イスラエルの入植にゅうしょく活動かつどう アメリカが方針ほうしん転換てんかん パレスチナは反発はんぱつ

アメリカのトランプ政権せいけんがイスラエルによるパレスチナの占領せんりょう地ちでの入植にゅうしょく活動かつどうを、今後こんごは国際こくさい法ほう違反いはんとは見みなさないと、これまでの方針ほうしんを転換てんかんしたことについて、パレスチナ側がわは「国際こくさい法ほうを損そこなう決定けっていだ」と強つよく反発はんぱつしています。

アメリカのポンペイオ国務こくむ長官ちょうかんは18日にち、イスラエルが占領せんりょう下かに置おくパレスチナ暫定ざんてい自治じち区くのヨルダン川よるだんがわ西岸せいがんでの入植にゅうしょく活動かつどうを、今後こんごは国際こくさい法ほう違反いはんとは見みなさないと表明ひょうめいしました。

アメリカは長年ながねん、国際こくさい社会しゃかいと足並あしなみをそろえイスラエルの入植にゅうしょく活動かつどうは国際こくさい法ほうに違反いはんし、パレスチナとの和平わへいの障害しょうがいになっているとして、停止ていしするよう求もとめてきましたが、この方針ほうしんを転換てんかんした形かたちです。

これについてイスラエルのネタニヤフ首相しゅしょうは18日にち、「歴史れきし的てきな日ひだ。トランプ大統領だいとうりょうに感謝かんしゃする」と歓迎かんげいする意向いこうを示しめしました。

トランプ大統領だいとうりょうには来年らいねんの大統領だいとうりょう選挙せんきょに向むけて、イスラエルを支持しじする国内こくないの保守ほしゅ派はにアピールし、加くわえて、イスラエル国内こくないで苦境くきょうに立たたされる盟友めいゆうのネタニヤフ首相しゅしょうを支援しえんするねらいがあるとみられます。

一方いっぽう、パレスチナは強つよく反発はんぱつしていて、ＰＬＯぴ-えるお-=パレスチナ解放かいほう機構きこうのアリカット事務じむ局長きょくちょうは「トランプ政権せいけんによる国際こくさい法ほうを損そこなう決定けっていであり、国際こくさい平和へいわと安全あんぜんにとって重大じゅうだいな脅威きょういだ」と述のべました。

トランプ政権せいけんの決定けっていを受うけてイスラエルが入植にゅうしょく活動かつどうを加速かそくさせてパレスチナとの対立たいりつが一層いっそう深ふかまり、和平わへいの実現じつげんがさらに遠とおのくのは避さけられないという懸念けねんが広ひろがっています。

官房かんぼう長官ちょうかん「入植にゅうしょく活動かつどうは国際こくさい法ほう違反いはん」

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「政府せいふとしては入植にゅうしょく活動かつどうは国際こくさい法ほう違反いはんであるとの立場たちばである。この立場たちばに変更へんこうはなく、本件ほんけんの動向どうこうについては関心かんしんを持もって注視ちゅうししていきたい」と述のべました。

また記者きしゃ団だんが「トランプ政権せいけんは極きわめてイスラエル寄よりだが、そうした姿勢しせいは中東ちゅうとうの平和へいわと安定あんていに資しするか」と質問しつもんしたのに対にたいし、「わが国わがくにとしては、中東ちゅうとうの平和へいわと安定あんていを実現じつげんするという観点かんてんから、米国べいこくをはじめ関係かんけい国こくと一層いっそう緊密きんみつに意思いし疎通そつうを図はかっていきたい」と述のべました。

ソース：NHK ニュース