日銀にちぎん 黒田くろだ総裁そうさい「物価ぶっか上昇じょうしょう率りつ2％程度ていど可能かのう性せいも」金融きんゆう緩和かんわは継続けいぞくへ

日銀にちぎんの黒田くろだ総裁そうさいは、今いまの大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわを維持いじすることを決きめた会合かいごうのあと記者きしゃ会見かいけんし、物価ぶっか上昇じょうしょう率りつがことし4月つき以降いこうに目標もくひょうとする2％程度ていどになる可能かのう性せいがあるという見方みかたを示しめしました。
ただし、エネルギ－価格かかくの高騰こうとうによる物価ぶっか上昇じょうしょうは、景気けいきを後退こうたいさせるおそれがあり「金融きんゆうを引き締ひきしめるのは適切てきせつではない」と述のべ、金融きんゆう緩和かんわを続つづける方針ほうしんを強調きょうちょうしました。

この中なかで黒田くろだ総裁そうさいは、物価ぶっかの先行さきゆきについて、石油せきゆなどエネルギー価格かかくの上昇じょうしょうを主おもな要因よういんとして「4月つき以降いこうに、2％程度ていどに上昇じょうしょうする可能かのう性せいがある」と述のべました。

日銀にちぎんは、2％の物価ぶっか上昇じょうしょうが安定あんてい的てきに持続じぞくすることを目標もくひょうとしていますが、黒田くろだ総裁そうさいはエネルギー価格かかくを要因よういんとした物価ぶっか上昇じょうしょうは、企業きぎょう収益しゅうえきのマイナスや家計かけいの負担ふたん増加ぞうかで景気けいきを後退こうたいさせる懸念けねんがあると指摘してきし「当然とうぜん、金融きんゆうを引き締ひきしめるべきではないし、適切てきせつでもない」と述のべ、今いまの大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわを続つづける方針ほうしんを改あらためて強調きょうちょうしました。

一方いっぽう、円えん相場そうばがおよそ6年ねん1か月かげつぶりに1ドル＝119円えん台だいをつけるなど円えん安やすが進すすんでいることについて、黒田くろだ総裁そうさいはエネルギー価格かかくの上昇じょうしょうなどを注意深ちゅういぶかく見みていく必要ひつようがあるとしながらも「円えん安やすが全体ぜんたいをとして経済けいざい・物価ぶっかをともに押し上おしあげ、わが国わがくに経済けいざいにプラスに作用さようしているという基本きほん的てきな構造こうぞうに変かわりはないと考かんがえている」と述のべました。

そのうえで、アメリカなどの中央ちゅうおう銀行ぎんこうがインフレ抑制よくせいのため相次あいついで利上りあげに踏み切ふみきり、日本にっぽんとの金利きんり差さが広ひろがる影響えいきょうで円えん安やすがさらに加速かそくするのではないかという指摘してきに対にたいして、黒田くろだ総裁そうさいは欧米おうべいと比くらべて日本にっぽんの物価ぶっか上昇じょうしょう率りつは依然いぜんとして低ひくいとしたうえで「日本にっぽんが金利きんりを上あげる必要ひつようは全まったくない。金利きんり差さが拡大かくだいしたことで、直ただちに円えん安やすになることはない」と述のべました。

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかん「為替かわせ市場しじょうの動向どうこうや日本にっぽん経済けいざいへの影響えいきょうを注視ちゅうし」

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは、18日にち午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで日銀にちぎんが大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわ策さくの維持いじを決きめたことについて「日銀にちぎんには引き続ひきつづき政府せいふと連携れんけいして必要ひつような措置そちを適切てきせつに講こうじることを期待きたいしている。相場そうばの水準すいじゅんへのコメントは控ひかえるが、為替かわせの安定あんていは重要じゅうようであり、急速きゅうそくな変動へんどうは望のぞましくない。特とくに最近さいきんの円えん安やすの進行しんこうを含ふくめ、為替かわせ市場しじょうの動向どうこうや日本にっぽん経済けいざいへの影響えいきょうを緊張きんちょう感かんを持もって注視ちゅうししたい」と述のべました。

また、日銀にちぎんが国内こくないの景気けいき判断はんだんを引き下ひきさげたことについての国民こくみん生活せいかつへの影響えいきょうを問とわれ「ウクライナ情勢じょうせいが不透明ふとうめいで長期ちょうき化かするおそれがあることを踏ふまえ、引き続ひきつづき国民こくみん生活せいかつや企業きぎょうなどへの影響えいきょうを見極みきわめつつしっかり対応たいおうしたい」と述のべました。

ソース：NHK ニュース