Hiện Furigana
放置しないで…売手市場で学生ら注目「内定辞退セット」
2020-01-17 08:05:15

就職活動で学生が有利な「売手市場」が続くなか、複数の企業から内定を得た学生が迫られるのが「内定辞退」の連絡です。せっかく自分を選んでくれた企業にどう話をすればいいのか、そんな悩みに応えるレターセットが先月発売され、学生や大学関係者から注目を集めています。

東京 千代田区の文具メーカー、「日本法令」は先月20日、「内定辞退セット」というレターセットを発売しました。
内定を辞退したい学生が企業側に送る手紙を簡単に作成できるようにしたもので、便箋や封筒、文例が印刷された下敷き、それに解説書がセットになっています。
解説書では、内定を辞退するときにはまず辞退したい旨を伝える手紙を企業に送ったうえで、担当者に電話をかけるのが望ましいとしていて、下敷きの上に便箋を置いてなぞり書きすれば、丁寧な表現の文面をきれいな字で書くことができます。
また、トラブルにならない内定辞退の方法や専用のWEBページへのログインIDも載っていて、企業への具体的な電話のかけ方などの解説動画が視聴できます。
開発に携わった日本法令の飯田義久開発部長によりますと大学関係者から、内定辞退の連絡をしないまま放置する学生や電話ではなくSNSで辞退の連絡をした学生がいたと聞いたことが、開発のきっかけになったということです。
1セット550円で5000部売り出しましたが、すでに売り切れた店もあり、大学などから問い合わせも相次いでいるということです。
飯田さんは「今の学生はコミュニケーションが簡略化していて、企業との間でギャップが生まれていると感じます。だからこそ伝え方を細かく教えないと学生は対応できないと思い、このセットを開発しました。あくまでも社会人としての第一歩を踏み出すときにトラブルにならないようにするのが目的で、自分のことばで気持ちを伝えれば企業もわかってくれると思うので、このセットがそのきっかけになればいいと思います」と話していました。
内定を辞退したい学生が企業側に送る手紙を簡単に作成できるようにしたもので、便箋や封筒、文例が印刷された下敷き、それに解説書がセットになっています。
解説書では、内定を辞退するときにはまず辞退したい旨を伝える手紙を企業に送ったうえで、担当者に電話をかけるのが望ましいとしていて、下敷きの上に便箋を置いてなぞり書きすれば、丁寧な表現の文面をきれいな字で書くことができます。
また、トラブルにならない内定辞退の方法や専用のWEBページへのログインIDも載っていて、企業への具体的な電話のかけ方などの解説動画が視聴できます。
開発に携わった日本法令の飯田義久開発部長によりますと大学関係者から、内定辞退の連絡をしないまま放置する学生や電話ではなくSNSで辞退の連絡をした学生がいたと聞いたことが、開発のきっかけになったということです。
1セット550円で5000部売り出しましたが、すでに売り切れた店もあり、大学などから問い合わせも相次いでいるということです。
飯田さんは「今の学生はコミュニケーションが簡略化していて、企業との間でギャップが生まれていると感じます。だからこそ伝え方を細かく教えないと学生は対応できないと思い、このセットを開発しました。あくまでも社会人としての第一歩を踏み出すときにトラブルにならないようにするのが目的で、自分のことばで気持ちを伝えれば企業もわかってくれると思うので、このセットがそのきっかけになればいいと思います」と話していました。
「2社以上の企業から内定」全体の68.5% 就職情報サイト
就職情報サイトを運営する「マイナビ」が、サイトに登録している大学生と大学院生を対象に去年8月に行ったアンケート調査では、回答した3142人のうち82.6%にあたる2595人が内定を得ていました。
複数の企業から内定を得た学生の割合は、「2社」は31%、「3社以上」は37.5%で、1人当たりの内定の数は、平均で2.4社、「2社以上の企業から内定を得た」のは、全体の68.5%に上りました。
これは前の年より5.1ポイント増え、記録の残る2012年以降で最も高かったということです。
「マイナビ」によりますと、学生に有利な「売手市場」は、今後、本格化する、ことしの就職活動でも続く見通しだということです。
複数の企業から内定を得た学生の割合は、「2社」は31%、「3社以上」は37.5%で、1人当たりの内定の数は、平均で2.4社、「2社以上の企業から内定を得た」のは、全体の68.5%に上りました。
これは前の年より5.1ポイント増え、記録の残る2012年以降で最も高かったということです。
「マイナビ」によりますと、学生に有利な「売手市場」は、今後、本格化する、ことしの就職活動でも続く見通しだということです。
「内定辞退になったら心苦しいと思う」学生
明治大学就職キャリア支援センターには、大学3年生が就職活動について相談に来ていました。
内定を辞退することについて女子大学生は「就職活動を終えた先輩が、内定を断る電話をかけるのが、すごく緊張したと話していた。自分を選んでくれた企業の内定を辞退することになったら心苦しいと思うし、企業のかたとは、あまり電話をしないので、もし電話することになったら緊張します」と話していました。
