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ども虐待ぎゃくたい 19まんけんちょう 児童じどう相談そうだんしょ対応たいおう件数けんすう 最多さいた更新こうしん

2020-11-18 05:28:44

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どもおやなどから虐待ぎゃくたいけたとして児童じどう相談そうだんしょ対応たいおうした件数けんすう昨年度さくねんど全国ぜんこくで19まんけんえ、過去かこ最多さいた更新こうしんしたことが厚生こうせい労働ろうどうしょうのまとめでわかりました。厚生こうせい労働ろうどうしょうは「児童じどう相談そうだんしょ体制たいせい強化きょうかなど着実ちゃくじつおこない、どもいのちまもことをさい優先ゆうせん取り組とりくんでいきたい」としています。
厚生こうせい労働ろうどうしょうのまとめによりますと、昨年度さくねんど、18さい未満みまんどもおやなど保護ほごしゃから虐待ぎゃくたいけたとして児童じどう相談そうだんしょ対応たいおうした件数けんすう全国ぜんこくで19まん3780けんにのぼりました。

虐待ぎゃくたい対応たいおう件数けんすう統計とうけいはじめた平成へいせい2年度ねんど以降いこうつづけていて昨年度さくねんどまえ年度ねんどより3まん3942けんりつにして21.2%えて、過去かこ最多さいた更新こうしんしました。

虐待ぎゃくたい内容ないようべつにみますと、もっとおおかったのは暴言ぼうげんいたり、どもまえ家族かぞく暴力ぼうりょくるったりする「心理しんりてき虐待ぎゃくたい」で10まん9118けん(56.3%)にのぼり、全体ぜんたい半数はんすう以上いじょうめています。

いでなぐなどの暴行ぼうこうくわえる身体しんたいてき虐待ぎゃくたい」が4まん9240けん(25.4%)、ども面倒めんどうをみない「ネグレクト」が3まん3345けん(17.2%)、「性的せいてき虐待ぎゃくたい」が2077けん(1.1%)となっています。

また児童じどう相談そうだんしょへの相談そうだん経路けいろでは警察けいさつなどからの通告つうこくが9まん6473けん(49.8%)でもっとおおくなっていて、父親ちちおや母親ははおや暴力ぼうりょくるっているところなどをども目撃もくげきする「面前めんぜんDV」がえているということです。

厚生こうせい労働ろうどうしょうは、「警察けいさつなど関係かんけい機関きかんとの連携れんけい強化きょうかするなか通告つうこく増加ぞうかしている。児童じどう相談そうだんしょ体制たいせい強化きょうかなど着実ちゃくじつおこない、どもいのちまもことをさい優先ゆうせん取り組とりくんでいきたい」としています。

子育こそだしている母親ははおや

子育こそだてをしている母親ははおやからは新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん収束しゅうそくえない日々ひびつづき、やり場やりばのないストレスどもにぶつけてしまうというこえかれました。

札幌さっぽろの20だい女性じょせいは、自営じえいぎょうおっと小学しょうがく2年生ねんせい長男ちょうなんそれに2さい長女ちょうじょらしています。

感染かんせん拡大かくだいするまえは、アパレルの店舗てんぽしゅう5にち、パート従業じゅうぎょういんとしてはたらき、ども食費しょくひ学用品がくようひんかかる費用ひようてていました。

2にんどもそれぞれ保育ほいくしょ小学校しょうがっこうれたところで、休日きゅうじつ友人ゆうじん家族かぞくまじえてかけることをたのしみに、いそがしい日々ひびおくっていたといます。

しかし、ことし2月末げつまつから状況じょうきょう一変いっぺんしました。

北海道ほっかいどう独自どくじの「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」がされ、女性じょせいパートはたらいていたアパレルの店舗てんぽ休業きゅうぎょうになりました。

建設けんせつ現場げんばはたらおっと感染かんせんひろがるなかでも仕事しごといそがしく、学校がっこう保育ほいくしょ休校きゅうこう休園きゅうえんとなった5つきまつまでのおよそ3か月かげつかんどもと3にん自宅じたくにこもる生活せいかつ余儀よぎなくされました。

ども感染かんせん今後こんご自分じぶん仕事しごとに対にたいする不安ふあんくわえ、24時間じかんほぼ自宅じたくどもと向き合むきあ生活せいかつつづいたことで、女性じょせいつね精神せいしんてき不安定ふあんてい状態じょうたいだったといいます。

