東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい６ろく年ねん 政府せいふ主催しゅさいの追悼ついとう式しき

東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの発生はっせいから６ろく年ねんとなる１いち１いち日にち、秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいが出席しゅっせきされて、政府せいふ主催しゅさいの追悼ついとう式しきが東京とうきょうで開ひらかれ、地震じしんの発生はっせい時刻じこくに合あわせて、安倍あべ総理そうり大臣だいじんや遺族いぞくの代表だいひょうら出席しゅっせき者しゃ全員ぜんいんが黙もくとうをささげ、震災しんさいで亡なくなった人ひとたちに哀悼あいとうの意いを表あらわしました。

政府せいふ主催しゅさいの「東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい六ろく周年しゅうねん追悼ついとう式しき」は１いち１いち日にち午後ごご、東京とうきょうの国立こくりつ劇場げきじょうで開ひらかれ、秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいや安倍あべ総理そうり大臣だいじん、それに遺族いぞくの代表だいひょうらが出席しゅっせきし、地震じしんが発生はっせいした午後ごご２に時じ４よん６ろく分ふんに出席しゅっせき者しゃ全員ぜんいんが黙もくとうをささげ、哀悼あいとうの意いを表あらわしました。
追悼ついとう式しきには、これまで毎年まいとし、天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかが出席しゅっせきされてきましたが、６ろく周年しゅうねんとなるのに合あわせて検討けんとうが行おこなわれた結果けっか、ことしは秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいが出席しゅっせきされることになりました。

この中なかで安倍あべ総理そうり大臣だいじんが、「被災ひさい地ちに足あしを運はこぶたび、震災しんさいから６ろく年ねんを経へて復興ふっこうは着実ちゃくじつに進展しんてんしていることを実感じっかんします。インフラの復旧ふっきゅうがほぼ終了しゅうりょうし、住すまいの再建さいけんや産業さんぎょう・生業なりわいの再生さいせいも一いち歩ほずつ進展しんてんするとともに、福島ふくしまにおいても順次じゅんじ避難ひなん指示しじの解除かいじょが行おこなわれるなど、復興ふっこうは新あらたな段階だんかいに入はいりつつあることを感かんじます。復興ふっこうの進展しんてんに応おうじた切れ目きれめのない支援しえんに力ちからを注そそぎ、さらに復興ふっこうを加速かそくしてまいります」と式辞しきじを述のべました。

また秋篠宮あきしののみやさまは「避難ひなん生活せいかつが長期ちょうき化かする中なかで、年々ねんねん高齢こうれい化かしていく被災ひさい者しゃの健康けんこうや、放射線ほうしゃせん量りょうが高たかいことによって、いまだ帰還きかんの見通みとおしが立たっていない地域ちいきの人々ひとびとの気持きもちを思おもうと深ふかく心こころが痛いたみます。困難こんなんな状況じょうきょうにある人々ひとびと誰だれもが取り残とりのこされることなく、平穏へいおんな暮くらしを取り戻とりもどすことができる日ひが来くることは私わたしたち皆みなの願ねがいです」とおことばを述のべられました。

この後のち、追悼ついとう式しきでは、岩手いわて、宮城みやぎ、福島ふくしまの３さん県けんの遺族いぞくの代表だいひょうがあいさつしました。
岩手いわて県けんの遺族いぞく代表だいひょうの千葉ちば陽ようさんは、「去年きょねん、今いま住すむ町まちで、台風たいふうによる甚大じんだいな被害ひがいがありました。私わたしにとって、津波つなみを思い起おもいおこす出来事できごとでした。災害さいがいからなんとか生き残いきのこった者ものとして、精せいいっぱいに生いきることを全まっとうすること、そして、さまざまなことで起おきる『つらさ』を『幸しあわせ』に変かえられるように、今いまの自分じぶんが持もてる力ちからが役立やくだつのならば、少すこしでもできることをしていきたいと思おもいます」と述のべました。

宮城みやぎ県けんの遺族いぞく代表だいひょうの佐藤さとう昌良まさよしさんは、「過酷かこくな経験けいけんを後世こうせいに色いろあせることなく語かたり続つづけるため、あの悲かなしみを忘わすれません。あのつらさを忘わすれません。あの無力むりょくさを忘わすれません。あの寒さむさを忘わすれません。両親りょうしんの無念むねんの思おもいに応こたえるため、火葬かそうを済すませてすぐに東京とうきょうの職しょくを辞じし、父ちちの背中せなかを追おい、現在げんざいは地域ちいき建設けんせつ業ぎょうの経営けいえい者しゃとして復興ふっこうの最前線さいぜんせんに立たっております。全国ぜんこくから頂いただいた善意ぜんいの力ちからを借かりながら、ふるさとの復興ふっこうを必かならず成し遂なしとげて参まいります」と述のべました。

