【随時更新】ロシア「戦勝記念日」式典でウクライナ侵攻正当化
2025-05-09 08:39:47

式典で演説したプーチン大統領は「国民全体が『特別軍事作戦』の参加者を支持している」と述べ、ウクライナへの侵攻を正当化しました。
ロシアでは5月9日は第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利したことを祝う記念日です。
80年の節目となることし、首都モスクワの赤の広場では、中国の習近平国家主席をはじめ、南米・ブラジルのルーラ大統領、ベネズエラのマドゥーロ大統領、それに旧ソビエトの国々などあわせて20か国以上の首脳が出席して記念の式典が行われました。
式典ではプーチン大統領が演説し「真実と正義はわれわれの側にある。国、社会、国民全体が『特別軍事作戦』の参加者を支持している。彼らの勇気と決意、それに常に私たちに勝利をもたらしてきた彼らの強さを誇りに思う」と述べ、ウクライナ侵攻に参加する兵士たちをたたえるとともに侵攻を正当化しました。
このあと軍事パレードが行われ、ウクライナ侵攻に参加するロシア軍の兵士のほか、旧ソビエトの国々や中国など13か国の兵士がパレードしました。
国営のタス通信によりますとあわせて1万1000人以上が参加したということで、欧米などに制裁を科される中でも世界から孤立していないとアピールしました。
パレードでは、ウクライナで使用している複数の種類の無人機などの兵器も披露される予定です。
プーチン大統領 発言
「ロシア全体が『特別軍事作戦』の参加者を支持」
プーチン大統領は演説で「ロシア全体が『特別軍事作戦』の参加者を支持している。彼らの勇敢さを誇りに思う」と述べ、国を挙げてウクライナ侵攻を続ける姿勢を強調しました。
「真実と正義はわれわれの側にある」
ロシアのプーチン大統領は演説で「ロシアはナチズムやロシア嫌い、反ユダヤ主義の支持者にとって不滅の障壁であり続ける」と述べるとともに「真実と正義はわれわれの側にある」と述べ、ウクライナへの侵攻を続けるロシアの正当性を訴えました。
現地から中継 モスクワ支局 渡辺信記者
Q.どのような状況でしょうか?
A.赤の広場周辺では、厳しい警備が行われていてます。
兵士などが5メートルほどの間隔で立っているほか、この中継を行う場所に来るまで3回の安全検査があり、各国から取材に来た報道陣の行列ができていました。
私の後ろには、このあとパレードに参加する第2次世界大戦で使われた戦車T34が待機しているのが見えます。
プーチン大統領は3日間の停戦を表明しましたが、中国の習近平国家主席など、多くの外国の首脳を招いた中で何としても無事に戦勝記念日の式典を終えたいという力の入れようが感じられます。
Q.パレードの注目点は?
A.まずは、このあと行われる、プーチン大統領の演説の内容です。
演説の中で、ウクライナへの軍事侵攻について正当化することは想定できますが、アメリカのトランプ大統領が呼びかけているウクライナとの停戦をめぐって何らかの言及をするかどうかに注目しています。
ロシアの外交筋の間では、プーチン大統領は、一方的に併合したウクライナの4つの州を完全に掌握しないかぎり、停戦交渉には応じないという見方もあります。
このため、今後の軍事侵攻の方針や停戦に向けた、アメリカとの対話の可能性について述べるかどうかも注目点です。
さらなる注目点は、軍事パレードに参加するロシア以外の国々の軍の兵士についてです。
Q.他国の軍はどれぐらいの規模で参加?
A.ことしは戦勝80周年にあたるため、旧ソビエトのカザフスタン、ウズベキスタンなどのほか、中国、ベトナム、ミャンマーなど、あわせて13か国の軍が参加する予定です。
プーチン大統領としては、こうした国々の軍を招くことでウクライナへの軍事侵攻を続ける中、欧米から制裁を科されていても、ロシアは孤立していないと示すとともに欧米への対立軸としてロシアや中国を中心とした国々の存在感を誇示したいねらいもあるのではないかとみられます。
また、パレードにロシア軍の兵器の中で軍事侵攻で使われているものが登場することにも注視したいと思います。
ウクライナへの攻撃で使用している複数の種類の無人機が、トラックの荷台に搭載された形で披露されることがわかっています。
3年以上にわたってウクライナ侵攻を続けるロシアが、今後、どう出てくくるのか。それを探る手がかりがかいま見えることはないのか。
注目の式典が始まっています。