新型しんがたコロナ 冬場ふゆばに流行りゅうこう広ひろがるか 気温きおんや湿度しつどが下さがるとどうなる

冬場ふゆばに新型しんがたコロナウイルスの流行りゅうこうがどうなるのか。気温きおんや湿度しつどが流行りゅうこうに関連かんれんする可能かのう性せいがあるとする研究けんきゅう結果けっかが出でています。

インフルエンザなど一般いっぱん的てきな呼吸こきゅう器きの感染かんせん症しょうは冬場ふゆばに流行りゅうこうすることから、新型しんがたコロナウイルスについても気温きおんや湿度しつどが下さがる冬場ふゆばにさらに流行りゅうこうしやすくなる可能かのう性せいが指摘してきされています。

北きた半球はんきゅうでは本格ほんかく的てきな冬ふゆを迎むかえるのはこれからですが、すでに新型しんがたコロナウイルスと気温きおんや湿度しつどとの関係かんけいについて調しらべた研究けんきゅう結果けっかが複数ふくすう、報告ほうこくされています。

このうち、アメリカのメリーランド大学だいがくなどのグループはことし3月つき上旬じょうじゅんまでの世界せかいの50都市としについて、気温きおんや湿度しつどと新型しんがたコロナウイルスの流行りゅうこうの関係かんけいを分析ぶんせきしました。

その結果けっか、感染かんせん者しゃが多おおかったのは平均へいきん気温きおんが5℃から11℃で比較的ひかくてき、湿度しつどが低ひくい地域ちいきに集中しゅうちゅうしていたということです。

また、北京ぺきん大学だいがくのグループは3月つき27日にちまでのデータから気温きおんが1度ど上あがると新あらたな感染かんせん者しゃがおよそ3％少すくなくなるという解析かいせき結果けっかを発表はっぴょうしています。

ブラジルの大学だいがくのグループは、各国かっこくから発表はっぴょうされた新型しんがたコロナウイルスと気温きおんや湿度しつどについての17の研究けんきゅうを集あつめ、詳くわしく解析かいせきしました。

結果けっかは、寒さむくて乾燥かんそうした状態じょうたいはウイルスの拡散かくさんを促うながす要因よういんとみられるとしたものの、それだけでは感染かんせんの広ひろがりをすべて説明せつめいできるわけではないと結論けつろんづけています。

一方いっぽう、アメリカのテキサス大学だいがくのグループはアメリカ国内こくないの都市としについてことしの8月つき中旬ちゅうじゅんまでのデータを使つかって分析ぶんせきした結果けっか、気温きおんなどの気候きこうの影響えいきょうは確認かくにんできず、人ひとの移動いどうや人口じんこう、それに都市とし部ぶの人口じんこう密度みつどなどが感染かんせんの広ひろがりに関係かんけいしていると考かんがえられると報告ほうこくしています。

ただ、北きた半球はんきゅうが冬ふゆに向むかっていく中なかで流行りゅうこうがどう推移すいいするかについてはまだ、実際じっさいのデータがほとんどないことから、引き続ひきつづき慎重しんちょうに見みていく必要ひつようがあります。

専門せんもん家か「かぜのコロナウイルスは冬場ふゆばに流行りゅうこう 抑制よくせいは可能かのう」

日本にっぽん感染かんせん症しょう学会がっかいの理事りじ長ちょうで、東邦とうほう大学だいがくの舘田たてだ一博かずひろ教授きょうじゅは、「通常つうじょうのかぜのコロナウイルスは冬場ふゆばに流行りゅうこうするため、新型しんがたコロナウイルスが似にた性質せいしつを持もっていてもおかしくはない。ウイルスの性質せいしつ以外いがいにも冬ふゆは寒さむいので窓まどを開あけなくなって『3密みつ』の環境かんきょうが増ふえたり、のどや鼻はなの粘膜ねんまくが乾燥かんそうして免疫めんえき力りょくが落おちたりすることで感染かんせんしやすくなることも考かんがえられる。ただ、冬場ふゆばの気候きこうは感染かんせんの拡大かくだいにつながる要因よういんだったとしても、『3密みつ』を避さけて手洗てあらいやマスクの着用ちゃくようを徹底てっていすれば、ある程度あるていどの抑制よくせいは可能かのうだと考かんがえられる。冬ふゆに向むけてしっかりと対策たいさくを意識いしきして生活せいかつしてほしい」と話はなしています。

換気かんきと湿度しつどの管理かんり どう行おこなう?

難むずかしい寒さむい時期じきの換気かんき。室温しつおんを下さげずにうまく行おこなうにはどうしたらいいのでしょうか、空調くうちょうメーカーに聞ききました。

メーカーの担当たんとう者しゃは「窓まどを開あけて換気かんきする前まえに暖房だんぼうをつけて部屋へやの中なかをしっかり暖あたためるといいです。朝あさ起おきた時ときも部屋へやの中なかをしっかり暖あたためると窓まどを開あけて換気かんきをした時ときに比較的ひかくてき寒さむく感かんじづらいです」と話はなしていました。換気かんきする時間じかんの目安めやすは30分ふんに1回かい、5分ふんぐらいだといいます。

さらに、もう1つのポイントとして、部屋へやの中なかの対角線たいかくせん上じょうにある2か所かしょの窓まどを開あけるといいということです。対角線たいかくせん上じょうに窓まどがない場合ばあいはキッチンの換気扇かんきせんをつけるのが有効ゆうこうだそうです。

そして、換気かんきとともに重要じゅうようなのが「湿度しつどの管理かんり」です。空調くうちょうメーカーの担当たんとう者しゃは、加湿かしつ器きをうまく使つかうコツについて「水分すいぶんを部屋へやの隅々すみずみまで運はこぶには、エアコンの風かぜがあたるところに置おくと水分すいぶんがしっかり遠とおくまで運はこばれる」と話はなしています。また、洗濯せんたく物ぶつを室内しつないに干ほすことでも乾燥かんそうを防ふせげるということです。

ソース：NHK ニュース