Hiện Furigana
ベラルーシ 旅客機強制着陸に非難強まる 世界各地で抗議活動も
2021-05-29 10:24:53

旧ソビエト・ベラルーシのルカシェンコ政権が、旅客機を強制的に着陸させて反政権派のジャーナリストを拘束し国際社会の非難が強まるなか、反政権派の呼びかけに応じて29日、世界各地で抗議活動が行われる見通しです。
ベラルーシのルカシェンコ政権が国際線の旅客機を首都ミンスクの空港に強制的に着陸させ、搭乗していた反政権派のジャーナリスト、プロタセビッチ氏を拘束したことを受けて、反政権派のチハノフスカヤ氏は29日に世界各地で抗議活動を行うよう呼びかけています。
チハノフスカヤ氏は、28日には滞在しているオランダで支持者などを前に、諦めずにルカシェンコ政権に対する抗議活動を続けるべきだと訴えました。
すでにベラルーシの首都ミンスクでは治安当局の取締りを警戒しながら少人数に分かれて行進などが始まっていて、このあとリトアニアやポーランドなどでも抗議活動が行われる予定です。
ルカシェンコ政権に対する国際社会の非難が強まるなか、G7=主要7か国は、来月開かれる首脳会議で今回の事態を取り上げるとみられ、アメリカのバイデン大統領もベラルーシの後ろ盾となっているロシアのプーチン大統領との初めての首脳会談で議題にするとしています。
強制着陸の経緯
ベラルーシの航空当局は、旅客機のパイロットと首都ミンスクの管制官による英語の交信記録を公開しました。
それによりますと、アイルランドのライアンエアのボーイング737-800型機は、23日午前10時すぎ、ギリシャの首都アテネを離陸し、リトアニアの首都ビリニュスに向かっていました。
離陸からおよそ2時間後、パイロットが、ミンスクの管制官にウクライナの空域からベラルーシの空域に入ると伝えました。
これに対して、管制官は「特務機関からの情報では、機内に爆弾が仕掛けられ、ビリニュス上空で起動するおそれがある」と伝え、安全のためミンスクに着陸するよう勧告しました。
パイロットが「その情報はどこから来たのか」と問うと、管制官は「空港の警備スタッフが電子メールを受け取った」と答え、ミンスクに着陸するよう改めて勧告しました。
このあと、パイロットは、勧告を出しているのがライアンエアの本社なのか、または出発地ギリシャや到着地リトアニアの航空当局なのかを尋ねますが、管制官は「これは、われわれの勧告だ」と一方的に返答しました。
パイロットは最終的に、旅客機が緊急事態にあることを宣言し、このおよそ30分後、ミンスクに着陸しました。
ベラルーシのルカシェンコ大統領は、26日の演説で、着陸の際に、空軍の戦闘機が出動し、旅客機を監視していたことを明らかにしました。
旅客機の飛行コースを公開している、民間のホームページ「フライトレーダー24」によりますと、ライアンエア機は、あと数十キロでリトアニアの領空に入る直前、急きょ東に方向転換し、ミンスクに向かったことが分かります。
また、ベラルーシの航空当局が、交信記録と同時に公開した電子メールでは、イスラム原理主義組織の兵士を名乗る差出人が、イスラエルによるガザ地区への砲撃の停止などを要求したうえで、ライアンエア機には爆弾が仕掛けられており、ビリニュス上空で爆発すると脅迫しています。
しかし結局、爆弾は見つからず、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長が「国家によるハイジャックだ」と痛烈に批判するなど、ベラルーシに対する国際的な非難が高まりました。
それによりますと、アイルランドのライアンエアのボーイング737-800型機は、23日午前10時すぎ、ギリシャの首都アテネを離陸し、リトアニアの首都ビリニュスに向かっていました。
離陸からおよそ2時間後、パイロットが、ミンスクの管制官にウクライナの空域からベラルーシの空域に入ると伝えました。
これに対して、管制官は「特務機関からの情報では、機内に爆弾が仕掛けられ、ビリニュス上空で起動するおそれがある」と伝え、安全のためミンスクに着陸するよう勧告しました。
パイロットが「その情報はどこから来たのか」と問うと、管制官は「空港の警備スタッフが電子メールを受け取った」と答え、ミンスクに着陸するよう改めて勧告しました。
このあと、パイロットは、勧告を出しているのがライアンエアの本社なのか、または出発地ギリシャや到着地リトアニアの航空当局なのかを尋ねますが、管制官は「これは、われわれの勧告だ」と一方的に返答しました。
パイロットは最終的に、旅客機が緊急事態にあることを宣言し、このおよそ30分後、ミンスクに着陸しました。
ベラルーシのルカシェンコ大統領は、26日の演説で、着陸の際に、空軍の戦闘機が出動し、旅客機を監視していたことを明らかにしました。
旅客機の飛行コースを公開している、民間のホームページ「フライトレーダー24」によりますと、ライアンエア機は、あと数十キロでリトアニアの領空に入る直前、急きょ東に方向転換し、ミンスクに向かったことが分かります。
また、ベラルーシの航空当局が、交信記録と同時に公開した電子メールでは、イスラム原理主義組織の兵士を名乗る差出人が、イスラエルによるガザ地区への砲撃の停止などを要求したうえで、ライアンエア機には爆弾が仕掛けられており、ビリニュス上空で爆発すると脅迫しています。
しかし結局、爆弾は見つからず、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長が「国家によるハイジャックだ」と痛烈に批判するなど、ベラルーシに対する国際的な非難が高まりました。
EU「前代未聞の事態」強く非難
ベラルーシ当局が旅客機を強制的に着陸させたことを受けて、EU=ヨーロッパ連合は「乗客乗員の命を危険にさらした前代未聞の事態だ」と強く非難したうえで、ベラルーシ当局に対する経済制裁と当局者への資産凍結やEU域内への渡航禁止の制裁を科すことを決めています。
これに加えて、ベラルーシの航空会社がEUの空域を飛行することや域内の空港に着陸することも禁止しました。
また、EUの航空行政を担うEASA=ヨーロッパ航空安全庁は26日、域内を発着する航空会社に対し、ベラルーシ領空の飛行を避けるよう勧告しました。
EUとしては、乗客や乗員の安全を確保するねらいですが、ベラルーシにとっては、航空会社から領空通過料が支払われないなどの影響が出ることになります。
一方、こうした措置で、航空機の運航に乱れも出ています。
エールフランスやオーストリア航空は、勧告に従ってベラルーシ領空を避けたルートで航空機を運航しようとしていましたが、ベラルーシの友好国のロシアの航空当局が、これを許可しなかったため、モスクワへの便など一部の便が運休を余儀なくされたということです。
これに加えて、ベラルーシの航空会社がEUの空域を飛行することや域内の空港に着陸することも禁止しました。
また、EUの航空行政を担うEASA=ヨーロッパ航空安全庁は26日、域内を発着する航空会社に対し、ベラルーシ領空の飛行を避けるよう勧告しました。
EUとしては、乗客や乗員の安全を確保するねらいですが、ベラルーシにとっては、航空会社から領空通過料が支払われないなどの影響が出ることになります。
一方、こうした措置で、航空機の運航に乱れも出ています。
エールフランスやオーストリア航空は、勧告に従ってベラルーシ領空を避けたルートで航空機を運航しようとしていましたが、ベラルーシの友好国のロシアの航空当局が、これを許可しなかったため、モスクワへの便など一部の便が運休を余儀なくされたということです。
ソース:NHK ニュース