宮城 女川原発2号機 きょう再稼働 福島第一原発と同タイプで初
2024-10-29 03:22:37

事故を起こした東京電力福島第一原発と同じタイプの原発で、このタイプでは初めての再稼働となり、被災地の原発としても初めてとなります。
女川原発2号機は、13年前の巨大地震と津波により外部電源の多くが失われ、地下の設備が浸水するなどの被害が出ましたが、その後、防潮堤を海抜29メートルの高さにかさ上げするなどの安全対策を講じて、4年前、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に合格しました。
その後、安全対策の工事や国の検査などが終わったことを受けて再稼働することになり、29日夜にも、核分裂反応を抑える制御棒を引き抜いて、原子炉を起動します。
東北電力によりますと、作業が順調に進めば、29日夜遅くにかけて原子炉で核分裂反応が連続する臨界状態になり、11月上旬には発電を開始する見通しだということです。
女川原発2号機は、事故を起こした東京電力福島第一原発と同じBWR=「沸騰水型」と呼ばれるタイプで、このタイプでは初めての再稼働となり、東日本大震災の被災地で原発が再稼働するのも初めてとなります。
武藤経産相「震災後初の原子炉起動 大きな節目」
宮城県にある東北電力の女川原子力発電所2号機が29日、原子炉を起動し再稼働することについて、武藤経済産業大臣は閣議のあとの記者会見で「震災後、東日本で初めての原子炉起動となり大きな節目になる」と述べました。
11月上旬には発電を開始する見通しについて、武藤経済産業大臣は「東日本における電力供給構造のぜい弱性や電気料金の東西格差、経済成長機会の確保という観点からも原子力発電所の再稼働の重要性は極めて大きい。東日本としては震災後、初めての原子炉起動で大きな節目になり、安全最優先で緊張感をもって対応してほしい」と述べました。
そのうえで、新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発の再稼働については「地元の不安の声や地域振興の要望を踏まえながら再稼働への理解が進むよう政府をあげて取り組んでいきたい」と述べました。
林官房長官「安全最優先で緊張感を持って作業を」
林官房長官は閣議のあとの記者会見で「原子力は再生可能エネルギーとともに脱炭素電源として重要であり、安定供給の観点からも安全性の確保を大前提に最大限活用を進めていく方針だ。再稼働の重要性は高まっていると認識しており、東北電力には安全最優先で緊張感を持って作業を進めてもらいたい」と述べました。