Hiện Furigana
英議会 トランプ大統領の公式訪問めぐり応酬
2017-02-20 19:21:52

イギリスで、アメリカのトランプ大統領の公式訪問に反対する署名運動が広がる中、議会下院で議論が行われ、与党側が、アメリカ国民が選んだ指導者を尊重すべきだなどと主張したのに対し、野党側からは「人々を恐怖に陥れている人物であり招待すべきでない」といった批判も上がり、激しい応酬が繰り広げられました。
イギリスのメイ首相は先月27日、ワシントンを訪れた際にトランプ大統領に対して、年内にイギリスに国賓として招待することを伝えました。
しかしその後、トランプ大統領が7か国の人の入国を一時的に禁止する大統領令を出したことを受けて、イギリスでは大統領の公式訪問に反対する署名が急増し、これまでに185万人を超えました。
イギリスでは10万人以上の署名が集まった問題は議会で取り上げることになっており、議会下院では20日、公式訪問の是非をめぐる議論が行われました。この中で与党・保守党の議員が、「アメリカ国民がトランプ氏を選んだのであり、彼が大統領だ」などと主張したのに対し、野党の議員からは、「就任からわずか7日で招待するのは誤りだ。トランプ氏は人々を恐怖に陥れている」といった政府への批判も上がり、激しい応酬が続きました。
今回の議論はトランプ大統領の公式訪問の予定を覆すものではありませんが、訪問に反対する動きはイギリス各地に広がっていて、メイ首相は今後、難しい対応を迫られそうです。
しかしその後、トランプ大統領が7か国の人の入国を一時的に禁止する大統領令を出したことを受けて、イギリスでは大統領の公式訪問に反対する署名が急増し、これまでに185万人を超えました。
イギリスでは10万人以上の署名が集まった問題は議会で取り上げることになっており、議会下院では20日、公式訪問の是非をめぐる議論が行われました。この中で与党・保守党の議員が、「アメリカ国民がトランプ氏を選んだのであり、彼が大統領だ」などと主張したのに対し、野党の議員からは、「就任からわずか7日で招待するのは誤りだ。トランプ氏は人々を恐怖に陥れている」といった政府への批判も上がり、激しい応酬が続きました。
今回の議論はトランプ大統領の公式訪問の予定を覆すものではありませんが、訪問に反対する動きはイギリス各地に広がっていて、メイ首相は今後、難しい対応を迫られそうです。
議会前で反トランプのデモ
イギリスの議会下院でアメリカのトランプ大統領の公式訪問の是非をめぐる議論が続く中、議会議事堂の前の広場では、トランプ大統領が署名した7か国の人の入国を一時的に禁止する大統領令などに抗議するデモが行われました。
参加者は、「人種差別反対」とか「トランプ大統領は歓迎されない」などと書かれたプラカードを掲げ、トランプ大統領の公式訪問に反対の声を上げました。
参加した女性は「憎しみを生み出す人物が世界のリーダーでいることは明らかにおかしい。イギリス政府がトランプ大統領に接近して大丈夫なのか、本当に気がかりだ」と話していました。また、娘とデモに参加した男性は「多くの人がトランプ大統領の政策に反対している中で、彼が国賓として招かれる姿を見たくない」と話していました。
参加者は、「人種差別反対」とか「トランプ大統領は歓迎されない」などと書かれたプラカードを掲げ、トランプ大統領の公式訪問に反対の声を上げました。
参加した女性は「憎しみを生み出す人物が世界のリーダーでいることは明らかにおかしい。イギリス政府がトランプ大統領に接近して大丈夫なのか、本当に気がかりだ」と話していました。また、娘とデモに参加した男性は「多くの人がトランプ大統領の政策に反対している中で、彼が国賓として招かれる姿を見たくない」と話していました。
両首脳 伝統的同盟関係の強さ演出
先月27日、就任後間もないトランプ大統領が、初めての首脳会談の相手としてワシントンに迎えたのが、メイ首相でした。
2人の首脳は会談で、アメリカとイギリスの伝統的な同盟関係の強さを演出。メイ首相としては、EU=ヨーロッパ連合との間で離脱に向けた困難な交渉を控える中、アメリカとの絆の強さをアピールする狙いもありました。
このときメイ首相は、トランプ大統領に対し、年内に国賓としてイギリスに招くことも伝えました。
