ロシア シリアに高こう性能せいのう地ち対空たいくうミサイル供与きょうよへ 米べいなど反発はんぱつ

ロシア軍ぐんの偵察ていさつ機きが中東ちゅうとうのシリアで誤あやまって撃墜げきついされたことを受うけ、ロシアは、シリアに高こう性能せいのうの地ち対空たいくうミサイルシステムを供与きょうよすると発表はっぴょうしました。イスラエルやアメリカは、地域ちいきの緊張きんちょうが高たかまると反発はんぱつを強つよめています。

今月こんげつ17日にち、シリア沖おきの地中海ちちゅうかい上空じょうくうを飛行ひこう中ちゅうのロシア軍ぐんの偵察ていさつ機きがシリア軍ぐんの地ち対空たいくうミサイルによって誤あやまって撃墜げきついされ、15人にんが死亡しぼうしました。

ロシアは、ミサイルは当時とうじ現場げんば付近ふきんで軍事ぐんじ作戦さくせんを行おこなっていたイスラエル軍ぐんの戦闘せんとう機きを狙ねらったもので、作戦さくせんを事前じぜんに知しらせなかったイスラエル側がわに責任せきにんがあるとして対抗たいこう措置そちをとる考かんがえを示しめしていました。

ロシアのショイグ国防こくぼう相しょうは24日にち、高性能こうせいのうの地ち対空たいくうミサイルシステム「Ｓえす300」を２に週間しゅうかん以内いないにシリアに供与きょうよすると発表はっぴょうしました。

ロシアは、これまでイスラエルからＳえす300をシリアに供与きょうよしないよう求もとめられてきましたが、ショイグ国防こくぼう相しょうは「状況じょうきょうは変かわった」と述のべ、ロシア軍ぐんの安全あんぜんを強化きょうかするため供与きょうよを決きめたと説明せつめいしました。

これに対にたいしてイスラエルやアメリカは、地域ちいきの緊張きんちょうが高たかまるとして、反発はんぱつを強つよめています。

イスラエル「中東ちゅうとう情勢じょうせいの緊張きんちょう高たかまる」強つよく反対はんたい

イスラエルのネタニヤフ首相しゅしょうは24日にち、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうと電話でんわ会談かいだんを行おこない、ロシア軍ぐんの偵察ていさつ機きが撃墜げきついされた責任せきにんはイスラエル軍ぐんにはなく、あくまでシリアのアサド政権せいけんにあると反論はんろんしました。

そのうえでロシアが高こう性能せいのうの地ち対空たいくうミサイルシステムをシリア国内こくないに供与きょうよすると表明ひょうめいしたことについて「高性能こうせいのうな兵器へいきを無責任むせきにんな相手あいてに渡わたせば中東ちゅうとう情勢じょうせいの緊張きんちょうが高たかまることになる」と述のべて、強つよく反対はんたいする考かんがえを示しめしました。

イスラエルはロシア軍ぐんの偵察ていさつ機きが撃墜げきついされた後のち、直ただちに軍ぐんの幹部かんぶをモスクワに派遣はけんするなどして関係かんけい修復しゅうふくを図はかりましたが、今いまのところ不調ふちょうに終おわっています。

ロシア側がわがこのままシリアに地ち対空たいくうミサイルシステムを供与きょうよした場合ばあい、イスラエル軍ぐんがこれまでシリアに対にたいして繰り返くりかえしてきた越境えっきょう攻撃こうげきの戦略せんりゃくが見直みなおしを迫せまられる可能かのう性せいもあります。

アメリカ ロシア外相がいしょうに直接ちょくせつ抗議こうぎへ

ロシアがシリアに対にたいして高こう性能せいのうの地ち対空たいくうミサイルシステムを供与きょうよする方針ほうしんについて、アメリカのボルトン大統領だいとうりょう補佐ほさ官かんは記者きしゃ団だんに対にたいして「事態じたいを激はげしく悪化あっかさせる。われわれが求もとめているのは、緊張きんちょうの緩和かんわであって、新あらたな戦闘せんとうの可能かのう性せいをなくすことだ」と強調きょうちょうし、反対はんたいの姿勢しせいを鮮明せんめいにしました。

またポンペイオ国務こくむ長官ちょうかんも記者きしゃ会見かいけんでロシアの決定けっていを批判ひはんし、国連こくれん総会そうかいに出席しゅっせきするロシアのラブロフ外相がいしょうに対にたいして直接ちょくせつ抗議こうぎする方針ほうしんを明あきらかにしました。

ソース：NHK ニュース