ささいなことでどもをどなり、ときは、泣き叫なきさけどもをたちを自宅じたくのこしてひとりでそとて、どうにか平静へいせい取り戻とりもどしたこともあったということです。

ことし6つきからは学校がっこう保育ほいくしょすこずつ再開さいかいしましたが、以前いぜんのようにひとってはな機会きかいほとんどなかったということです。


8つき中旬ちゅうじゅん女性じょせい感染かんせん拡大かくだいして以降いこうことができていない友人ゆうじんに「精神せいしんてき結構けっこうキツイ」とメッセージおくりました。

どもたちにストレスをぶつけてしまいそうになり、スマートフォンを操作そうさ意識いしき画面がめんけることで気持きも落ち着おちつかせたということです。

さらに経済けいざいてき問題もんだいあるといいます。

女性じょせいは、ども休校きゅうこうちゅうパートやすまざるをなくなりましたが、会社かいしゃ従業じゅうぎょういん所得しょとく補償ほしょうするためのくに助成じょせいきん利用りようせず会社かいしゃから休業きゅうぎょう手当てあて一切いっさいなかったということです。

8つきからは清掃せいそういんのパートの仕事しごとつけましたが、アパレルの店舗てんぽよりもはたらことができる時間じかんおっとわせた世帯せたい収入しゅうにゅうは2わりほどったということです。

ども将来しょうらいのための教育きょういくなどとしてためていた貯金ちょきん取り崩とりくずつきもあり、家計かけい余裕よゆうがないことをめぐってどものまえはげしい夫婦ふうふげんかを繰り返くりかえしてしまういます。

北海道ほっかいどうでは、現在げんざい感染かんせんしゃすう大幅おおはばえています。

このため17にち札幌さっぽろ市内しない不用ふよう不急ふきゅう外出がいしゅつひかえることなどもとめる要請ようせい北海道庁ほっかいどうちょうからされました。

女性じょせいは「生活せいかつスタイル一気いっきわり、いままでは普通ふつうにできていたことができないストレスで『もう限界げんかいかもしれない』とおも瞬間しゅんかんが、どうしてしまったんだろうとおもうくらいえて、自分じぶんわってしまったとおもいました。息抜いきぬができず、ストレスはたまりつづけていくいっぽうです。自分じぶん虐待ぎゃくたいしないとおもっていても、もしかして虐待ぎゃくたいしてしまっているのではないかという瞬間しゅんかんはすごくあります。いかをこらえられないときもあり、つぎどもしてしまうのではないかというおおきな不安ふあんがあります」とはなしています。

先月せんげつ女性じょせい心配しんぱいした知人ちじん紹介しょうかいで、札幌さっぽろ子育こそだ支援しえんおこなっているNPOのスタッフが女性じょせい自宅じたくおとずれました。

このNPOでは、ことし8つきから自宅じたくにこもりがちなおさなどもそだてる家庭かてい中心ちゅうしん訪問ほうもん活動かつどうおこなっています。

女性じょせいは、NPOのスタッフに感染かんせん拡大かくだい以降いこう自由じゆうそとにでづらいストレスや、かかえていた子育こそだなやを1時間じかんちかかけてはなし、スタッフがアドバイスをすると時折ときおり笑顔えがおられるようになりました。

女性じょせいは「だれかと共感きょうかんできると、もやもやしていた気持きもがすごくすっきりします。はなせるだけでもちがかんじました」とはなしていました。

NPO北海道ほっかいどうネウボラのしま絵里奈えりなさんは、「『もと生活せいかつもどりたい』とおもいながらももどれないというジレンマのなかで、だんだんつらくなってきているおやおおく、だれかとかかわれるような支援しえんのぞんでいるとかんじています。感染かんせん拡大かくだいによってより一層いっそう地域ちいき孤立こりつしている家庭かていえているとおもので家庭かていという密室みっしつ風通かぜとおすこでもよくするためにはだいさんしゃ存在そんざいというのが非常ひじょう重要じゅうようだとおもいます」とはなしています。

保護ほごしゃがどこかで限界げんかいむかえ エスカレートを危惧きぐ

東京とうきょう江戸川えどがわ児童じどう相談そうだんしょでは虐待ぎゃくたい対応たいおう件数けんすうえてきたにもかかわらずこん年度ねんどほぼよこばいあることから、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょう家庭かていなか様子ようすがよりえづらくなっているのではないかと危機ききかんいています。

