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災害廃棄物処理めど立たず 解体予定の施設活用も 宮城 丸森町
2019-11-13 06:54:16

台風19号による浸水被害を受けた宮城県丸森町では、1か月がたった今も、災害廃棄物の処理のめどが立っていません。町では広域での処理を引き続き国や県に要請するとともに、解体される予定だった処理施設の活用も含めて対応を検討することにしています。

台風による浸水被害の影響で丸森町では、災害廃棄物が年間のごみの排出量の6倍以上に当たる1万9000トンを超えると推計されていて、住宅などの解体に伴い、今後も増える見込みです。
仮置き場に集められた災害廃棄物は現在、角田市にある処理施設と仙台市で受け入れていますが、処理できるのは1日当たり合わせて30トン余りにとどまっています。
また木くずに限って受け入れを決めた福島県相馬市や、受け入れを表明した山形県については、廃棄物の分別や処理施設の選定に時間がかかり、受け入れが始まっていないということです。
こうした中、町では年内の処理は不可能だとして、広域での処理を引き続き国や県に要請するとともに、解体される予定だった角田市の別の処理施設を活用することも含めて、対応を検討することにしています。
ただ、角田市の施設を再開させるには9億円の費用がかかるうえ、周辺の自治体の同意も必要で、災害廃棄物の処理が今後どのように進められるのか、具体的な見通しは立っていません。
仮置き場に集められた災害廃棄物は現在、角田市にある処理施設と仙台市で受け入れていますが、処理できるのは1日当たり合わせて30トン余りにとどまっています。
また木くずに限って受け入れを決めた福島県相馬市や、受け入れを表明した山形県については、廃棄物の分別や処理施設の選定に時間がかかり、受け入れが始まっていないということです。
こうした中、町では年内の処理は不可能だとして、広域での処理を引き続き国や県に要請するとともに、解体される予定だった角田市の別の処理施設を活用することも含めて、対応を検討することにしています。
ただ、角田市の施設を再開させるには9億円の費用がかかるうえ、周辺の自治体の同意も必要で、災害廃棄物の処理が今後どのように進められるのか、具体的な見通しは立っていません。
懸念される火災のリスク
災害廃棄物の処理が進まない中、懸念されるのは火災のリスクです。
有機物が混ざって発酵すると温度が上がり、火災につながるということで、専門家は「乾燥した天気も続いており、きちんと分別しないとリスクはさらに高まる」と指摘しています。
廃棄物の問題に詳しい東北大学大学院の吉岡敏明教授によりますと、災害廃棄物の中には稲わらや紙類といった可燃ごみに加え、食品などの有機物が含まれている場合があります。
有機物はがれきなどが積み重なっていると発酵しやすくなり、温度が上がって火災になるおそれがあるということです。
吉岡教授は廃棄物が5メートルを超える高さまで積み上がると、そのリスクが高まるとしています。
先月20日には、福島県須賀川市にある災害廃棄物の集積場で、幅3メートル、高さ5メートルほどに積まれた木くずなどが焼ける火事がありました。
また、廃棄物に含まれる金属も外気に反応して温度が上がる場合があるということです。
吉岡教授は「乾燥した天気も続いており、火がすぐに回りやすい環境にある。廃棄物をきちんと分別しないとリスクはさらに高まるので、分別を速やかに行い、広域での処理を進める必要がある」と指摘しています。
有機物が混ざって発酵すると温度が上がり、火災につながるということで、専門家は「乾燥した天気も続いており、きちんと分別しないとリスクはさらに高まる」と指摘しています。
廃棄物の問題に詳しい東北大学大学院の吉岡敏明教授によりますと、災害廃棄物の中には稲わらや紙類といった可燃ごみに加え、食品などの有機物が含まれている場合があります。
