Hiện Furigana
韓国憲法裁 パク大統領の弾劾妥当か きょう決定
2017-03-09 19:13:03

韓国の憲法裁判所は、パク・クネ(朴槿恵)大統領の弾劾が妥当かどうかの決定を、10日午前11時から言い渡すことにしています。パク大統領の失職か、それとも職務復帰か、韓国を大きく揺るがした一連の事件は、最も重大な局面を迎え、ソウルでは弾劾に賛成する市民と反対する市民との衝突も懸念されるなど、緊張が高まっています。
韓国のパク・クネ大統領と、その長年の知人チェ・スンシル(崔順実)被告らをめぐる一連の事件を受けて、国会が可決したパク大統領の弾劾要求をめぐり、ソウルにある憲法裁判所は、10日午前11時から妥当かどうかの決定を言い渡します。
現在8人いる憲法裁判所の裁判官のうち、6人以上が弾劾に賛成すれば、職務が停止されているパク大統領は直ちに失職し、60日以内に大統領選挙が実施されます。
大統領が弾劾によって失職することになれば、韓国では初めてです。
一方、8人のうち、3人以上の裁判官が「弾劾すべきほど重大な問題には当たらない」として反対すれば、弾劾要求は棄却され、パク大統領は職務に復帰します。
ただ、その場合、野党側が再びパク大統領に退陣を要求する見通しで、来年2月までの任期を全うできるかは流動的です。
最近の世論調査では70%以上の人たちがパク大統領の弾劾に賛成していますが、弾劾に反対する保守系の人たちも大規模な集会を開いて棄却を求めており、双方の対立が深まっています。
パク大統領の失職か、それとも職務復帰か、一連の事件は最も重大な局面を迎え、どちらの結果となっても憲法裁判所の周辺では衝突が起きる事態も懸念されるため、警察が最高レベルの警戒態勢をとるなど、緊張が高まっています。
ソウルにある日本大使館は9日夕方、「人々が相当な規模で集まるところでは、予測できない事態が発生する可能性がある」として、ソウルにいる日本人にメールなどで注意を呼びかけました。
現在8人いる憲法裁判所の裁判官のうち、6人以上が弾劾に賛成すれば、職務が停止されているパク大統領は直ちに失職し、60日以内に大統領選挙が実施されます。
大統領が弾劾によって失職することになれば、韓国では初めてです。
一方、8人のうち、3人以上の裁判官が「弾劾すべきほど重大な問題には当たらない」として反対すれば、弾劾要求は棄却され、パク大統領は職務に復帰します。
ただ、その場合、野党側が再びパク大統領に退陣を要求する見通しで、来年2月までの任期を全うできるかは流動的です。
最近の世論調査では70%以上の人たちがパク大統領の弾劾に賛成していますが、弾劾に反対する保守系の人たちも大規模な集会を開いて棄却を求めており、双方の対立が深まっています。
パク大統領の失職か、それとも職務復帰か、一連の事件は最も重大な局面を迎え、どちらの結果となっても憲法裁判所の周辺では衝突が起きる事態も懸念されるため、警察が最高レベルの警戒態勢をとるなど、緊張が高まっています。
ソウルにある日本大使館は9日夕方、「人々が相当な規模で集まるところでは、予測できない事態が発生する可能性がある」として、ソウルにいる日本人にメールなどで注意を呼びかけました。
賛成と反対の人たち 双方が集会
ソウルでは9日、弾劾に賛成する立場の人たちと反対の立場の人たち、双方の集会が開かれました。
このうち、ソウル中心部の広場で開かれた弾劾を求める集会では、「パク大統領を弾劾して刑務所に送ろう」とか「弾劾以外は受け入れない」などと呼びかけていました。
集会に参加した30代の女性は「民間人にすぎない知人のチェ被告を国政に介入させたことは、あってはならないことだ。弾劾されたら、みんなと喜びを分かち合いたい」と話していました。
一方、憲法裁判所から300メートルほどの場所では弾劾に反対する集会が開かれ、「パク大統領は無罪だ」とか「弾劾要求を棄却しなければ韓国は法治国家だと言えなくなる」などと呼びかけていました。
