Hiện Furigana
乳児大けが 揺さぶり疑われた母親に逆転無罪 大阪高裁
2020-02-06 10:08:53

6年前、大阪市で生後1か月の女の子が脳に大けがを負ったことをめぐり、頭を激しく揺さぶったのが原因だとして、母親が傷害の罪に問われた裁判で、2審の大阪高等裁判所は「揺さぶりが原因ではない可能性を否定できない」として、1審の有罪判決を取り消し無罪を言い渡しました。
平成26年、大阪市内に住んでいた生後1か月の女の子が自宅の中で脳に大けがを負ったことをめぐり、30代の母親が体を激しく揺さぶったのが原因だとして、傷害の罪に問われました。
母親は「一緒にいた2歳のきょうだいが持ち上げて落としてしまった」などと無罪を主張しましたが、1審で執行猶予のついた懲役3年の有罪判決を言い渡され、控訴していました。
6日の2審の判決で、大阪高等裁判所の西田眞基裁判長は「『揺さぶりによる出血があった』という1審の有罪判決の根拠となった医師の証言が、2審では『誇張する内容だった』として撤回された。ほかの複数の医師の証言により、低い位置からの落下でも脳に大けがをする可能性が否定できない」として1審の有罪判決を取り消し、無罪を言い渡しました。

母親は「一緒にいた2歳のきょうだいが持ち上げて落としてしまった」などと無罪を主張しましたが、1審で執行猶予のついた懲役3年の有罪判決を言い渡され、控訴していました。
6日の2審の判決で、大阪高等裁判所の西田眞基裁判長は「『揺さぶりによる出血があった』という1審の有罪判決の根拠となった医師の証言が、2審では『誇張する内容だった』として撤回された。ほかの複数の医師の証言により、低い位置からの落下でも脳に大けがをする可能性が否定できない」として1審の有罪判決を取り消し、無罪を言い渡しました。
担当弁護士「捜査を検証し見直しを」

判決のあと、女性の弁護をした秋田真志弁護士は「無罪判決が出るまでの5年間は長いものでした。裁判のために証言してくれた医師や家族など、たくさんの人が支えてくれたことを感謝します」という女性のコメントを読み上げました。
そのうえで、SBSと呼ばれる乳児の揺さぶりが疑われたケースについて「去年10月に大阪高裁で出た無罪判決に引き続き、今回も無罪判決が出た。捜査機関は子どもの虐待が疑われる事案について、その多くを揺さぶりと結び付け付けすぎている。今後、捜査機関はこの捜査方針自体を検証し、見直す必要があるだろう」と話していました。
そのうえで、SBSと呼ばれる乳児の揺さぶりが疑われたケースについて「去年10月に大阪高裁で出た無罪判決に引き続き、今回も無罪判決が出た。捜査機関は子どもの虐待が疑われる事案について、その多くを揺さぶりと結び付け付けすぎている。今後、捜査機関はこの捜査方針自体を検証し、見直す必要があるだろう」と話していました。
大阪高検 次席検事「適切に対応」
無罪判決が言い渡されたことについて、大阪高等検察庁の畝本毅次席検事は「内容を精査し、適切に対応する」とコメントしています。
ソース:NHK ニュース