太陽光たいようこう発電はつでんに停止ていし要求ようきゅうの可能かのう性せい「秋あきに入はいり供給きょうきゅう過多かた」理由りゆうに

九州きゅうしゅう地方ちほうでは秋あきに入はいって電力でんりょくの供給きょうきゅうが需要じゅようを上回うわまわって需給じゅきゅうのバランスが崩くずれるおそれがあり、大だい規模きぼな停電ていでんを防ふせぐために全国ぜんこくで初はじめて、太陽光たいようこう発電はつでんなどを一時いちじ的てきに停止ていしさせる「出力しゅつりょく制御せいぎょ」が実施じっしされる可能かのう性せいが出でています。

九州きゅうしゅう地方ちほうでは秋あきに入はいって冷房れいぼうを使つかわなくなり需要じゅようが減へる一方いっぽうで、太陽光たいようこうの導入どうにゅうが急速きゅうそくに進すすんでいることや原発げんぱつの再さい稼働かどうなどで供給きょうきゅうが増ふえていて電力でんりょくの供給きょうきゅうが需要じゅようを上回うわまわる状況じょうきょうが起おきています。

このため九州きゅうしゅう電力でんりょくは、電力でんりょくの需給じゅきゅうバランスが崩くずれて大だい規模きぼな停電ていでんが起おきるのを防ふせぐため、火力かりょく発電はつでん所しょの稼働かどうを抑おさえるとともに、今月こんげつに入はいって余あまった電気でんきを本州ほんしゅうや四国しこくに送おくる需給じゅきゅう調整ちょうせいを初はじめて行いっています。

しかし、こうした手段しゅだんを講こうじても需要じゅようの少すくない日ひには電力でんりょく供給きょうきゅうが過剰かじょうになるおそれもあるとして、九州きゅうしゅう電力でんりょくが太陽光たいようこうなどの事業じぎょう者しゃに一時いちじ的てきに発電はつでんの停止ていしを求もとめる「出力しゅつりょく制御せいぎょ」の実施じっしを求もとめる可能かのう性せいが出でています。

仮かりに「出力しゅつりょく制御せいぎょ」が実施じっしされれば離島りとうを除のぞいて全国ぜんこくで初はじめてとなります。

実施じっしにあたって世よ耕こう経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじんは先週せんしゅう、「透明とうめい性せい、公平こうへい性せいの確保かくほが非常ひじょうに重要じゅうようで、万が一まんがいち、制御せいぎょが行おこなわれた場合ばあいには国くにの審議しんぎ会かいでも検証けんしょうする」と述のべ、特定とくていの事業じぎょう者しゃに不ふ利益りえきが出でないよう事後じごに検証けんしょうを行おこなう考かんがえを示しめしています。

九州きゅうしゅうは太陽光たいようこう発電はつでんの「先進地せんしんち」

日照にっしょう条件じょうけんがよい九州きゅうしゅうは全国ぜんこく的てきに見みても太陽光たいようこう発電はつでんなどの導入どうにゅうが進すすんでいる地域ちいきです。

九州きゅうしゅうでは太陽光たいようこう発電はつでんだけでことし８月はちがつ末まつの時点じてんで出力しゅつりょくが最大さいだい800万まんキロワットに上のぼっています。

このため需要じゅようが少すくない春はるや秋あきの晴はれた日にち中ちゅうには太陽光たいようこうの発電はつでん量りょうで需要じゅようの８はち割わりをまかなえるまでになっています。

一方いっぽうで、原子力げんしりょく発電はつでん所しょが再さい稼働かどうして、現在げんざい、川内かわうち原発げんぱつと玄海げんかい原発げんぱつの合あわせて４よん基きが常時じょうじ400万まんキロワット以上いじょうを供給きょうきゅうしていますが、原発げんぱつは一時いちじ的てきに発電はつでん量りょうを減へらすことが困難こんなんです。

こうした中なか、今月こんげつはほぼ連日れんじつ、過剰かじょうになった電力でんりょくを九州きゅうしゅう以外いがいの地域ちいきに送おくっていますが、本州ほんしゅうと結むすぶ送電そうでん線せん「関門かんもん連れん系けい線せん」の容量ようりょうは557万まんキロワットが上限じょうげんです。

こうしたことから、九州きゅうしゅうでは電力でんりょくの供給きょうきゅうが過剰かじょうになる可能かのう性せいが出でているのです。

電力でんりょく供給きょうきゅうが過剰かじょうになり一部いちぶで発電はつでんを止とめたり抑おさえたりする仕組しくみ

「出力しゅつりょく制御せいぎょ」は、電力でんりょくの供給きょうきゅうが過剰かじょうになった場合ばあいに一部いちぶで発電はつでんを止とめたり抑おさえたりする仕組しくみです。

電力でんりょくは需給じゅきゅうのバランスが崩くずれて周波しゅうは数すうを保たもてなくなると、トラブルを防ふせぐため、発電はつでん所しょなどが自動的じどうてきに停止ていしして大だい規模きぼな停電ていでんが起おきるおそれがあります。

先月せんげつの北海道ほっかいどうの地震じしんでは大だい規模きぼな火力かりょく発電はつでん所しょが停止ていしし、供給きょうきゅう力りょくが急激きゅうげきに低下ていかしたことをきっかけにほぼ全域ぜんいきが停電ていでんする「ブラックアウト」に陥おちいりました。

このときは供給きょうきゅう力りょくの低下ていかが要因よういんとなりましたが、供給きょうきゅう力りょくが増ふえすぎても需給じゅきゅうバランスが崩くずれるため大だい規模きぼな停電ていでんが起おきるおそれがあります。

こうした事態じたいを避さけるため、電力でんりょく会社かいしゃは需要じゅようが少すくない場合ばあい、火力かりょく発電はつでん所しょの出力しゅつりょくを絞しぼるほか、過剰かじょうな電力でんりょくを他たの地域ちいきに送おくることで需給じゅきゅうバランスを調整ちょうせいします。

それでも供給きょうきゅう力りょくが大おおきすぎて需給じゅきゅうのバランスが保たもてない場合ばあいは、太陽光たいようこうや風力ふうりょく発電はつでん所しょにも「出力しゅつりょく制御せいぎょ」を実施じっしします。

この場合ばあい、天候てんこうに左右さゆうされる太陽光たいようこうや風力ふうりょくは発電はつでん量りょうの制御せいぎょが難むずかしいため、一時いちじ的てきに発電はつでんを停止ていしすることになります。

ソース：NHK ニュース