集会に参加した70代の男性は「チェ被告の有罪が決まってもいないのに、パク大統領を弾劾するのは間違いだ。弾劾ありきで物事が進んでいる」と話していました。
このうち、ソウル中心部の広場で開かれた弾劾を求める集会では、「パク大統領を弾劾して刑務所に送ろう」とか「弾劾以外は受け入れない」などと呼びかけていました。
集会に参加した30代の女性は「民間人にすぎない知人のチェ被告を国政に介入させたことは、あってはならないことだ。弾劾されたら、みんなと喜びを分かち合いたい」と話していました。
一方、憲法裁判所から300メートルほどの場所では弾劾に反対する集会が開かれ、「パク大統領は無罪だ」とか「弾劾要求を棄却しなければ韓国は法治国家だと言えなくなる」などと呼びかけていました。
集会に参加した70代の男性は「チェ被告の有罪が決まってもいないのに、パク大統領を弾劾するのは間違いだ。弾劾ありきで物事が進んでいる」と話していました。
憲法裁での争点と主張
韓国の憲法裁判所は、パク大統領の弾劾が妥当かどうかを判断するにあたって、国会側が弾劾の理由に挙げた13の争点を、5つに分類して審理を行ってきました。
その5つは、次のとおりです。
▽パク大統領の長年の知人、チェ被告に対し、大統領府の内部文書を流出させて国政への介入を招いたとする「国民主権と法治主義への違反」。
▽チェ被告が関与していた2つの財団に資金を拠出するよう、パク大統領が財閥に圧力をかけたり、チェ被告が推薦した人物を政府の幹部に登用したりしたとする「職権乱用」。
▽政権に批判的なメディアに圧力をかけたとする「言論の自由の侵害」。
▽旅客船セウォル号が沈没した際の対応をめぐる「国民の生命権の保護義務への違反」。
▽財閥からの賄賂を受け取ったなどとする「刑法違反」です。
憲法裁判所では去年12月から先月まで、3回の準備手続きと17回の弁論が行われ、弾劾を求める国会側の代表と大統領側の弁護士が、互いの主張を述べました。
この中で国会側は「パク大統領は国家元首としての本分を忘れ、法に違反した。国政を担う資格を失っていて、罷免されるべきだ」と主張しました。
これに対して大統領側は「大統領は法に従って職務を遂行しただけだ。弾劾を求める議案は、明確な証拠がないまま可決された」と反論しました。
また、大統領府の内部文書が流出した問題に関しては、演説文などをチェ被告に送ったことは認めたものの、意見を聞いただけで、最終的な決定はあくまでもパク大統領が行ったとして、重大な問題ではないと主張しました。
パク大統領は、最終弁論で提出した意見書で、「チェ被告が国政に関与したという主張は全く事実ではない」として弾劾要求を棄却するよう求めましたが、結局、一度も出廷することはありませんでした。
その5つは、次のとおりです。
▽パク大統領の長年の知人、チェ被告に対し、大統領府の内部文書を流出させて国政への介入を招いたとする「国民主権と法治主義への違反」。
▽チェ被告が関与していた2つの財団に資金を拠出するよう、パク大統領が財閥に圧力をかけたり、チェ被告が推薦した人物を政府の幹部に登用したりしたとする「職権乱用」。
▽政権に批判的なメディアに圧力をかけたとする「言論の自由の侵害」。
▽旅客船セウォル号が沈没した際の対応をめぐる「国民の生命権の保護義務への違反」。
▽財閥からの賄賂を受け取ったなどとする「刑法違反」です。
憲法裁判所では去年12月から先月まで、3回の準備手続きと17回の弁論が行われ、弾劾を求める国会側の代表と大統領側の弁護士が、互いの主張を述べました。
この中で国会側は「パク大統領は国家元首としての本分を忘れ、法に違反した。国政を担う資格を失っていて、罷免されるべきだ」と主張しました。
これに対して大統領側は「大統領は法に従って職務を遂行しただけだ。弾劾を求める議案は、明確な証拠がないまま可決された」と反論しました。
