「ご立派りっぱでした」科学かがくへの扉とびら開ひらいた女性じょせい教師きょうし 吉野よしの彰あきらさんへ

ノーベル化学かがく賞しょうの受賞じゅしょうが決きまった吉野よしの彰あきらさんは、化学かがくに興味きょうみを持もつきっかけが、大阪おおさかの吹田すいた市立しりつ千里せんり第だい二に小学校しょうがっこうに通かよっている時ときに、担任たんにんの教師きょうしからロウソクが燃もえる仕組しくみを科学かがく的てきに解説かいせつした本ほん、『ロウソクの科学かがく』を薦すすめてもらったことだったと、会見かいけんなどで紹介しょうかいしています。

ノーベル賞しょうの授賞じゅしょう式しきに出席しゅっせきするため訪おとずれているスウェーデンのストックホルムでも、吉野よしのさんは「ノーベルレクレチャー」と呼よばれる記念きねん講演こうえんや現地げんちの日本人にっぽんじん学校がっこうを訪おとずれた際さいなど折おりに触ふれてこのエピソードを紹介しょうかいしています。

吉野よしのさんはことし10月つきのＮＨＫえぬえいちけいのインタビューの中なかで、本ほんを薦すすめた当時とうじの担任たんにんが女性じょせいの新任しんにん教師きょうしで名前なまえが「内藤ないとう先生せんせい」だったと記憶きおくしていると話はなし、「私わたしの好奇こうき心しんをくすぐっていただきました。ノーベル賞しょうにつながりました。先生せんせいがご存命ぞんめいでしたら、ぜひお会あいしたいです」と話はなしていました。

ＮＨＫえぬえいちけいが吉野よしのさんの同級生どうきゅうせいや、小学校しょうがっこうの関係かんけい者しゃ、当時とうじの記録きろくなどを元もとに取材しゅざいを進すすめると、「内藤ないとう先生せんせい」は北海道ほっかいどうに滞在たいざいしていることがわかり、直接ちょくせつ訪たずねました。

津田つだ喜恵きえさん、旧姓きゅうせい 内藤ないとう喜恵きえさん（83）は『ロウソクの科学かがく』を薦すすめたことは覚おぼえていないと言いうことですが、「よく私わたしの名前なまえを覚おぼえていてくださったなと思おもい、びっくりしています。ノーベル賞しょうは私わたしがきっかけということではなく、吉野よしのさんご本人ほんにんが資質ししつと能力のうりょくをお持もちで勉強べんきょうをなさったからこそ結果けっかにつながったと思おもいます」と話はなしていました。

津田つださんは吉野よしのさんが小学しょうがく４よん年生ねんせいの時ときに新任しんにんの教師きょうしとして赴任ふにんし、子こどもたちとは年としの離はなれたきょうだいのようなつもりで接せっしていたということです。

吉野よしのさんへのメッセージをお願おねがいすると、津田つださんは『ロウソクの科学かがく』の本ほんに「ご立派りっぱでした」と記しるしました。

メッセージに込こめた思おもいについて津田つださんは「『ご立派りっぱです』と言いうのは簡単かんたんなことですが、どんなにか大変たいへんで、どんなにか努力どりょくをされ、どんなにか嫌いやな思おもいをしても努力どりょくする精神せいしん力りょくを発揮はっきされたと思おもいます。そういう意味いみを込こめて『ご立派りっぱでした』とお伝おつたえしたいです」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース