新型しんがたコロナ 政府せいふ分科ぶんか会かい「急速きゅうそくな感染かんせん拡大かくだいの可能かのう性せいも」緊急きんきゅう提言ていげん

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくにあたる政府せいふの分科ぶんか会かいは、今月こんげつに入はいって北海道ほっかいどうなど各地かくちで感染かんせん者しゃが増加ぞうかしていることを受うけ、適切てきせつな対策たいさくを取とらなければ急速きゅうそくな感染かんせん拡大かくだいに至いたる可能かのう性せいが高たかいという認識にんしきを示しめす緊急きんきゅう提言ていげんを出だしました。感染かんせん者しゃの集団しゅうだん＝クラスターの報告ほうこくが相次あいつぐ、接待せったいを伴ともなう飲食いんしょく店てんや外国がいこく人じんのコミュニティーに対にたいする対策たいさくや、水際みずぎわ対策たいさくの強化きょうかなどを求もとめています。

緊急きんきゅう提言ていげんでは、最近さいきんの感染かんせん状況じょうきょうについて、社会しゃかいや経済けいざいの活動かつどうが徐々じょじょに戻もどる中なか、適切てきせつな対策たいさくが講こうじられなければ「急速きゅうそくな感染かんせん拡大かくだいに至いたる可能かのう性せいが高たかい」と注意ちゅういを促うながしています。

そのうえで、感染かんせんが増ふえるリスクが指摘してきされている冬場ふゆばにも、社会しゃかいや経済けいざい活動かつどうと感染かんせん対策たいさくを両立りょうりつできるよう、一般いっぱんの人ひとたちや自治体じちたいや国くになどに求もとめられる対策たいさくを示しめしました。

対策たいさくは5つあり、
▽「今いままでよりも踏み込ふみこんだクラスター対応たいおう」
▽「対話たいわのある情報じょうほう発信はっしん」
▽「店舗てんぽや職場しょくばなどでの感染かんせん防止ぼうし策さくの確実かくじつな実践じっせん」
▽「国際こくさい的てきな人ひとの往来おうらいの再開さいかいに伴ともなう取り組とりくみの強化きょうか」
▽「感染かんせん対策たいさく検証けんしょうのための遺伝子いでんし解析かいせきの推進すいしん」としています。

このうち、「クラスター対応たいおう」については、外国がいこく人じんのコミュニティーや症状しょうじょうの軽かるい人ひとが多おおい大学生だいがくせいなど早期そうきに見みつけにくいクラスターが多おおくなってきているとして、各国かっこくの大使館たいしかんや支援しえん団体だんたいとも協力きょうりょくして、やさしい日本語にほんごや多おおくの言語げんごで感染かんせんを防ふせぐための情報じょうほうを出だし、体調たいちょうが悪わるいときの相談そうだん体制たいせいを作つくることや、自治体じちたいが大学だいがくの健康けんこう管理かんりセンターなどと協力きょうりょくして、啓発けいはつや情報じょうほうの共有きょうゆうを進すすめるなどとしています。

そして、行政ぎょうせいには医療いりょう機関きかんや高齢こうれい者しゃ施設しせつなどと連携れんけいを強つよめ、発熱はつねつ患者かんじゃが増ふえるなど、通常つうじょうと異ことなることが起おきた場合ばあいに早期そうきからのクラスター対策たいさくを行おこなう体制たいせいを整ととのえるよう求もとめています。

また、情報じょうほう発信はっしんや店舗てんぽなどでの感染かんせん防止ぼうし策さくについて、感染かんせんリスクが高たかまる場面ばめんや会食かいしょく時じにリスクを下さげる工夫くふうについての情報じょうほうを若わかい世代せだいなどにも興味きょうみを持もってもらえるようSNSなどを活用かつようして発信はっしんするほか、飲食いんしょく店てんなどでの感染かんせんを防ふせぐために、業種ぎょうしゅ別べつのガイドラインをさらに徹底てっていするとしています。

