下流かりゅう側がわにある砂防さぼうダムで、土石流どせきりゅうはさらに上流じょうりゅう側がわで発生はっせいしたとみられますが、具体ぐたい的てきな場所ばしょはまだ確認かくにんできていないということです。

住民じゅうみんが土砂どしゃの撤去てっきょ作業さぎょう

10日にちになって川かわが氾濫はんらんした広島ひろしま県けんの府中ふちゅう町まちでは、住民じゅうみんたちが街まちなかに流れ込ながれこんだ土砂どしゃの撤去てっきょ作業さぎょうに追おわれました。

このうち府中ふちゅう町まち本町ほんちょうにある鮮魚せんぎょ店てんでは、店内てんないは被害ひがいを受うけていませんが流ながれてきた土砂どしゃが付近ふきんの道路どうろを覆おおっていて、店みせの人ひとたちがシャベルなどを使つかって取り除とりのぞいていました。

鮮魚せんぎょ店てんで働はたらく楠くすのき家か正也まさやさん（33）は「店みせのシャッターをすぐに閉しめて避難ひなんしました。大おおきな被害ひがいがなかったのは不幸ふこう中ちゅうの幸さいわいでした。きのうから晴はれていたので安心あんしんしきっていましたが、こんなことが起おきるとは思おもわず驚おどろいています」と話はなしていました。

また、家族かぞくが理容りよう店てんを営いとなむ木本きもと朋美ともみさん（53）は被害ひがいを防ふせごうと近所きんじょの人ひとたちと協力きょうりょくして店みせの前まえに土どのうを積つみました。

川かわの水みずは店みせの手前てまえまできたということで、木本きもとさんは「ここからは川かわの様子ようすが見みえず、状況じょうきょうがわからなかったので怖こわかったです。川かわの流ながれがこのまま収おさまるのかわからず、とても不安ふあんです」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース