アカデミー賞しょうきょう発表はっぴょう 日本にっぽんからは異例いれいの3作品さくひんがノミネート

アメリカ映画えいが界かいで最高さいこうの栄誉えいよとされるアカデミー賞しょうが日本にっぽん時間じかんの11日にち、アメリカ・ロサンゼルスで発表はっぴょうされます。「君きみたちはどう生いきるか」、「PERFECT DAYS」、「ゴジラ-1.0」と、日本にっぽんから異例いれいの3つの作品さくひんがノミネートされていて、受賞じゅしょうの行方ゆくえが注目ちゅうもくされます。

映画えいがの都と・ハリウッドがあるロサンゼルスでは、10日にち午後ごご、日本にっぽん時間じかんの11日にち午前ごぜん8時じから第だい96回かいアカデミー賞しょうの発表はっぴょうと授賞じゅしょう式しきが行おこなわれ、日本にっぽんから異例いれいの3作品さくひんがノミネートされています。

このうち長編ちょうへんアニメーション賞しょうには、宮崎みやざき駿しゅん監督かんとくが引退いんたい宣言せんげんを撤回てっかいしおよそ7年ねんをかけて作り上つくりあげた「君きみたちはどう生いきるか」がノミネートされていて、2003年ねんに受賞じゅしょうした「千せんと千尋ちひろの神隠かみがくし」以来いらいとなるか注目ちゅうもくされます。

視覚しかく効果こうか賞しょうには、山崎やまざき貴たか監督かんとくの「ゴジラ-1.0」がノミネートされています。

実写じっしゃのゴジラ映画えいがとしては30作品さくひん目めで、日本にっぽんの映画えいががこの部門ぶもんの候補こうほになったのは初はじめてです。

そして国際こくさい長編ちょうへん映画えいが賞しょうには、世界せかい的てきな映画えいが監督かんとく、ヴィム・ヴェンダース監督かんとくの作品さくひんで、役所やくしょ広司こうじさんが東京とうきょう・渋谷しぶやの公共こうきょうトイレの清掃せいそう員いんの日常にちじょうを演えんじた「PERFECT DAYS」がノミネートされています。

一方いっぽう、今回こんかいは作品さくひん賞しょうや監督かんとく賞しょうなど最多さいた13部門ぶもんで、原爆げんばくの開発かいはつを指揮しきした学者がくしゃを題材だいざいにした「オッペンハイマー」がノミネートされていて、受賞じゅしょうの行方ゆくえに関心かんしんが集あつまっています。

【ノミネートされた3作品さくひんは】

「君きみたちはどう生いきるか」

スタジオジブリの宮崎みやざき駿しゅん監督かんとくの10年ねんぶりの長編ちょうへん映画えいがです。

タイトルは、宮崎みやざき監督かんとくが子こどものころに読よんで感動かんどうしたという児童じどう文学ぶんがく者しゃの吉野よしの源三郎げんざぶろうの作品さくひんからとったということですが、ストーリーは全まったく異ことなります。

太平洋たいへいよう戦争せんそうが始はじまった日本にっぽんを舞台ぶたいに、火事かじで母親ははおやを失うしない、父ちちとともに疎開そかいした少年しょうねんが、青あおサギと人間にんげんの姿すがたを行き来いききするサギ男おとこに導みちびかれて不思議ふしぎな世界せかいに迷い込まよいこむ宮崎みやざき監督かんとくのオリジナルストーリーで、去年きょねん7月つきの公開こうかい時じには、映画えいがの内容ないように関にかんする情報じょうほうを事前じぜんに明あきらかにしない異例いれいの対応たいおうが取とられ、話題わだいとなりました。

宮崎みやざき監督かんとくは東京とうきょう都と出身しゅっしんの83歳さい。

アニメーション作家さっかの巨匠きょしょうとして世界せかい的てきに知しられ、「風かぜの谷たにのナウシカ」や「となりのトトロ」、「もののけ姫ひめ」など数々かずかずのヒット作さくを発表はっぴょうし、2003年ねんには「千せんと千尋ちひろの神隠かみがくし」がアメリカのアカデミー賞しょうの長編ちょうへんアニメーション映画えいが賞しょうを受賞じゅしょうしました。

