日銀にちぎん “リーマン前夜ぜんや”の危機きき認識にんしきに温度おんど差さ 会合かいごうの議事ぎじ録ろくで判明はんめい

日銀にちぎんは、10年ねん前まえのリーマンショック直前ちょくぜんにあたる2008年ねん上半期かみはんきの金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうの議事ぎじ録ろくを公表こうひょうしました。アメリカの金融きんゆう機関きかんの経営けいえい問題もんだいがどこまで危機きき的てきな状況じょうきょうになりうるか、委員いいんの間まで認識にんしきに温度おんど差さもあったことがわかりました。

日銀にちぎんは17日にち、2008年ねん９月くがつに起おきたリーマンショックの直前ちょくぜんにあたる2008年ねん上半期かみはんきの金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうの議事ぎじ録ろくを公表こうひょうしました。

この年としの３月さんがつには、サブプライムローンの焦こげつきが拡大かくだいした証券しょうけん大手おおて、ベアー・スターンズが大手おおて銀行ぎんこうに救済きゅうさい合併がっぺいされ、金融きんゆう市場しじょうに動揺どうようが広ひろがっていました。

これについて、６月ろくがつの会合かいごうで多おおくの議論ぎろんが交かわされ、当時とうじの白川しらかわ方ほう明あきら総裁そうさいは、ベアー・スターンズの救済きゅうさいにアメリカの中央ちゅうおう銀行ぎんこうが異例いれいの資金しきん支援しえんを行おこなったことを踏ふまえ、「大手おおて金融きんゆう機関きかんが突然とつぜん、破綻はたんすることを指さして最悪さいあく期きとか危機ききとか言いうならば最悪さいあく期きは去さったのだろうと思おもう」と述のべました。

これに対にたいして委員いいんからは、「簡単かんたんに最悪さいあく期きを脱だっしたとは言いわないほうがよい感かんじがある」、「リーマン・ブラザーズの資本しほん増強ぞうきょうが言いわれており、まだまだ終おわっていない」などと、金融きんゆう機関きかんの経営けいえい問題もんだいに依然いぜん、注意ちゅういが必要ひつようだという認識にんしきが相次あいついで示しめされました。

また、当時とうじの西村にしむら※清彦きよひこ副ふく総裁そうさいも、「突然とつぜんの破綻はたんが２に個こ、３さん個こと出でてくるとかなり大おおきなことになるので十分じゅうぶん注意ちゅういしておかなくてはいけない」と指摘してきしました。

一方いっぽう、委員いいんの中なかからは「実体じったい経済けいざいにも大おおきく影響えいきょうを与あたえるという部分ぶぶんはなくなったと思おもう」という意見いけんも出でるなど、どこまで危機きき的てきな状況じょうきょうになりうるか、委員いいんの間まで、認識にんしきに温度おんど差さもあったことがわかりました。

この会合かいごうのおよそ３さんか月かげつ後ご、リーマン・ブラザーズの経営けいえい破綻はたんが世界せかい的てきな金融きんゆう危機ききを招まねき、日本にっぽん経済けいざいにも深刻しんこくな影響えいきょうが及およぶことになります。

（※「清きよし」の「月つき」が「円えん」）

ソース：NHK ニュース