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英 トラス首相 与党党首辞任を表明 経済政策めぐり求心力低下
2022-10-20 14:07:59

大型減税など経済政策を相次いで撤回し求心力が低下していたイギリスのトラス首相は20日、与党・保守党の党首を辞任する考えを明らかにしました。
そのうえで来週、党首選挙を行い、次の党首が決まり次第、首相も辞任することを明らかにしました。
そのうえで来週、党首選挙を行い、次の党首が決まり次第、首相も辞任することを明らかにしました。
先月就任したトラス首相は大型減税によって経済成長を促す政策を掲げてきましたが、財政悪化への懸念から市場の混乱を招いたと指摘されて政策を相次いで撤回する事態になり、保守党内からも辞任を求める声が強まっていました。
今月17日に行われた公共放送BBCのインタビューや19日に行われた議会の答弁で辞任を否定していましたが、党内外で求心力が低下し政権運営が難しくなっていました。
トラス首相「負託に応えられないため党首を辞任」

イギリスのトラス首相は20日、ロンドンの首相官邸前で声明を発表し「経済的にも国際的にも非常に不安定な時期に首相に就任し、私はこの状況を変えることを期待されて保守党から選出された。しかし、私は負託に応えられないため党首を辞任するとチャールズ国王に伝えた」と述べ、与党・保守党の党首を辞任する考えを明らかにしました。
そのうえで、来週にも党首選を行い、次の党首が決まり次第、首相も辞任することを明らかにしました。
そのうえで、来週にも党首選を行い、次の党首が決まり次第、首相も辞任することを明らかにしました。
“就任から45日目” 首相在任期間 最短の見通し
トラス首相は先月6日に就任し、今月20日現在、就任から45日目で、イギリスの公共放送BBCは、イギリスの首相の中で史上、最も短い在任期間となる見通しだと伝えています。
イギリスの首相でこれまで在任期間が最も短かったのは、1827年に就任し在任中に肺炎で死去したジョージ・カニング首相の119日間でした。
イギリスの首相でこれまで在任期間が最も短かったのは、1827年に就任し在任中に肺炎で死去したジョージ・カニング首相の119日間でした。
政府関係者「日本に好意的だったので残念」
政府関係者の1人は「イギリスの内閣の不支持率が高くなっていたので早晩、倒れる可能性はあると考えていたが、トラス首相は日本に好意的だったので残念だ。普遍的な価値観を共有するパートナーとして、関係強化を目指していくことに変わりはない」と話しています。
別の政府関係者は「日本にとってはあまり良くなく、間接的にいろいろ影響を受けるだろう。イギリスとは『自由で開かれたインド太平洋』の考え方が一致していたし、対ロシアや対中国の政策など、外交や安全保障では日本と同じ軸に立つ国なので、首相の交代で基本方針が変わると困る」と話しています。
別の政府関係者は「日本にとってはあまり良くなく、間接的にいろいろ影響を受けるだろう。イギリスとは『自由で開かれたインド太平洋』の考え方が一致していたし、対ロシアや対中国の政策など、外交や安全保障では日本と同じ軸に立つ国なので、首相の交代で基本方針が変わると困る」と話しています。
外務省幹部「イギリスは影響力大きい国 安定を」
外務省幹部は「イギリスはG7=主要7か国の一角で、NATO=北大西洋条約機構の加盟国でもある影響力の大きい国であり、安定していてもらわないといけない。今後の推移を注視したい」と述べました。
トラス氏とは

トラス首相は去年9月にジョンソン前政権の外相に就任し、当時、ウクライナに軍事侵攻を行う構えをみせていたロシアへの制裁にいち早く動いてウクライナへの支援を推し進め、その手腕を評価する声が高まりました。
その後、相次ぐ不祥事で辞意を表明したジョンソン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選挙に立候補し、記録的なインフレのなか大型減税を公約に掲げて支持を広げ、先月6日に首相に就任しました。
その後、相次ぐ不祥事で辞意を表明したジョンソン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選挙に立候補し、記録的なインフレのなか大型減税を公約に掲げて支持を広げ、先月6日に首相に就任しました。

トラス首相は就任後、所得税の最高税率の引き下げや法人税率引き上げの凍結など総額およそ450億ポンドの大型減税策を打ち出したほか、家庭と企業の光熱費を抑制するため半年間でおよそ600億ポンドを投じる経済政策を発表しました。
しかし、こうした政策の財源が不透明だったことなどから財政の悪化につながるという懸念が広がり、国債の価格が下落して利回りが急激に上昇。
さらに通貨ポンドもドルに対して急落して変動相場制に移行したあとの最安値を記録するなど市場が大きく混乱し、イギリスの中央銀行、イングランド銀行も対応を迫られました。
その結果、トラス政権は今月3日、富裕層の優遇だと批判を受けていた所得税の最高税率の引き下げを撤回すると発表。
さらに翌週14日には法人税引き上げの凍結も撤回し、政権発足から1か月余りでクワーテング財務相を解任する事態になりました。
ただ政策の一部撤回では不十分だとして政策のさらなる見直しを求める声が強まっていたため、17日、新たに財務相に就任したハント氏がトラス政権が打ち出した大型減税策について「ほぼすべてを撤回する」と発表しました。
打ち出した看板政策が次々に撤回される異例の事態にトラス首相は議会でも辞任を迫られたものの続投に意欲を見せていましたが、主要閣僚の内相が辞任を表明し、さらに厳しい状況に追い込まれていました。
しかし、こうした政策の財源が不透明だったことなどから財政の悪化につながるという懸念が広がり、国債の価格が下落して利回りが急激に上昇。
さらに通貨ポンドもドルに対して急落して変動相場制に移行したあとの最安値を記録するなど市場が大きく混乱し、イギリスの中央銀行、イングランド銀行も対応を迫られました。
その結果、トラス政権は今月3日、富裕層の優遇だと批判を受けていた所得税の最高税率の引き下げを撤回すると発表。
さらに翌週14日には法人税引き上げの凍結も撤回し、政権発足から1か月余りでクワーテング財務相を解任する事態になりました。
ただ政策の一部撤回では不十分だとして政策のさらなる見直しを求める声が強まっていたため、17日、新たに財務相に就任したハント氏がトラス政権が打ち出した大型減税策について「ほぼすべてを撤回する」と発表しました。
打ち出した看板政策が次々に撤回される異例の事態にトラス首相は議会でも辞任を迫られたものの続投に意欲を見せていましたが、主要閣僚の内相が辞任を表明し、さらに厳しい状況に追い込まれていました。
ソース:NHK ニュース