“核かくのごみ” イギリスからの返還へんかん 来年度らいねんど5年ねんぶり再開さいかいへ調整ちょうせい

原発げんぱつの使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうを再さい処理しょりしたあとに残のこる、高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ、いわゆる「核かくのごみ」について、受け入うけいれ施設しせつが審査しんさに合格ごうかくしたことから、事業じぎょう者しゃの日本原燃にほんげんねんは、海外かいがいからの返還へんかんを来年度らいねんど、再開さいかいする方向ほうこうで調整ちょうせいに入はいりました。再開さいかいすると5年ねんぶりとなります。

日本にっぽんは、使つかい終おわった核かく燃料ねんりょうを再さい処理しょりしてプルトニウムを取り出とりだし、特殊とくしゅな燃料ねんりょうに加工かこうして、再ふたたび原発げんぱつで使つかう政策せいさくを進すすめていますが、国内こくないに商業しょうぎょう用ようの再さい処理しょり工場こうじょうが完成かんせいしていないことから、フランスとイギリスの2か国かこくに委託いたくしてきました。

再さい処理しょりをすると、高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ「核かくのごみ」が残のこり、これも日本にっぽんに返還へんかんされる契約けいやくで、青森あおもり県けんにある施設しせつで受け入うけいれていますが、福島ふくしまの原発げんぱつ事故じこのあと、施設しせつは新あたらしい規制きせい基準きじゅんの審査しんさを受うけるため、2016年ねんから返還へんかんを中断ちゅうだんしていました。

これについて日本原燃にほんげんねんは、施設しせつが審査しんさに合格ごうかくしたため、海外かいがいからの返還へんかんを来年度らいねんど、再開さいかいする方向ほうこうで電力でんりょく会社かいしゃなどと調整ちょうせいに入はいったことがわかりました。

返還へんかんはイギリスからで、東京とうきょう電力でんりょくや日本にっぽん原子力げんしりょく発電はつでんなどの使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうから発生はっせいしたものとなる見通みとおしで、再開さいかいされれば5年ねんぶり

フランスからの返還へんかんは、すでに終おわっています。

こうした「核かくのごみ」について、国くには、最終さいしゅう的てきに地下ちかにつくる処分しょぶん場じょうに埋うめる計画けいかくですが、現在げんざい、北海道ほっかいどうの2つの自治体じちたいが第だい1段階だんかいの調査ちょうさに手てを挙あげている状況じょうきょうで、今後こんごの具体ぐたい的てきな見通みとおしはたっていません。

“核かくのごみ” の返還へんかんとは

日本にっぽんでは、原発げんぱつで使つかい終おわった核かく燃料ねんりょうからプルトニウムを取り出とりだして再ふたたび原発げんぱつで利用りようしようとする「核かく燃料ねんりょうサイクル政策せいさく」を、1950年代ねんだいから掲かかげてきました。

政策せいさくでは、中核ちゅうかくとなる再さい処理しょり工場こうじょうという施設しせつで、プルトニウムなどを取り出とりだす作業さぎょう「再さい処理しょり」が行おこなわれますが、その際さい、再ふたたび利用りようすることが難むずかしい高こうレベルの放射ほうしゃ性せい廃液はいえきが発生はっせいします。

極きわめて高たかい放射線ほうしゃせんを出だす廃液はいえきは、そのままの状態じょうたいだと管理かんりが難むずかしいことから、ガラスと混まぜて固かためて安定あんてい化かさせます。このガラスで固かためたものが、高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ、いわゆる「核かくのごみ」と呼よばれます。

日本にっぽんでは、国内こくないでプルトニウムを取り出とりだし、自国じこくでエネルギー資源しげんを確保かくほできるよう目指めざしていましたが、当初とうしょ、国内こくないに商業しょうぎょう用ようの再さい処理しょり工場こうじょうが建設けんせつされていない状況じょうきょうでした。

こうしたことなどから、東京とうきょう電力でんりょくなど国内こくないの電力でんりょく10社しゃは、かつて、施設しせつを持もつフランスとイギリスに合あわせて、およそ7100トンの使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうの再さい処理しょりを委託いたくしました。

フランスとイギリスでの再さい処理しょりで取り出とりだされたプルトニウムは、特殊とくしゅな核かく燃料ねんりょうに加工かこうされて日本にっぽんに戻もどされることになり、すでにフランスでつくられた核かく燃料ねんりょうの一部いちぶは関西かんさい電力でんりょくや九州きゅうしゅう電力でんりょくなど、国内こくないの原発げんぱつで使つかわれています。

そして、その際さいに発生はっせいする高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつも、日本にっぽんに返還へんかんされることが契約けいやくで決きまっています。

放射線ほうしゃせんを遮蔽しゃへいする特殊とくしゅな容器ようきに入いれられて専用せんようの輸送ゆそう船せんで運はこばれ、青森あおもり県けん六ろくヶ所かしょ村むらにある日本原燃にほんげんねんの「高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ貯蔵ちょぞう管理かんりセンター」という施設しせつで、一時いちじ保管ほかんされることになります。

このうち、フランスからの返還へんかんは1995年ねんから始はじまり、2007年ねんまでに1310本ほんを受け入うけいれ、終了しゅうりょうしたということです。

また、イギリスからの返還へんかんは2010年ねんから始はじまり、2016年ねんまでに520本ほんが運はこばれていて、日本原燃にほんげんねんの施設しせつでは、今後こんご、イギリスに残のこるおよそ380本ほんを受け入うけいれることになっています。

ソース：NHK ニュース