今回こんかい、受賞じゅしょうすれば、日本にっぽんの長編ちょうへんアニメ映画えいがとしては21年ねんぶり2度目どめの快挙かいきょとなります。

宮崎みやざき監督かんとくは、2013年ねんの「風かぜ立たちぬ」の公開こうかい後ご、一いち度どは長編ちょうへんアニメからの引退いんたいを表明ひょうめいしましたが、その後そのご、引退いんたいを撤回てっかい。

「君きみたちはどう生いきるか」は、原作げんさくと脚本きゃくほんも担当たんとうし、およそ7年ねんかけて作り上つくりあげました。

これまでにアメリカでアカデミー賞しょうの前哨ぜんしょう戦せんとされるゴールデングローブ賞しょうを受賞じゅしょうしたほか、英国えいこくアカデミー賞しょうでも日本にっぽんの作品さくひんとして初はじめてアニメ映画えいが賞しょうを受賞じゅしょうしていて、国際こくさい的てきに高たかい評価ひょうかを受うけています。

「ゴジラ-1.0」

1954年ねんのシリーズ第だい1作さくの公開こうかいから70周年しゅうねんを迎むかえるのを前まえに去年きょねん11月つきに公開こうかいされました。

実写じっしゃのゴジラ映画えいがとしては30作品さくひん目めで、今回こんかいは、戦後せんごの日本にっぽんが舞台ぶたいです。

突如とつじょ出現しゅつげんし、復興ふっこう途中とちゅうの街まちを容赦ようしゃなく破壊はかいしていく巨大きょだい怪獣かいじゅうのゴジラや、ゴジラに立ち向たちむかっていく人々ひとびとの姿すがたが「ビジュアルエフェクツ」＝VFXを駆使くしした迫力はくりょくある映像えいぞうで描えがかれています。

「ALWAYS 三さん丁目ちょうめの夕日ゆうひ」などのヒット作さくで知しられ、CGによる高度こうどな映像えいぞう表現ひょうげんが特徴とくちょうの山崎やまざき貴たか監督かんとくが脚本きゃくほんをはじめ、VFXも担当たんとうしました。

主演しゅえんは神木しぼく隆之たかゆき介かいさん、ヒロインは浜辺はまべ美波みなみさんが務つとめています。

作品さくひんは国内こくないで興行こうぎょう収入しゅうにゅうが60億おく円えんを超こえるヒットとなっているほか、アメリカの興行こうぎょう収入しゅうにゅうが邦画ほうがの実写じっしゃ作品さくひんとして歴代れきだい1位いとなるなど、海外かいがいでも人気にんきを集あつめています。

「PERFECT DAYS」

「パリ、テキサス」や「ベルリン・天使てんしの詩し」など、数々かずかずの名作めいさくを手てがけてきた世界せかい的てきな映画えいが監督かんとく、ドイツのヴィム・ヴェンダース監督かんとくの作品さくひんです。

映画えいがは日本語にほんごの作品さくひんでプロデューサーの高崎たかさき卓たく馬ばさんがヴェンダース監督かんとくと共同きょうどうで脚本きゃくほんを執筆しっぴつしました。

東京とうきょうの渋谷しぶやを舞台ぶたいに役所やくしょ広司こうじさん演えんじる公共こうきょうトイレの清掃せいそう員いん・平山ひらやまの淡々たんたんとしながらも満ち足みちたりた日常にちじょうを丁寧ていねいに描えがいています。

この作品さくひんで役所やくしょさんは、世界せかい3大だい映画えいが祭さいの1つ、フランスのカンヌ映画えいが祭さいの最優秀さいゆうしゅう男優だんゆう賞しょうを日本人にっぽんじんとしては19年ねんぶりに受賞じゅしょうし高たかい評価ひょうかを受うけました。

作品さくひんはこれまでに世界せかいで80以上いじょうの国くにと地域ちいきで公開こうかいされていて、ヴェンダース監督かんとくの作品さくひんで史上しじょう最高さいこうの興行こうぎょう収入しゅうにゅうを記録きろくしているほか、国内こくないでも去年きょねん12月つきに公開こうかいされて以降いこう、異例いれいのロングラン上映じょうえいを続つづけ、10億おく円えんを超こえるヒットとなっています。

ソース：NHK ニュース