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各地かくち犯罪はんざい被害ひがいしゃ支援しえんセンター 課題かだい運営うんえい資金しきん確保かくほ

2016-11-25 21:40:56

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事件じけん被害ひがいしゃや、犯罪はんざい巻き込まきこまれて家族かぞくくしたひとたちをささえるため、全国ぜんこく各地かくち設置せっちされている、「犯罪はんざい被害ひがいしゃ支援しえんセンター」を対象たいしょうに、専門せんもん調査ちょうさしたところ、回答かいとうしたセンターのきゅうわり以上いじょうが、運営うんえい資金しきん確保かくほ課題かだいとしていることがわかりました。
調査ちょうさおこなったのは、犯罪はんざい被害ひがいしゃ支援しえん研究けんきゅうしている上智じょうち大学だいがく伊藤いとう冨士ふじこう教授きょうじゅで、すべての都道とどう府県ふけん設置せっちされている犯罪はんざい被害ひがいしゃ支援しえんセンターを対象たいしょうに、アンケート形式けいしき聞き取ききとりました。

それによりますと、「非常ひじょうちかられたいこと」の質問しつもんに対にたいして、「運営うんえい財源ざいげん確保かくほ」との回答かいとうが、調査ちょうさ協力きょうりょくしたきゅうわり以上いじょうのセンターにのぼり、運営うんえい資金しきん確保かくほ課題かだいとしていることがわかりました。
なかには、資金しきん不足ふそくから、十分じゅうぶん相談そうだん時間じかん必要ひつよう人員じんいん確保かくほできないケースもでているということです。

また、支援しえんたるスタッフのはちぜろちかくは、ボランティアとして実費じっぴ程度ていど報酬ほうしゅう活動かつどうしていることもわかり、専門せんもんてき知識ちしきまなび、被害ひがいしゃ遺族いぞくささえる職責しょくせきおもさと待遇たいぐうわないとして、途中とちゅうめてしまうケースもあるということです。

調査ちょうさおこなった伊藤いとう教授きょうじゅは、「犯罪はんざい被害ひがいしゃへの支援しえん民間みんかんのボランティアからはじまったうごきだが、たか専門せんもんせいもとめられる時代じだいになっている。被害ひがいしゃ十分じゅうぶん支援しえんができるようなあらたな仕組しくみを検討けんとうする時期じきにきている」とはなしています。

相談そうだん増加ぞうか 資金しきん人手ひとでりず

全国ぜんこく犯罪はんざい被害ひがいしゃ支援しえんセンターにせられる相談そうだん増加ぞうか傾向けいこうにある一方いっぽうで、対応たいおうする職員しょくいん運営うんえい資金しきん確保かくほ課題かだいとなっています。

おおくの支援しえんセンターでは、活動かつどう賛同さんどうする市民しみん企業きぎょうからの寄付きふ地元じもと自治体じちたいからの補助ほじょおも財源ざいげんとしています。

全国ぜんこく被害ひがいしゃ支援しえんネットワーク」によりますと、加盟かめいする全国ぜんこくよんはち支援しえんセンターの昨年度さくねんど平均へいきん支出ししゅつがくろくぜろまんえんあまりで、スタッフの人件じんけん支援しえん出向でむ交通こうつう、それに施設しせつ管理かんりなどがおおくをめています。
これに対にたいして、寄付きふ自治体じちたいからの補助ほじょなどで受け取うけとったがく平均へいきんいちはちぜろぜろまんえんあまりとなっています。

この差額さがく埋め合うめあわせるため、平成へいせい年度ねんどからは、振り込ふりこ詐欺さぎ悪用あくようされた口座こうざ残金ざんきん一部いちぶを「助成じょせいきん」として支援しえんセンターに振り分ふりわける取り組とりくみがはじまりました。ただ、これは、財源ざいげんかぎりがある一時いちじてき助成じょせい位置いちづけられていて、自力じりきでの十分じゅうぶん資金しきん確保かくほけて取り組とりくむようもとめられています。

とはいえ、伊藤いとう教授きょうじゅ調査ちょうさでもあきらかになったように、活動かつどう資金しきん確保かくほ容易よういではありません。
調査ちょうさ回答かいとうしたセンターのひとつ、広島ひろしま支援しえんセンターは、民間みんかんからの寄付きふ自治体じちたいからの補助ほじょなどで年間ねんかんおよそよんぜろぜろぜろまんえん活動かつどう資金しきん捻出ねんしゅつしていますが、ギリギリの状況じょうきょうだといます。