しかし、その直後、トランプ大統領は7か国の人の入国を一時的に禁止する大統領令に署名し、世界各国で抗議の声が広がりました。イギリスでも、トランプ大統領の公式訪問に反対する署名が185万人を超えたほか、議会下院の議長が「人種差別に反対する」として、トランプ大統領に議会での演説を認めないと発言するなど、波紋を呼んでいます。
一方で、イギリス国内には、アメリカとの伝統的な同盟関係を重視すべきだという意見も根強く、今月行われた世論調査では、大統領を国賓として招くことに賛成した人がおよそ半数を占め、反対を上回りました。
こうした中、メイ首相は、大統領令については「対立を生む誤った政策だ」と批判する一方で、「最も重要な同盟国の指導者を国賓として招く方針に変わりはない」として、今月14日に行われた電話会談でも、トランプ大統領に「訪問を楽しみにしている」と伝えています。
2人の首脳は会談で、アメリカとイギリスの伝統的な同盟関係の強さを演出。メイ首相としては、EU=ヨーロッパ連合との間で離脱に向けた困難な交渉を控える中、アメリカとの絆の強さをアピールする狙いもありました。
このときメイ首相は、トランプ大統領に対し、年内に国賓としてイギリスに招くことも伝えました。
しかし、その直後、トランプ大統領は7か国の人の入国を一時的に禁止する大統領令に署名し、世界各国で抗議の声が広がりました。イギリスでも、トランプ大統領の公式訪問に反対する署名が185万人を超えたほか、議会下院の議長が「人種差別に反対する」として、トランプ大統領に議会での演説を認めないと発言するなど、波紋を呼んでいます。
一方で、イギリス国内には、アメリカとの伝統的な同盟関係を重視すべきだという意見も根強く、今月行われた世論調査では、大統領を国賓として招くことに賛成した人がおよそ半数を占め、反対を上回りました。
こうした中、メイ首相は、大統領令については「対立を生む誤った政策だ」と批判する一方で、「最も重要な同盟国の指導者を国賓として招く方針に変わりはない」として、今月14日に行われた電話会談でも、トランプ大統領に「訪問を楽しみにしている」と伝えています。
英の専門家「米大統領 同じ世界観共有してない」
イギリスの王立国際問題研究所のトーマス・レインズ研究員は、「イギリスの首相とアメリカの大統領は、イラク戦争のような世界で意見が割れるような問題をめぐっても緊密に連携してきたが、今イギリスは、アメリカの大統領が同じ世界観を共有していない状況に直面している」と述べ、「特別な関係」とも呼ばれる米英の伝統的な同盟関係に、変化が生じる可能性があるという見方を示しました。
さらに、先月行われたメイ首相とトランプ大統領の首脳会談について、レインズ研究員は「メイ首相がアメリカへの訪問を熱望していたように見え、イギリスの弱い立場を露呈するものだった」と述べ、EU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたイギリスが、アメリカとの関係の強化を望んでいる現状が色濃く反映されていたと指摘しました。
そのうえで、トランプ大統領が署名した7か国の人の入国を一時的に禁止する大統領令を、メイ首相がいったん静観する姿勢を見せたことに、批判が高まっていることについて、「トランプ政権がどのような方向に向かおうとしているかを正確に把握しないまま、必死で接近してしまったことが問題だ」と指摘し、メイ首相が今後、難しい対応を迫られるという見方を示しました。
さらに、先月行われたメイ首相とトランプ大統領の首脳会談について、レインズ研究員は「メイ首相がアメリカへの訪問を熱望していたように見え、イギリスの弱い立場を露呈するものだった」と述べ、EU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたイギリスが、アメリカとの関係の強化を望んでいる現状が色濃く反映されていたと指摘しました。
そのうえで、トランプ大統領が署名した7か国の人の入国を一時的に禁止する大統領令を、メイ首相がいったん静観する姿勢を見せたことに、批判が高まっていることについて、「トランプ政権がどのような方向に向かおうとしているかを正確に把握しないまま、必死で接近してしまったことが問題だ」と指摘し、メイ首相が今後、難しい対応を迫られるという見方を示しました。
ソース:NHK ニュース