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保育所は騒音? 住民の訴え退ける 名古屋地裁岡崎支部
2018-09-28 08:00:07
保育所の子どもの声などで生活に支障が出たとして、愛知県豊田市の住民などが保育所側を訴えた裁判で、名古屋地方裁判所岡崎支部は「我慢すべき程度を超えているとは言えない」などと指摘し、訴えを退けました。
愛知県豊田市の私立保育所の近くに自宅や職場がある男女4人は、平成22年に保育所ができてから、子どもの声など保育所からの音によってうつの症状が出たり、仕事に集中できなくなったりするなど日常生活に支障が出たとして、保育所を運営する社会福祉法人に防音設備の設置と600万円の賠償を求めていました。
28日の判決で、名古屋地方裁判所岡崎支部の長谷川恭弘裁判長は「園児が庭で遊んでいる時間帯の音は、環境基準の60デシベルを下回っていて、社会生活上大きな音ではなく、不快な音であるとも言えない。幼児が遊具で遊ぶことや集団生活を送ることは発育のために不可欠で、誰もがこのような時期をへて成長するものだ」と指摘しました。
そのうえで「住民らが保育所からの音で精神面で悪影響を受けたことは認められ、運営開始前に住民への説明会を開かなかった点など、保育所の対応が真摯(しんし)でなかったことを踏まえても、保育所の音が一般的な社会生活において我慢すべき程度を超えているとは言えない」として、4人の訴えを退けました。
28日の判決で、名古屋地方裁判所岡崎支部の長谷川恭弘裁判長は「園児が庭で遊んでいる時間帯の音は、環境基準の60デシベルを下回っていて、社会生活上大きな音ではなく、不快な音であるとも言えない。幼児が遊具で遊ぶことや集団生活を送ることは発育のために不可欠で、誰もがこのような時期をへて成長するものだ」と指摘しました。
そのうえで「住民らが保育所からの音で精神面で悪影響を受けたことは認められ、運営開始前に住民への説明会を開かなかった点など、保育所の対応が真摯(しんし)でなかったことを踏まえても、保育所の音が一般的な社会生活において我慢すべき程度を超えているとは言えない」として、4人の訴えを退けました。
被告と原告のコメント
判決について、保育所を運営する社会福祉法人は「引き続き近隣の住民の方々の理解を得られるような園の運営に努めたい」とコメントしています。
一方、原告の住民らの代理人は「判決文を見ていないので、今の段階ではコメントできない」としています。
一方、原告の住民らの代理人は「判決文を見ていないので、今の段階ではコメントできない」としています。
子どもの声のトラブル各地で
子どもの声がうるさいとして、地域の住民と保育所や幼稚園との間でトラブルになるケースは、都市部を中心に全国各地で起きています。
このうち、千葉県市川市ではおととし、周辺の住民が騒音などを理由に反対したため、保育園の開園が中止されました。
また、大阪府吹田市はおととし、府営や市営の住宅の空き室を保育所に活用する計画を打ち出しましたが、住民から「子どもの声でうるさくなる」などと反対の声が上がり計画は頓挫しました。
こうした中、トラブルを未然に防ごうという動きも出ていて、例えば大阪府は去年、施設の管理者向けに手引書を作成しました。住宅から離れた位置に遊戯室を配置するなど、さまざまな取り組みを紹介しています。
また、東京都は3年前、子どもの声については音の大きさで一律に規制しないとした改正条例を施行しました。
従来の条例は、子どもの声を含め、「日中、45デシベル以上の音が騒音に当たる」として一律に規制していましたが、改正条例では、小学校入学前の子どもの声について音の大きさで一律に規制するのをやめ、「社会生活上、許容できる程度を超えた場合に勧告や命令を行う」と改めました。
待機児童の解消に向けて整備が進む保育所と、「子どもの声は騒音だ」として難色を示す地元住民。双方の折り合いをどうつけていくかは依然、大きな課題となっています。
このうち、千葉県市川市ではおととし、周辺の住民が騒音などを理由に反対したため、保育園の開園が中止されました。
また、大阪府吹田市はおととし、府営や市営の住宅の空き室を保育所に活用する計画を打ち出しましたが、住民から「子どもの声でうるさくなる」などと反対の声が上がり計画は頓挫しました。
こうした中、トラブルを未然に防ごうという動きも出ていて、例えば大阪府は去年、施設の管理者向けに手引書を作成しました。住宅から離れた位置に遊戯室を配置するなど、さまざまな取り組みを紹介しています。
また、東京都は3年前、子どもの声については音の大きさで一律に規制しないとした改正条例を施行しました。
従来の条例は、子どもの声を含め、「日中、45デシベル以上の音が騒音に当たる」として一律に規制していましたが、改正条例では、小学校入学前の子どもの声について音の大きさで一律に規制するのをやめ、「社会生活上、許容できる程度を超えた場合に勧告や命令を行う」と改めました。
待機児童の解消に向けて整備が進む保育所と、「子どもの声は騒音だ」として難色を示す地元住民。双方の折り合いをどうつけていくかは依然、大きな課題となっています。
「園児の声は騒音」に同感3割
3年前に厚生労働省が行った調査では、「保育園児の声を騒音と意識する住民の立場に同感できるか」という質問に、「とても同感できる」「ある程度同感できる」と答えた人は全体のおよそ35%でした。
行事やボランティアといった地域の活動に参加していない人ほど同感する割合が高いということで、地域のつながりが希薄化する今の時代の流れが子どもの声に寛容になれないことと関係しているという指摘も出ています。
行事やボランティアといった地域の活動に参加していない人ほど同感する割合が高いということで、地域のつながりが希薄化する今の時代の流れが子どもの声に寛容になれないことと関係しているという指摘も出ています。
ソース:NHK ニュース