昨年度さくねんどは、いちぜろねんまえさんばいに当にあたるななろくいちけん支援しえん実施じっしし、よんよんにんのスタッフでにないましたが、そのはちわり以上いじょうがボランティアです。
センターでは、専門せんもんてき知識ちしきまなび、被害ひがいしゃ遺族いぞく寄り添よりそって支援しえんするスタッフを、職責しょくせきおもさに見合みあった報酬ほうしゅう受け取うけとれるようなせい職員しょくいんとして採用さいようしたいとかんがえています。しかし、いま活動かつどう資金しきんでは、そうした待遇たいぐうむずかしく、時給じきゅうぜろぜろえん手当てあて支払しはらい、ボランティアスタッフとして協力きょうりょくしてもらっています。
こうした状況じょうきょうなかで、若手わかて確保かくほすることはむずかしく、さい高齢こうれいはちいちさいと、スタッフのおおくが仕事しごと退職たいしょくした高齢こうれいしゃです。

センターでは、今後こんご県内けんない各地かくち相談そうだん窓口まどぐちもうけたり、よん時間じかん態勢たいせい相談そうだんおうじられたりするような手厚てあつ支援しえんおこないたいとかんがえていますが、資金しきんやスタッフのめんから、実現じつげんできるめどはっていません。

広島ひろしま被害ひがいしゃ支援しえんセンターの岡野おかの政義まさよし専務せんむ理事りじは、「相談そうだん件数けんすうえるにつれて、人手ひとで資金しきんもますますりない状況じょうきょうです。スタッフが不足ふそくすると、被害ひがいしゃ要請ようせいことわらざるをえないおそれもあるので、そうならないよう、なんとかやりくりしている状況じょうきょうです」とはなしていました。

遺族いぞく支援しえんセンターは一筋ひとすじひかり

事件じけん遭遇そうぐうしたあと、犯罪はんざい被害ひがいしゃ支援しえんセンターのささえがきっかけとなり、立ち直たちなおったという遺族いぞくおおくいます。

広島ひろしまお好み焼おこのみやてん経営けいえいする谷口たにぐちみのるさん(よんいち)は、ねんまえ強盗ごうとう目的もくてき自宅じたくけん店舗てんぽ押し入おしいったおとこに、父親ちちおや忠男ただおさんと母親ははおや英子えいこさんを殺害さつがいされました。
この事件じけんで、両親りょうしん遺体いたい最初さいしょつけたのは谷口たにぐちさんでした。現場げんば目の当まのあたりにした衝撃しょうげき両親りょうしん突然とつぜんうしなったかなしみ、それにくわえ、犯人はんにん心当こころあたりがないかなど警察けいさつ繰り返くりかえかれたことで、精神せいしんてき追い詰おいつめられていったといます。

そうしたなか紹介しょうかいされたのが被害ひがいしゃ支援しえんセンターでした。
谷口たにぐちさんは、センターに電話でんわをかけたり、直接ちょくせつ出向でむいて相談そうだんしたりするうちに、スタッフに自分じぶん不安ふあん打ち明うちあけられるようになりました。
支援しえんセンターからのアドバイスではじめた取り組とりくみも、立ち直たちなおりを後押あとおししました。両親りょうしんへのおもいや犯人はんにんうったえたいことなど、自分じぶんおもいや感情かんじょう書き留かきとめていったのです。ノートには、「恐怖きょうふいたみ、くるしみ」といった感情かんじょうや、「日常にちじょう取り戻とりもど努力どりょく」などといった言葉ことば走り書はしりがきされています。

谷口たにぐちさんは、これを見返みかえすことで、徐々じょじょ自分じぶん気持きもちを整理せいりできるようになったとい、「両親りょうしん殺害さつがいされ、自分じぶん遺族いぞく立場たちばになるとはかんがえてもいなかったので、当初とうしょこころ整理せいりができず、気持きもちのって行き場いきばがありませんでした。さきえない不安ふあんおそわれ、暗闇くらやみにいたようなわたしにとって、支援しえんセンターは一筋ひとすじひかりでした」とはなしていました。
ソース:NHK ニュース