江戸川えどがわ児童じどう相談そうだんしょでは、虐待ぎゃくたい通告つうこくがあった家庭かていについて職員しょくいん全体ぜんたい共有きょうゆうする会議かいぎ毎週まいしゅうおこなっています。

先月せんげつ会議かいぎなかでは、「あんたなんかまなきゃよかった」などども暴言ぼうげんをぶつけたり、さけったおやどものまえはげしい夫婦ふうふげんかをしたりといった「心理しんりてき虐待ぎゃくたい」がおお報告ほうこくされていました。

江戸川えどがわでは、ことし5つき、「心理しんりてき虐待ぎゃくたい」の件数けんすう大幅おおはばえ、179けんちゅう118けん全体ぜんたいの65%をめました。

学校がっこう保育ほいくしょなど、ふだんども見守みまもっている施設しせつおお休校きゅうこう休園きゅうえんとなったなか、相談そうだん経路けいろでみると半数はんすうちか警察けいさつからの通告つうこくでした。

大声おおごえいた近所きんじょ住民じゅうみん恐怖きょうふかんじたども自身じしんからの110ばん通報つうほう発覚はっかくしたケースおおかったということです。

一方いっぽう全体ぜんたい対応たいおう件数けんすう伸び悩のびなやんでいて、ことし4つきから10つきまででおよそ1300けんと、昨年度さくねんどほぼよこばいだということです。

ども安全あんぜんのために児童じどう相談そうだんしょ一時いちじてき保護ほごせざるをえないケースおおく、児童じどう相談そうだんしょには、定員ていいん36にん一時いちじ保護ほごしょがありますが、6つき以降いこうつね満員まんいん状態じょうたいつづいています。

都内とないほか施設しせつ医療いりょう機関きかん協力きょうりょくもとめて居場所いばしょ確保かくほしているほか、先月せんげつには、民家みんか借り上かりあげてあらに4にん保護ほごできるようにしましたが、すでに満室まんしつだということです。

またこれまで児童じどう相談そうだんしょ支援しえん必要ひつようとしていなかった家庭かていからの相談そうだん通告つうこくえているということです。

江戸川えどがわ児童じどう相談そうだんしょ上川かみかわ光治こうじ所長しょちょうは、「感染かんせん拡大かくだい影響えいきょうそれぞれ家庭かてい精神せいしんてき不安定ふあんていさや孤立こりつかんかかえていて、虐待ぎゃくたいするつもりのに、ども暴言ぼうげんをぶつけてしまっているケースおおくなっています。いつ感染かんせんするかわからない状況じょうきょうでの生活せいかつつづと、家庭かていない虐待ぎゃくたいリスクはたかくなったままで保護ほごしゃがどこかで限界げんかいむかえてエスカレートした行動こうどうこしてしまうのではないかと危惧きぐしています」とはなしています。

専門せんもん自治体じちたい家庭かていとのつながりをよりつよ方針ほうしん活動かつどうを」

児童じどう虐待ぎゃくたい問題もんだいくわしい山梨やまなし県立けんりつ大学だいがく西澤にしざわあきら教授きょうじゅは、「いまひと移動いどうある程度あるていど自由じゆうできる状態じょうたいにあるが、人々ひとびとかかえる見通みとおさや漠然ばくぜんとした不安ふあんそう簡単かんたんには取り除とりのぞことができていない。

今後こんごふゆけてさらに感染かんせん拡大かくだいする懸念けねんあるなかで、不安ふあんこれまで以上いじょうたかまり精神せいしんてきなバランスをくずして深刻しんこく虐待ぎゃくたいというかたち表面ひょうめんするおそれがある」と懸念けねんしめしました。

また西澤にしざわ教授きょうじゅは、ことし3つきから5つきにかけて、学校がっこう保育ほいくしょ休校きゅうこう休園きゅうえんとなったり自治体じちたい乳幼児にゅうようじけん家庭かていへの訪問ほうもんなど中止ちゅうし相次あいついだりした影響えいきょうつづいていて子育こそだ家庭かてい孤立こりつすすんでいると指摘してきしています。