有機物はがれきなどが積み重なっていると発酵しやすくなり、温度が上がって火災になるおそれがあるということです。
吉岡教授は廃棄物が5メートルを超える高さまで積み上がると、そのリスクが高まるとしています。
先月20日には、福島県須賀川市にある災害廃棄物の集積場で、幅3メートル、高さ5メートルほどに積まれた木くずなどが焼ける火事がありました。
また、廃棄物に含まれる金属も外気に反応して温度が上がる場合があるということです。
吉岡教授は「乾燥した天気も続いており、火がすぐに回りやすい環境にある。廃棄物をきちんと分別しないとリスクはさらに高まるので、分別を速やかに行い、広域での処理を進める必要がある」と指摘しています。
地域の伝統行事 開催危ぶまれる事態に
災害廃棄物の処理が進まない中、宮城県丸森町では地域の伝統行事の開催が危ぶまれる事態も起きています。
28人の児童が通う金山小学校は、すぐ脇を流れる雉子尾川の氾濫で校舎が被災したため、現在はおよそ5キロ離れた別の小学校の教室を間借りして授業を行っています。
子どもたちが元の校舎に戻れるめどは立っていませんが、それを阻んでいるもう1つの要因は、校庭が災害廃棄物の仮置き場になっていることです。
校庭には台風から1か月がたった今も、がれきや家電製品、それに壊れた家具などが山積みになっています。
こうした中、金山小学校では、およそ半世紀にわたって続く伝統行事の開催が危ぶまれる事態となっています。
徒競走やサッカーなど、すべての競技を手作りの竹馬に乗って行う「新春竹馬運動会」と呼ばれるもので、毎年1月に開かれています。
冬場の運動不足の解消などを目的に始まったとされていますが、今では地域の人たちが集まる代表的な行事です。
しかし、災害廃棄物の処理が進まない中、来年は開催できるのかどうか見通しは立っていません。
一方、手作りの竹馬が川の氾濫ですべて流されてしまったため、保護者が新しい竹馬を学校に寄付するなど、準備は少しずつ行われており、学校関係者は災害廃棄物の処理が一日も早く進むことを願っています。
金山小学校の長谷川修一校長は「校庭がごみの山になっていることはとても残念です。子どもたちも地域の人も楽しみにしている歴史ある行事なので、何とか開催できるようにしてほしい」と話していました。
こうした状況を受けて町は、金山小学校の校庭については年内に処理できるよう、作業を急ぎたいとしています。
28人の児童が通う金山小学校は、すぐ脇を流れる雉子尾川の氾濫で校舎が被災したため、現在はおよそ5キロ離れた別の小学校の教室を間借りして授業を行っています。
子どもたちが元の校舎に戻れるめどは立っていませんが、それを阻んでいるもう1つの要因は、校庭が災害廃棄物の仮置き場になっていることです。
校庭には台風から1か月がたった今も、がれきや家電製品、それに壊れた家具などが山積みになっています。
こうした中、金山小学校では、およそ半世紀にわたって続く伝統行事の開催が危ぶまれる事態となっています。
徒競走やサッカーなど、すべての競技を手作りの竹馬に乗って行う「新春竹馬運動会」と呼ばれるもので、毎年1月に開かれています。
冬場の運動不足の解消などを目的に始まったとされていますが、今では地域の人たちが集まる代表的な行事です。
しかし、災害廃棄物の処理が進まない中、来年は開催できるのかどうか見通しは立っていません。
一方、手作りの竹馬が川の氾濫ですべて流されてしまったため、保護者が新しい竹馬を学校に寄付するなど、準備は少しずつ行われており、学校関係者は災害廃棄物の処理が一日も早く進むことを願っています。
金山小学校の長谷川修一校長は「校庭がごみの山になっていることはとても残念です。子どもたちも地域の人も楽しみにしている歴史ある行事なので、何とか開催できるようにしてほしい」と話していました。
こうした状況を受けて町は、金山小学校の校庭については年内に処理できるよう、作業を急ぎたいとしています。
ソース:NHK ニュース