この中なかでは、特とくに冬ふゆに向むけて、換気かんきが難むずかしくなる寒冷かんれい地ちでの感染かんせん対策たいさくとして、たとえば飲食いんしょく店てんなどで二に酸化さんか炭素たんその濃度のうどをモニターするといった、具体ぐたい的てきな対策たいさくの指針ししんを示しめす必要ひつようがあるとしています。

このほか、国際こくさい的てきな人ひとの往来おうらいが徐々じょじょに再開さいかいされる中なか、水際みずぎわ対策たいさくと地域ちいきでの対策たいさくを連携れんけいして行おこなう必要ひつようがあるとして、多言たげん語ごでの対応たいおうが求もとめられる保健所ほけんじょや医療いりょう機関きかんへの支援しえんの強化きょうかなどを求もとめています。

分科ぶんか会かいでは、これらの対策たいさくに加くわえ、年末ねんまつ年始ねんしの休暇きゅうかを分散ぶんさんすることや少しょう人数にんずうで分散ぶんさんする形かたちの旅行りょこうを推進すいしんすること、保健所ほけんじょの機能きのうや医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの強化きょうかが必要ひつようだとしています。

そのうえで、感染かんせんが急増きゅうぞうして「ステージ3」以上いじょうとなり、一定いっていの制約せいやくを伴ともなう強つよい対策たいさくが必要ひつようになるような事態じたいを避さけられるよう、一丸いちがんとなって対策たいさくを進すすめる必要ひつよう性せいを強調きょうちょうしました。

西村にしむら経済けいざい再生さいせい相しょう 北海道ほっかいどう 鈴木すずき知事ちじと意見いけん交換こうかんし連携れんけいへ

西村にしむら経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは、記者きしゃ会見かいけんで、9日にち夜よる、北海道ほっかいどうの鈴木すずき知事ちじと感染かんせん状況じょうきょうをめぐって意見いけん交換こうかんしたとした上うえで、「重点じゅうてん的てきなPCR検査けんさと繁華はんか街がいの人出ひとでを減へらすことで減少げんしょうに転てんじさせられると思おもっており、国くにと、北海道ほっかいどう、札幌さっぽろ市しで連携れんけいしたい」と述のべました。

また、観光かんこう需要じゅようの喚起かんき策さく「GoToトラベル」について「北海道ほっかいどうは、総合そうごう的てきに判断はんだんすると『ステージ３さん』に、あたるわけではないので、現時点げんじてんで対象たいしょうから除外じょがいすることは考かんがえていない。このことは、鈴木すずき知事ちじとも一致いっちした」と述のべました。

このほか、政府せいふの分科ぶんか会かいが緊急きんきゅう提言ていげんをまとめたことについては、「専門せんもん家かも、東京とうきょうは爆発ばくはつ的てきに増ふえている感かんじではないが、北海道ほっかいどうや、埼玉さいたま、神奈川かながわ、愛知あいちとその周辺しゅうへんや、大阪おおさかと兵庫ひょうごなどで感染かんせんが減少げんしょうから増加ぞうかの傾向けいこうに転てんじていることに警戒けいかい感かんを強つよく持もっている。提言ていげんをしっかりと受け止うけとめて対応たいおうしたい」と述のべました。

尾身おみ会長かいちょう「フェーズ 変かわりつつあるという認識にんしき」

緊急きんきゅう提言ていげんを出だしたことについて、政府せいふの分科ぶんか会かいの尾身おみ茂しげる会長かいちょうは「新型しんがたコロナウイルスなどは、感染かんせんの広ひろがりがある一定いっていのレベルを超こえると、急激きゅうげきに感染かんせんが拡大かくだいするという特徴とくちょうがある。そうした事態じたいになって、医療いりょう現場げんばへの負荷ふかが大おおきくならないよう、なるべく早はやく感染かんせんを減少げんしょうに向むかわせる必要ひつようがある。感染かんせんの段階だんかい、フェーズが全体ぜんたい的てきに変かわりつつあるという認識にんしきのもとで、今回こんかい、緊急きんきゅう提言ていげんを出だした」と説明せつめいしました。

