ワグネル反乱はんらんでロシア軍ぐんに大おおきな被害ひがいか ウクライナ反転はんてん攻勢こうせいへ

ロシアで武装ぶそう反乱はんらんを起おこした民間みんかん軍事ぐんじ会社かいしゃワグネルは、首都しゅとモスクワへの進軍しんぐんを中止ちゅうしして部隊ぶたいを撤収てっしゅうさせましたが、ワグネルとロシア軍ぐんとの戦闘せんとうでロシア軍ぐんに大おおきな被害ひがいが出でたともみられています。
一方いっぽう、領土りょうど奪還だっかんを目指めざすウクライナ軍ぐんは軍事ぐんじ侵攻しんこうをめぐるプーチン政権せいけんの混乱こんらんを、反転はんてん攻勢こうせいへの追い風おいかぜにしたいものとみられ、今後こんごの動うごきが注目ちゅうもくされます。

【25日にち詳細しょうさい】これまでのワグネル関連かんれんの動うごきを詳くわしく

ロシアの民間みんかん軍事ぐんじ会社かいしゃワグネルの代表だいひょうプリゴジン氏しは、国防省こくぼうしょうとの確執かくしつを深ふかめて武装ぶそう反乱はんらんを起おこし、首都しゅとモスクワに向むけて部隊ぶたいを進すすめましたが、その後そのご、一転いってんして「部隊ぶたいを引き返ひきかえさせている」と表明ひょうめいし、占拠せんきょしていたロシア軍ぐんの司令しれい部ぶからも部隊ぶたいを撤収てっしゅうさせました。

これに先立さきだち、ロシアと同盟どうめい関係かんけいにあるベラルーシのルカシェンコ大統領だいとうりょうはプリゴジン氏しと協議きょうぎを行おこなったと強調きょうちょうしていて、ロシア大統領だいとうりょう府ふの報道ほうどう官かんも、プリゴジン氏しは今後こんご、ベラルーシに向むかうという見通みとおしを示しめしています。

プーチン政権せいけんにとっては、ワグネルとの本格ほんかく的てきな武力ぶりょく衝突しょうとつは回避かいひされたかたちとなりましたが、アメリカのシンクタンク「戦争せんそう研究所けんきゅうじょ」は24日にち、ワグネルの部隊ぶたいがロシア軍ぐんのヘリコプターなどを複数ふくすう撃墜げきついしたという情報じょうほうについて「ロシア空軍くうぐんのパイロットなど13人にん以上いじょうの兵士へいしが死亡しぼうした可能かのう性せいがある」と分析ぶんせきしています。

その上うえで「ウクライナでの戦争せんそうが始はじまって以降いこう、ロシア空軍くうぐんにとって、最もっとも多おおくの死者ししゃが出でた日ひのひとつになった」と指摘してきしました。

一方いっぽう、プリゴジン氏しの武装ぶそう反乱はんらんについてウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは24日にち夜よる、「世界せかいはロシアの指導しどう者しゃたちが何なにもコントロールできていないことを知しった。完全かんぜんな混こんとん状態じょうたいであり、何なにも予測よそくができない事態じたいだ」と述のべ、プーチン政権せいけんが統制とうせいを失うしなっていると強調きょうちょうしました。

こうした中なか、イギリス国防省こくぼうしょうは25日にち、領土りょうど奪還だっかんを目指めざして反転はんてん攻勢こうせいを進すすめるウクライナ軍ぐんについて、戦術せんじゅつに磨みがきをかけていると指摘してきし、「ここ数すう日にち、ウクライナ軍ぐんは南部なんぶと東部とうぶの3つの戦線せんせんで再ふたたび大だい規模きぼな反撃はんげきを展開てんかいしている」と分析ぶんせきしています。

ウクライナ軍ぐんとしては、軍事ぐんじ侵攻しんこうをめぐるプーチン政権せいけんの混乱こんらんを、反転はんてん攻勢こうせいへの追い風おいかぜにしたいものとみられ、今後こんごの動うごきが注目ちゅうもくされます。

米べい国務こくむ長官ちょうかん「深刻しんこくな亀裂きれつを目の当まのあたりに」

ロシアで武装ぶそう反乱はんらんを起おこした民間みんかん軍事ぐんじ会社かいしゃワグネルをめぐる一連いちれんの情勢じょうせいについて、アメリカのブリンケン国務こくむ長官ちょうかんは25日にちABCテレビのインタビューで、ロシア国内こくないで「非常ひじょうに深刻しんこくな亀裂きれつが生しょうじていることを目の当まのあたりにした」と述のべました。

またブリンケン長官ちょうかんは「プリゴジン氏しは、ロシアがウクライナに侵攻しんこうした前提ぜんていそのものに疑問ぎもんを呈ていし、プーチン大統領だいとうりょうのリーダーシップに対にたいして極きわめて公然こうぜんと挑戦ちょうせんしている」と指摘してきしたうえで、プリゴジン氏しが、これまでにも公然こうぜんと批判ひはんし緊張きんちょうが高たかまっていたため、今回こんかいの事態じたいは驚おどろきではないという認識にんしきを示しめしました。

そして「ロシアはウクライナ侵攻しんこうによって経済けいざい的てき、軍事ぐんじ的てきに弱体じゃくたい化かし、世界せかいにおける地位ちいも大おおきく低下ていかした。今回こんかい、内部ないぶでの対立たいりつも生うまれており、この先さきどうなっていくのかは推測すいそくすることはできない」と述のべたうえで、ウクライナ支援しえんに集中しゅうちゅうしていく方針ほうしんを強調きょうちょうしました。またブリンケン長官ちょうかんはCBSテレビのインタビューで「ロシアの核兵器かくへいきの態勢たいせいに変化へんかは見みられない」と述のべる一方いっぽうで、引き続ひきつづき状況じょうきょうを注視ちゅうししていく考かんがえを示しめしました。

ソース：NHK ニュース