福島ふくしま県けんの遺族いぞく代表だいひょうの石井いしい芳信よしのぶさんは、「川内せんだい村むらは、比較的ひかくてき放射線ほうしゃせん量りょうが低ひくく、一部いちぶの地域ちいきを残のこし１いち年ねんで戻もどることができました。今いまでは全ぜん村むらの避難ひなんも解除かいじょされ復興ふっこうも着々ちゃくちゃくと進すすんでおりますが、若わかい人ひとたちが子こどもの教育きょういく問題もんだいなどから村むらに戻もどらないという課題かだいなども多おおく、以前いぜんのような村むらの姿すがたには程遠ほどとおい現況げんきょうにあります。みんなで力ちからを合あわせ復興ふっこうと再生さいせいを進すすめていくことが私わたしたちの責務せきむであると考かんがえます」と述のべました。

この後のち、追悼ついとう式しきでは、各国かっこくの代表だいひょうら参列さんれつ者しゃが献花けんかを行おこない犠牲ぎせい者しゃを悼いたみました。

秋篠宮あきしののみやさまのおことば　全文ぜんぶん

６ろく年ねん前まえの３月さんがつ１いち１いち日にち午後ごご２に時じ４よん６ろく分ふん、私わたしたちが今いままでに経験けいけんをしたことがない巨大きょだいな地震じしんとそれに伴ともなう津波つなみが、東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいよう沿岸えんがん部ぶを中心ちゅうしんとした東日本ひがしにっぽんの広範こうはんな地域ちいきを襲おそいました。そして、この地震じしんと津波つなみによって、２に万まん人にん近ちかい人ひとが命いのちを落おとし、また２に５ご０ぜろ０ぜろ名めいを超こえる人ひとの行方ゆくえがいまだ知しられておりません。
ここに、本日ほんじつ、参集さんしゅうしたすべての人々ひとびとと共とともに、震災しんさいによって亡なくなった方々かたがたとそのご遺族いぞくに対にたいし、深ふかく哀悼あいとうの意いを表あらわします。この６ろく年間ねんかん、被災ひさい地ちにおいては、人々ひとびとが互たがいに助け合たすけあいながら、数多かずおおくの困難こんなんを乗り越のりこえ、復旧ふっきゅうと復興ふっこうに向むけた努力どりょくを続つづけてきました。
そして、そのことを支援しえんするため、国内外こくないがいの人々ひとびとが、それぞれの立場たちばにおいて、様々さまざまな形かたちで力ちからを尽つくしてきました。その結果けっか、安全あんぜんに暮くらせる住宅じゅうたくの再建さいけんや産業さんぎょうの回復かいふく、学校がっこうや医療いりょう施設しせつの復旧ふっきゅうなどいくつもの分野ぶんやにおいて着実ちゃくじつな進展しんてんが見みられました。また、原子力げんしりょく発電はつでん所しょの事故じこによって避難ひなんを余儀よぎなくされた地域ちいきにおいても、帰還きかんのできる地域ちいきが少すこしずつではありますが広ひろがってきております。今いままで尽力じんりょくされてきた多おおくの関係かんけい者しゃに対にたいし、心こころからの感謝かんしゃと敬意けいいを表ひょうするとともに、復興ふっこうが今後こんごさらに進すすんでいくことを祈念きねんしております。
しかし、その一方いっぽうでは、被災ひさい地ち、また避難ひなん先さきの地ちで、困難こんなんな生活せいかつを強しいられている人々ひとびとが今いまなお多おおくいます。特とくに、避難ひなん生活せいかつが長期ちょうき化かする中なかで、年々ねんねん高齢こうれい化かしていく被災ひさい者しゃの健康けんこうや、放射線ほうしゃせん量りょうが高たかいことによって、いまだ帰還きかんの見通みとおしが立たっていない地域ちいきの人々ひとびとの気持きもちを思おもうと深ふかく心こころが痛いたみます。困難こんなんな状況じょうきょうにある人々ひとびと誰だれもが取り残とりのこされることなく、平穏へいおんな暮くらしを取り戻とりもどすことができる日ひが来くることは、私わたしたち皆みなの願ねがいです。東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいという、未み曽そ有ゆうの災害さいがいのもとで、私わたしたちは日頃ひごろからの防災ぼうさい教育きょういくと防災ぼうさい訓練くんれん、そして過去かこの災害さいがいの記憶きおくと記録きろくの継承けいしょうがいかに大切たいせつであるかを学まなびました。この教訓きょうくんを決けっして忘わすれることなく、私わたしたち一人ひとりひとりが防災ぼうさいの意識いしきを高たかめるとともに、そのことを次つぎの世代せだいに引き継ひきつぎ、災害さいがいの危険きけんから多おおくの人々ひとびとが守まもられることを強つよく希望きぼういたします。様々さまざまな難むずかしい課題かだいを抱かかえつつも、復興ふっこうに向むけてたゆみなく歩あゆみを進すすめている人々ひとびとに思おもいを寄よせつつ、一いち日にちも早はやく安寧あんねいな日々ひびが戻もどることを心こころから願ねがい、御霊みたまへの追悼ついとうの言葉ことばといたします。

ソース：NHK ニュース