わいせつ教員きょういん“免許めんきょ再さい取得しゅとくできなくして” 保護ほご者しゃが署名しょめい提出ていしゅつ

児童じどうや生徒せいとへのわいせつ行為こういなどで処分しょぶんされた教員きょういんが過去かこ最多さいたとなる中なか、保護ほご者しゃで作つくる団体だんたいが子こどもへのわいせつ行為こういで教員きょういん免許めんきょを失効しっこうした場合ばあいは、免許めんきょを再さい取得しゅとくできないよう求もとめる5万まん4000人にん余あまりの署名しょめいを、28日にち、文部もんぶ科学かがく省しょうに提出ていしゅつしました。

文部もんぶ科学かがく省しょうの調査ちょうさでは、平成へいせい30年度ねんどに児童じどうや生徒せいと、同僚どうりょうの教職きょうしょく員いんなどに、わいせつ行為こういやセクシュアルハラスメントをしたとして、懲戒ちょうかい処分しょぶんなどを受うけた公立こうりつ学校がっこうの教員きょういんは282人にんに上のぼり過去かこ最多さいたとなっています。

こうした中なか、保護ほご者しゃで作つくる団体だんたいが28日にち、文部もんぶ科学かがく省しょうを訪おとずれ、子こどもへのわいせつ行為こういで教員きょういん免許めんきょを失効しっこうした場合ばあいは、免許めんきょを再さい取得しゅとくできないよう求もとめる陳情ちんじょうをインターネット上じょうで集あつめた5万まん4000人にん余あまりの署名しょめいとともに提出ていしゅつしました。

文部もんぶ科学かがく省しょうによりますと、教員きょういんが懲戒ちょうかい免職めんしょく処分しょぶんを受うけると、教員きょういん免許めんきょは失効しっこうしたり、取り上とりあげられたりしますが、3年ねんたてば再さい取得しゅとくが可能かのうとなっています。

団体だんたいの共同きょうどう代表だいひょうの郡司ぐんじ真子しんこさんは「被害ひがいに遭あった子こどもたちは声こえを上あげられなかったりうそだと否定ひていされたりして傷きずついている。免許めんきょの問題もんだいだけでなく、性せい暴力ぼうりょくをきっかけに不ふ登校とうこうになる子こもいるので学まなぶ機会きかいも保証ほしょうしてほしい」と話はなしていました。

提出ていしゅつを受うけて文部もんぶ科学かがく省しょうは「教員きょういんによる児童じどう生徒せいとへのわいせつ行為こういは、あってはならないもので、引き続ひきつづき厳正げんせいに対応たいおうしていきたい」としています。

わいせつ教員きょういん 過去かこ最多さいた 改名かいめいするケースも

文部もんぶ科学かがく省しょうの調査ちょうさでは、児童じどうや生徒せいと、同僚どうりょうなどに対にたいするわいせつ行為こういやセクハラ行為こういで処分しょぶんされた公立こうりつ学校がっこうの教員きょういんは増加ぞうか傾向けいこうにあり、平成へいせい30年度ねんどは282人にんと、10年ねん前まえから100人にん以上いじょう増ふえ、調査ちょうさを始はじめた昭和しょうわ52年度ねんど以降いこうで過去かこ最多さいたとなっています。

被害ひがい者しゃをみると、
▽自じ校こうの児童じどうが25人にん、
▽自じ校こうの生徒せいとが99人にん、
▽自じ校こうの卒業そつぎょう生せいが14人にんと、ほぼ半数はんすうが加害かがい者しゃの教員きょういんが勤務きんむする学校がっこうの子こどもたちや卒業そつぎょう生せいとなっています。

また、
▽そのほかの18歳さい未満みまんが43人にん、
▽自じ校こうの教職きょうしょく員いんが41人にんなどとなっています。

SNSの普及ふきゅうにより、外そとから見みえない形かたちで教員きょういんが生徒せいととつながるケースも確認かくにんされているということです。

これまでには、児童じどうポルノ禁止きんし法ほう違反いはんの罪つみで罰金ばっきんの略式りゃくしき命令めいれいを受うけたあと、名前なまえを変かえて別べつの県けんで講師こうしとして採用さいようされ、勤務きんむ先さきの小学校しょうがっこうの児童じどうに対にたいする強制きょうせいわいせつの罪つみで有罪ゆうざい判決はんけつを受うけたケースもあり、再発さいはつ防止ぼうしも大おおきな課題かだいになっています。

文科ぶんか省しょう 法ほう改正かいせいも視野しやに対策たいさく検討けんとう

教員きょういんによるわいせつ行為こういが深刻しんこくな問題もんだいとなる中なか、文部もんぶ科学かがく省しょうは法ほう改正かいせいも視野しやに対策たいさくを検討けんとうしています。

現在げんざい進すすめられている対応たいおうの一ひとつは、教員きょういん免許めんきょの失効しっこうに関にかんする情報じょうほうを検索けんさくできる期間きかんの延長えんちょうです。

教育きょういく委員いいん会かいなどの採用さいよう担当たんとう者しゃが利用りようできる「官報かんぽう情報じょうほう検索けんさくツール」というデータベースでは、氏名しめいを入力にゅうりょくすると教員きょういん免許めんきょを失効しっこうしている場合ばあいは、その理由りゆうなどを確認かくにんできます。

文部もんぶ科学かがく省しょうは、システムで検索けんさくできる期間きかんを、免許めんきょの再さい取得しゅとくが可能かのうになる期間きかんと同おなじ3年ねんとしていましたが、来年らいねん2月つきから40年ねんに延長えんちょうすることを決きめました。

教員きょういんによるわいせつ行為こういの増加ぞうかなどを理由りゆうにあげていますが、延長えんちょうの対象たいしょうにあらゆる懲戒ちょうかい免職めんしょく処分しょぶんが含ふくまれていることや、機微きびな個人こじん情報じょうほうであることから利用りようする際さいは厳重げんじゅうな管理かんりも求もとめています。

また、わいせつ行為こういをした教員きょういんへの処分しょぶんの厳格げんかく化かも進すすめられています。

文部もんぶ科学かがく省しょうによりますと、自治体じちたいによって対応たいおうに差さがあったわいせつ行為こういをした教員きょういんへの処分しょぶんについて、今月こんげつ中ちゅうにもすべての都道とどう府県ふけんや政令市せいれいしの教育きょういく委員いいん会かいで、「原則げんそくとして懲戒ちょうかい免職めんしょくとする」という規定きていが整備せいびされる見通みとおしだということです。

さらに、失効しっこうした教員きょういん免許めんきょを、3年ねん後ごに再さい取得しゅとくできる現状げんじょうの仕組しくみについても、見直みなおす方向ほうこうで検討けんとうを進すすめています。

これには教育きょういく職員しょくいん免許めんきょ法ほうの改正かいせいが必要ひつようですが、文部もんぶ科学かがく省しょうでは、憲法けんぽうが保障ほしょうする「職業しょくぎょう選択せんたくの自由じゆう」との兼ね合かねあいや、更生こうせいの否定ひていにつながりかねないという課題かだいも踏ふまえ、検討けんとうを続つづけています。

萩生田はぎうだ文部もんぶ科学かがく大臣だいじんは、今月こんげつ15日にちの閣議かくぎ後ご会見かいけんで「守まもり育そだてる立場たちばにある教員きょういんが、児童じどう生徒せいとに対にたいしてわいせつ行為こういを行おこなうことは、断だんじてあってはならない」などと述のべ、法ほう改正かいせいに前向まえむきな姿勢しせいを示しめしています。

ソース：NHK ニュース