また男子大学生は「最終的には1社に絞らなければいけないので、すごく難しい。ゼミの先輩は、内定辞退を電話で伝えたとき、企業によっては、明るい感じで頑張ってくださいと言われたところもあれば、『え、そうなの』とあまりよく言われなかった企業もあったと聞いたので、言い方などを考えなければいけないと思う」と話していました。
「内定辞退セット」が発売されたことについて、女子大学生は「内定辞退の正しいやり方というのは、自分も自信がないです。そういう商品があれば、頼ってしまうかもしれない」と話していました。
内定を辞退することについて女子大学生は「就職活動を終えた先輩が、内定を断る電話をかけるのが、すごく緊張したと話していた。自分を選んでくれた企業の内定を辞退することになったら心苦しいと思うし、企業のかたとは、あまり電話をしないので、もし電話することになったら緊張します」と話していました。
また男子大学生は「最終的には1社に絞らなければいけないので、すごく難しい。ゼミの先輩は、内定辞退を電話で伝えたとき、企業によっては、明るい感じで頑張ってくださいと言われたところもあれば、『え、そうなの』とあまりよく言われなかった企業もあったと聞いたので、言い方などを考えなければいけないと思う」と話していました。
「内定辞退セット」が発売されたことについて、女子大学生は「内定辞退の正しいやり方というのは、自分も自信がないです。そういう商品があれば、頼ってしまうかもしれない」と話していました。
「適切な辞退の方法を伝えていきたい」
明治大学就職キャリア支援センターによりますと、ここ数年は、大手企業の採用面接などが始まる6月以降、内定を複数持っている学生から「内定を辞退したいが、どう連絡したらいいか」とか、「内定承諾書を企業に提出してしまったが、辞退するにはどうしたらいいか」といった相談が多く寄せられるということです。
中にはセンターに相談に来たその場で「企業に断りの電話を入れるので内容を聞いていてほしい」と言う学生や、企業に連絡しないまま放置してしまう学生もいるなど、内定辞退を伝えるため企業の担当者と直接会ったり、電話をかけたりすることに不安を感じている学生が多いということです。
明治大学就職キャリア支援センターの原口善信さんは「年に数件だが、企業から内定者と連絡が取れなくなったと連絡がある。こちらで学生に連絡を取ると、内定辞退をするのがこわくてそのままにしてしまったというケースもあった」と話していました。
そのうえで原口さんは、SNSの普及で学生が電話を使う機会が減り、相手と直接、コミュニケーションを取るのに慣れていないことが背景にあると話します。
原口さんは「SNSの影響はあると思う。今の学生は電話で話をする機会が減っているので、電話で連絡する、内定辞退という大事なことを伝えることに慣れていない。まずは必ず電話で連絡しなさいと伝えています。そこで了承がえられたらその電話でおしまいですが、もし出向くようにと言われたら必ず出向いて、きちんと丁寧におわびを伝えなさいと指導しています」と話しています。
このため大学では、学生に働いている先輩から直接話を聞いたり就職活動のマニュアルを載せた「就職活動手帳」を配布し、内定辞退は電話や対面で伝えることが基本であることなどを指導しているということです。
今回「内定辞退セット」が発売されたことについて、原口さんは「内定辞退セットがあると聞いて、ここまで手取り足取り対応しなければならないということに、逆に不安になりましたが、内定辞退の方法を教わる場面はあまりないので一定の意味はあると思います。学生が複数内定を取るのはしかたありませんが、企業に迷惑をかけないためにも適切な辞退の方法を伝えていきたい」と話していました。
中にはセンターに相談に来たその場で「企業に断りの電話を入れるので内容を聞いていてほしい」と言う学生や、企業に連絡しないまま放置してしまう学生もいるなど、内定辞退を伝えるため企業の担当者と直接会ったり、電話をかけたりすることに不安を感じている学生が多いということです。
明治大学就職キャリア支援センターの原口善信さんは「年に数件だが、企業から内定者と連絡が取れなくなったと連絡がある。こちらで学生に連絡を取ると、内定辞退をするのがこわくてそのままにしてしまったというケースもあった」と話していました。
そのうえで原口さんは、SNSの普及で学生が電話を使う機会が減り、相手と直接、コミュニケーションを取るのに慣れていないことが背景にあると話します。
原口さんは「SNSの影響はあると思う。今の学生は電話で話をする機会が減っているので、電話で連絡する、内定辞退という大事なことを伝えることに慣れていない。まずは必ず電話で連絡しなさいと伝えています。そこで了承がえられたらその電話でおしまいですが、もし出向くようにと言われたら必ず出向いて、きちんと丁寧におわびを伝えなさいと指導しています」と話しています。
このため大学では、学生に働いている先輩から直接話を聞いたり就職活動のマニュアルを載せた「就職活動手帳」を配布し、内定辞退は電話や対面で伝えることが基本であることなどを指導しているということです。
今回「内定辞退セット」が発売されたことについて、原口さんは「内定辞退セットがあると聞いて、ここまで手取り足取り対応しなければならないということに、逆に不安になりましたが、内定辞退の方法を教わる場面はあまりないので一定の意味はあると思います。学生が複数内定を取るのはしかたありませんが、企業に迷惑をかけないためにも適切な辞退の方法を伝えていきたい」と話していました。
ソース:NHK ニュース