北海道ほっかいどう 泊とまり原発げんぱつで初はつの津波つなみ想定そうていの防災ぼうさい訓練くんれん 政府せいふも対応たいおう確認かくにん

再さい稼働かどうの前提ぜんていとなる国くにの審査しんさを受うけている北海道ほっかいどうにある泊はく原子力げんしりょく発電はつでん所しょで、国くにの訓練くんれんとしては初はじめて津波つなみからの避難ひなんも想定そうていした原子力げんしりょく総合そうごう防災ぼうさい訓練くんれんが始はじまりました。

訓練くんれんは震度しんど６ろく強きょうの地震じしんが発生はっせいし、泊とまり原発げんぱつで原子げんし炉ろを冷ひやす機能きのうが失うしなわれたうえ沿岸えんがん部ぶに津波つなみが押し寄おしよせて原発げんぱつ周辺しゅうへんの道路どうろが寸断すんだんされたという想定そうていで行おこなわれました。

原発げんぱつのある泊とまり村むらでは午前ごぜん８はち時半じはんごろ村むらの防災ぼうさい行政ぎょうせい無線むせんで大だい津波つなみ警報けいほうの発表はっぴょうが伝つたえられ、住民じゅうみんたちが高台たかだいにある小学校しょうがっこうまで歩あるいて避難ひなんする訓練くんれんを行おこないました。小学校しょうがっこうに集あつまった住民じゅうみんたちは村むらの職員しょくいんから原発げんぱつでさらに事態じたいが悪化あっかするおそれがあるとして６ろく０ぜろキロ余あまり離はなれた札幌さっぽろ市内しないのホテルまでバスで広域こういき避難ひなんする手順てじゅんなどの説明せつめいを受うけていました。参加さんかした３さん７なな歳さいの男性だんせいは、「津波つなみからは逃のがれられても原発げんぱつからも離はなれなければならず、バスが避難ひなん所しょまで来きてくれるのか津波つなみで家族かぞくがバラバラにならないかなどいくつか不安ふあんも残のこります」と話はなしていました。

泊とまり村むらに隣接りんせつする共和きょうわ町まちでは津波つなみで流ながされたがれきで沿岸えんがん部ぶの道路どうろが通行つうこうできなくなったという想定そうていでがれきを撤去てっきょする訓練くんれんが行おこなわれ、地元じもとの建設けんせつ業者ぎょうしゃががれきに見立みたてた流木りゅうぼくなどを重機じゅうきで撤去てっきょし、通行つうこうを再開さいかいさせるまでの手順てじゅんを確認かくにんしました。

訓練くんれんに参加さんかした小樽おたる建設けんせつ協会きょうかいの中野なかの豊ゆたか副ふく会長かいちょうは「実際じっさいに津波つなみがきたらがれきの量りょうはこの程度ていどですまないので、業者ぎょうしゃ側がわでも素早すばやく撤去てっきょできるよう訓練くんれんを重かさねていきたい」と話はなしていました。

原発げんぱつの敷地しきち内ないでも北海道ほっかいどう電力でんりょくの社員しゃいんらによる訓練くんれんが行おこなわれ、防護ぼうご服ふくを着きた救急きゅうきゅう隊員たいいんが放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが付着ふちゃくしないよう救急きゅうきゅう車しゃの内部ないぶにシートをかぶせるなどしてけが人けがにんを搬送はんそうする手順てじゅんを確認かくにんしたり、放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの拡散かくさんを抑おさえるため福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの事故じこのあとに設置せっちされた放水ほうすい設備せつびを使つかって、高たかさおよそ８はち０ぜろメートルの原子げんし炉ろ建屋たきのやに向むかって放水ほうすいする手順てじゅんを確認かくにんしたりしていました。

原発げんぱつから１いち０ぜろキロほど離はなれた共和きょうわ町まちにある対策たいさく拠点きょてん「オフサイトセンター」では原子力げんしりょく規制きせい庁ちょうや周辺しゅうへん自治体じちたいの職員しょくいんらが集あつまって国くにや関係かんけい機関きかんと情報じょうほうを共有きょうゆうする訓練くんれんが行おこなわれました。原子力げんしりょく防災ぼうさい担当たんとうの内閣ないかく府ふの伊藤いとう副ふく大臣だいじんは天候てんこう不良ふりょうで当初とうしょ、予定よていしていたヘリでの移動いどうができず、予定よていより１いち時間じかん半はんほど遅おくれてバスで到着とうちゃくしました。

総理そうり大臣だいじん官邸かんていなどと結むすぶテレビ会議かいぎも行おこなわれ、午後ごご３さん時半じはんすぎ、安倍あべ総理そうり大臣だいじんが「原子力げんしりょく緊急きんきゅう事態じたい」を宣言せんげんして津波つなみへの安全あんぜん確保かくほを最さい優先ゆうせんに、原発げんぱつから半径はんけい５ごキロ圏内けんないの住民じゅうみんを避難ひなんさせるよう北海道ほっかいどうや周辺しゅうへんの自治体じちたいなどに指示しじしました。会議かいぎの前まえ、北海道庁ほっかいどうちょうとを結むすぶテレビ会議かいぎシステムで音声おんせいが届とどかないトラブルがおよそ２に０ぜろ分ふん続つづいたということで訓練くんれんの進行しんこうに影響えいきょうはありませんでしたが、道みちなどが原因げんいんを調しらべています。

訓練くんれんは１いち４よん日にちも続つづき、原発げんぱつから５ごキロ圏内けんないの住民じゅうみんをバスで避難ひなんさせるほか、外国がいこく人じん観光かんこう客きゃくの避難ひなん誘導ゆうどうを想定そうていした訓練くんれんなどが行おこなわれます。泊とまり原発げんぱつの事故じこで大おおきな課題かだいとなっている暴風ぼうふう雪ゆきが重かさなったことを想定そうていした訓練くんれんは来年らいねんの初はじめごろに行おこなわれる予定よていです。

政府せいふも緊急きんきゅう時じの対応たいおう確認かくにん

訓練くんれんは、再さい稼働かどうの前提ぜんていとなる国くにの審査しんさを受うけている北海道ほっかいどうにある泊はく原子力げんしりょく発電はつでん所しょで、地震じしんによって原子げんし炉ろを冷ひやす機能きのうが失うしなわれたうえ、沿岸えんがん部ぶに津波つなみが押し寄おしよせて、原発げんぱつ周辺しゅうへんの道路どうろが寸断すんだんされたことを想定そうていして行おこなわれています。

総理そうり大臣だいじん官邸かんていには、１いち３さん日にち午後ごご、安倍あべ総理そうり大臣だいじんや関係かんけい閣僚かくりょうが集あつまり、安倍あべ総理そうり大臣だいじんが「原子力げんしりょく緊急きんきゅう事態じたい」を宣言せんげんして、住民じゅうみんに対にたいし、津波つなみへの安全あんぜん確保かくほを最さい優先ゆうせんしつつ、避難ひなんや屋内おくないへの退避たいひを呼よびかけました。このあと、総理そうり大臣だいじん官邸かんていと北海道庁ほっかいどうちょうなどをテレビ会議かいぎシステムを結むすんで政府せいふの対策たいさく本部ほんぶの会議かいぎが開ひらかれ、冒頭ぼうとう、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、「国民こくみんの安全あんぜんを第だい一いちに、自治体じちたいおよび関係かんけい機関きかんと連携れんけいしつつ、政府せいふが一丸いちがんとなって対策たいさくを実施じっしする必要ひつようがある」と述のべました。そして安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、北海道ほっかいどうの高橋たかはし知事ちじからの支援しえん要請ようせいを受うけて、自衛隊じえいたいの原子力げんしりょく災害さいがい派遣はけんや、必要ひつような物資ぶっしの円滑えんかつな供給きょうきゅう、それに医師いしの派遣はけんなどを関係かんけい閣僚かくりょうに指示しじするなど、緊急きんきゅう時じの対応たいおうを確認かくにんしました。

広報こうほう対応たいおうも確認かくにん

１いち３さん日にちの訓練くんれんでは、報道ほうどう機関きかんへの広報こうほう対応たいおうを確認かくにんするため、記者きしゃ会見かいけんも行おこなわれました。
原子力げんしりょく規制きせい庁ちょう内ないには、事故じこが起おきたことを想定そうていして国くにの緊急きんきゅう時じ対応たいおうセンターが設置せっちされ、安倍あべ総理そうり大臣だいじんが訓練くんれんの原子力げんしりょく緊急きんきゅう事態じたいを宣言せんげんしたおよそ１いち時間じかん後ごに記者きしゃ会見かいけんが行おこなわれました。
緊急きんきゅう時じ対応たいおうセンターの広報こうほう官かんが、泊とまり原発げんぱつ３さん号機ごうきで大型おおがたのポンプ車しゃを準備じゅんびし、炉心ろしんへの注水ちゅうすいを試こころみようとしていることや周辺しゅうへんの放射線ほうしゃせん量りょうが平常へいじょうの範囲はんい内ないになっていることなどを説明せつめいしました。

一方いっぽう、去年きょねんの訓練くんれんの際さい、記者きしゃ会見かいけんで原子げんし炉ろの温度おんどや水位すいい、圧力あつりょくといった詳細しょうさいなデータが示しめされず、公開こうかいすべきだという意見いけんが相次あいついだことを受うけて、ことしは、会見かいけん場じょうのモニターに模擬もぎのデータが示しめされました。原子力げんしりょく規制きせい庁ちょうはこれらのデータを一般いっぱんにわかりやすく伝つたえる方法ほうほうを検討けんとうしたいとしています。

ソース：NHK ニュース