その上うえで、「北海道ほっかいどうで感染かんせんが広ひろがるなど、寒さむい気候きこうが感染かんせんの広ひろがりに関係かんけいするという要素ようそはあるが、それ以上いじょうに、それぞれの人ひとの行動こうどうを変かえることが感染かんせん拡大かくだいを防ふせぐために重要じゅうようになってくる。半年はんとし以上いじょうにわたって我慢がまんを続つづけているなか、厳きびしい呼よびかけだと思おもうが緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんを出だすような状況じょうきょうに陥おちいらないためにも、感染かんせんリスクを避さける行動こうどうをいま一いち度ど意識いしきしてもらいたい」と述のべ、改あらためて感染かんせん対策たいさくへの協力きょうりょくを呼よびかけました。

また、分科ぶんか会かいのメンバーで国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょの脇田わきた隆たかし字じ所長しょちょうは、現在げんざい広ひろがっている感染かんせんは、多おおくの場合ばあい、すでに国内こくないに存在そんざいしたウイルスによるものだとする認識にんしきを示しめした上うえで、「春はるに起おきたように、海外かいがいからの入国にゅうこく者しゃをきっかけにクラスターが発生はっせいする可能かのう性せいを考かんがえておかなければならない。空港くうこうなどの検疫けんえきで陽性ようせいとなった人ひとのウイルスを調しらべ、海外かいがいから入はいったウイルスが感染かんせん拡大かくだいの要因よういんにならないか、検証けんしょうを続つづける必要ひつようがある」と指摘してきしました。

クラスターに応おうじた対策たいさくを

感染かんせん者しゃの集団しゅうだん＝クラスターの発生はっせいが多様たよう化かする中なか、政府せいふの分科ぶんか会かいは、緊急きんきゅう提言ていげんの中なかで、特徴とくちょうを分析ぶんせきして▼「早期そうき検知けんちしにくい」クラスターと▼感染かんせんの連鎖れんさを収束しゅうそくさせるのが難むずかしい、「閉とじにくい」クラスターに分わけ、それぞれに応おうじた効果こうか的てきで効率こうりつ的てきな対策たいさくを取とるよう求もとめています。

このうち、「早期そうき検知けんちしにくい」クラスターは、感染かんせんの事実じじつそのものが見みつけられにくいクラスターで、例れいとして、▼言語げんごが異ことなり、医療いりょう機関きかんへの受診じゅしん機会きかいが少すくない一部いちぶの外国がいこく人じんのコミュニティーや▼感染かんせんしても無む症状しょうじょうや症状しょうじょうの軽かるい人ひとが多おおい大学生だいがくせいの課外かがい活動かつどうなどを挙あげています。

こうしたクラスターへの対策たいさくとして、分科ぶんか会かいは▽やさしい日本語にほんごや多おおくの言語げんごで感染かんせんを防ふせぐための情報じょうほう提供ていきょうや体調たいちょうが悪わるいときの相談そうだん体制たいせいを作つくること、それに▽大学だいがくの健康けんこう管理かんりセンターなどと協力きょうりょくして、啓発けいはつや情報じょうほうの共有きょうゆうを進すすめることなどを挙あげています。

また、「閉とじにくい」クラスターは接待せったいを伴ともなう飲食いんしょく店てんなど、感染かんせん者しゃが不ふ特定とくてい多数たすうに接触せっしょくし、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの把握はあくが難むずかしいクラスターで、対策たいさくとしては、行政ぎょうせいが地域ちいきとの信頼しんらい関係かんけいを築きずくほか、拡大かくだいの兆きざしがある時ときには、早期そうきに集中しゅうちゅう的てきにPCR検査けんさを行おこない、医療いりょう体制たいせいを整ととのえるとしています。

ソース：NHK ニュース