また、大統領府の内部文書が流出した問題に関しては、演説文などをチェ被告に送ったことは認めたものの、意見を聞いただけで、最終的な決定はあくまでもパク大統領が行ったとして、重大な問題ではないと主張しました。
パク大統領は、最終弁論で提出した意見書で、「チェ被告が国政に関与したという主張は全く事実ではない」として弾劾要求を棄却するよう求めましたが、結局、一度も出廷することはありませんでした。
決定後は
憲法裁判所がパク大統領の弾劾は妥当だという決定を言い渡せば、弾劾は確定し、職務が停止されているパク大統領は直ちに罷免されます。
そして、ことし12月に予定されていた大統領選挙は繰り上げられ、60日以内に実施されることになります。
韓国の大統領は、退任すると、在任中の給与の95%に相当する額の年金を受け取ることができ、10年間にわたって国の警護を受けるほか、交通や通信、事務所の費用を国が負担するなど、さまざまな待遇を受けます。
しかし、罷免されると、警護は5年間受けられるものの、それ以外の待遇は年金を含めて全く受けられなくなります。
一方、憲法裁判所が弾劾要求を棄却すれば、パク大統領は職務に復帰します。
その場合、パク大統領が来年2月までの任期を全うする考えを示すのか、それとも、「ことし4月末の辞任」を受け入れると以前表明したことを踏まえて、任期途中で辞任するのかが焦点となります。
そして、ことし12月に予定されていた大統領選挙は繰り上げられ、60日以内に実施されることになります。
韓国の大統領は、退任すると、在任中の給与の95%に相当する額の年金を受け取ることができ、10年間にわたって国の警護を受けるほか、交通や通信、事務所の費用を国が負担するなど、さまざまな待遇を受けます。
しかし、罷免されると、警護は5年間受けられるものの、それ以外の待遇は年金を含めて全く受けられなくなります。
一方、憲法裁判所が弾劾要求を棄却すれば、パク大統領は職務に復帰します。
その場合、パク大統領が来年2月までの任期を全うする考えを示すのか、それとも、「ことし4月末の辞任」を受け入れると以前表明したことを踏まえて、任期途中で辞任するのかが焦点となります。
大統領弾劾で憲法裁が審理 過去に1度
韓国では、大統領の弾劾をめぐって憲法裁判所が審理を行ったケースが、過去に1度だけあります。
2004年3月、当時のノ・ムヒョン大統領の弾劾を求める議案が国会で可決され、ノ大統領は職務停止に追い込まれて、憲法裁判所が審理に入りました。
このときは、大統領選挙でノ氏の陣営に不正な資金が流れたことや、総選挙をめぐってノ大統領が特定の政党への支持を表明したことが問題とされました。
憲法裁判所は、およそ2か月間にわたる審理の結果、不正資金は大統領が直接関わったものではないうえに、特定の政党への支持も、憲法違反ではあるものの、罷免するだけの重大な職務上の違反には当たらないとして、弾劾要求を棄却し、ノ大統領は職務に復帰しました。
また、このときは、憲法裁判所の審理中に総選挙が行われ、ノ大統領の弾劾を求めた野党が大敗したことから、弾劾に反対する世論も考慮されたと見られています。
2004年3月、当時のノ・ムヒョン大統領の弾劾を求める議案が国会で可決され、ノ大統領は職務停止に追い込まれて、憲法裁判所が審理に入りました。
このときは、大統領選挙でノ氏の陣営に不正な資金が流れたことや、総選挙をめぐってノ大統領が特定の政党への支持を表明したことが問題とされました。
憲法裁判所は、およそ2か月間にわたる審理の結果、不正資金は大統領が直接関わったものではないうえに、特定の政党への支持も、憲法違反ではあるものの、罷免するだけの重大な職務上の違反には当たらないとして、弾劾要求を棄却し、ノ大統領は職務に復帰しました。
また、このときは、憲法裁判所の審理中に総選挙が行われ、ノ大統領の弾劾を求めた野党が大敗したことから、弾劾に反対する世論も考慮されたと見られています。
ソース:NHK ニュース