そのうえで、「感染かんせんのさらなる拡大かくだいで、今後こんごなんらかのかたち移動いどう制限せいげんかけるなどして社会しゃかいひととの接触せっしょく機会きかいらしていく方向ほうこうになったとしても、自治体じちたい児童じどう虐待ぎゃくたいふせためにむしろ家庭かていとのつながりをよりつよという方針ほうしん活動かつどう継続けいぞくしていくべきだ」とはなしています。

子育こそだ相談そうだんけている支援しえん団体だんたい

子育こそだての相談そうだんけている支援しえん団体だんたいは、感染かんせん拡大かくだいするなかで、ストレス不安ふあんかんうったえる母親ははおやえていることに懸念けねんいています。

三重みえけん桑名くわなのNPOでは、東海とうかい地方ちほう中心ちゅうしんに20ねんまえから妊娠にんしん出産しゅっさん育児いくじに関にかんする相談そうだん電話でんわなどけています。

例年れいねんだと1年間ねんかん相談そうだんおよそ900けんですが、ことしは4つきから先月せんげつまでですでに1000けんちか相談そうだんせられているということです。

感染かんせん拡大かくだいまえは、ども食事しょくじやしつけなど生活せいかつかかわる相談そうだんおおめていましたが、「育児いくじへの不安ふあん」や「産後さんごうつの症状しょうじょう」など、切迫せっぱくした内容ないよう半数はんすうちかをしめるようになっています。

相談そうだん件数けんすう緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんされていた5つきをピークにゆるやか傾向けいこうにありましたが、先月せんげつ下旬げじゅんごろからふたた増加ぞうかしているということです。

NPO「みっくみえ」の松岡まつおか典子のりこさんは「経験けいけんしたことのない閉塞へいそくかん(へいそくかん)が長期ちょうきし、これまでは自分じぶんなか処理しょりできていたストレス抱え込かかえこつづけている母親ははおやえているとかんじています。家庭かていども母親ははおやにとってかならずしも安心あんしん安全あんぜん場所ばしょではないということを理解りかいして、地域ちいきでの居場所いばしょやつながることができる相談そうだんさき確保かくほすることが必要ひつようだとおもいます」とはなしていました。

児童じどう虐待ぎゃくたい件数けんすうつきごとの推移すいい

厚生こうせい労働ろうどうしょう新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょう虐待ぎゃくたい増加ぞうかなど懸念けねんされたことから、児童じどう相談そうだんしょ対応たいおうした件数けんすうをことしはつきごとに公表こうひょうしています。

それによりますと、どもおやなどから虐待ぎゃくたいけたとして、児童じどう相談そうだんしょ対応たいおうした件数けんすうはことし1つきから7つきまでで全国ぜんこくで11まん5969けんのぼり、過去かこ最多さいたとなったさく年度ねんど上回うわまわペースで増加ぞうかしています。

つきごとにみると1つきは1まん4805けん、(+21%)、2つきは1まん5039けん(+11%)、3つきは2まん3685けん(+18%)といずれ去年きょねんおなつきより大幅おおはばえましたが、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんされていた4つきは1まん4684けんで7%の増加ぞうか、5つきは1まん3551けんで2%の減少げんしょうで、マイナスてんじました。

緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん解除かいじょされたのちの6つきは1まん7649けんと10%増加ぞうかしましたが、7つきは1まん6556けんと6%減少げんしょうしました。

外出がいしゅつ自粛じしゅくなどども見守みまも機会きかい減少げんしょうし、虐待ぎゃくたいのリスクがたかまっているとして、厚生こうせい労働ろうどうしょう自治体じちたいが、ども食堂しょくどうなどの活動かつどうおこな民間みんかん団体だんたい連携れんけいして見守みまも体制たいせい強化きょうかした場合ばあい費用ひよう補助ほじょする取り組とりくはじめました。

しかし実際じっさい取り組とりくをしているのはことし9つき時点じてん全国ぜんこくで45の自治体じちたいにとどまっているということです。

厚生こうせい労働ろうどうしょうは、「ことし1つきから7つきまでの件数けんすうについて要因よういん分析ぶんせきできていないが、今後こんご状況じょうきょう注視ちゅうししたい。自治体じちたい民間みんかん団体だんたい連携れんけいして見守みまもりの強化きょうかにつなげてほしい」としています。
ソース:NHK ニュース