Hiện Furigana
香港 政府と市民の衝突が収まらない
2019-11-19 09:33:39

抗議活動が続く香港。繁華街に近い香港理工大学の周辺では警察と学生たちとの激しい衝突が相次ぎ、大勢の学生たちがキャンパスに立てこもり、警察に包囲された状態が続いています。香港の政府トップ、林鄭月娥行政長官は大学への立てこもりを続ける学生たちについて、「武器を捨てて大学の外に出てほしい」と述べ、すみやかに投降するよう呼びかけました。衝突はいつになったら収まるのでしょうか。
香港理工大学には数百人の学生たちが構内にとどまっているとみられ、構内に残る学生のなかには警察との衝突でけがをしている人もいて、18日の夜は学生たちを助けようという呼びかけに応じた大勢の市民が大学の周辺に集まり、抗議活動を行いました。
これに対して警察は催涙弾を発射して強制排除に乗り出し、一部の若者が火炎瓶を投げるなどして警察と衝突し、相次いで拘束されました。
これに対して警察は催涙弾を発射して強制排除に乗り出し、一部の若者が火炎瓶を投げるなどして警察と衝突し、相次いで拘束されました。

また18日は抗議活動をけん制するねらいがあるものとみられる動きもありました。
香港政府で選挙などの責任者を務める※ショウ徳権局長が記者会見で安全に投票が行えないようであれば、今月24日に予定されている区議会議員選挙を延期する可能性もあると述べました。
区議会議員選挙は香港の選挙のなかで、最も民意を反映しやすいとされ、香港政府が市民の要求に応じない中、今回は中国に批判的な民主派の議員が議席を伸ばすと見られています。
ショウ局長は、選挙を行う条件として暴力の即時停止と道路や鉄道など交通網への妨害をやめることなどをあげました。
※ショウは「耳」が3つ。
香港政府で選挙などの責任者を務める※ショウ徳権局長が記者会見で安全に投票が行えないようであれば、今月24日に予定されている区議会議員選挙を延期する可能性もあると述べました。
区議会議員選挙は香港の選挙のなかで、最も民意を反映しやすいとされ、香港政府が市民の要求に応じない中、今回は中国に批判的な民主派の議員が議席を伸ばすと見られています。
ショウ局長は、選挙を行う条件として暴力の即時停止と道路や鉄道など交通網への妨害をやめることなどをあげました。
※ショウは「耳」が3つ。
香港政府トップ「武器を捨て大学の外へ出て」

こうした中、香港政府のトップ、林鄭月娥行政長官は19日の記者会見で、「この1週間、香港の大学では破壊活動が続き、武器をつくる工場となっていた」と述べ、学生たちの行動を非難しました。
そのうえで、「大学の中にいる学生たちは武器を捨てて警察の指示に従い大学の外に出てほしい」と述べ、すみやかに投降するよう呼びかけました。
林鄭長官によりますと、香港理工大学では18日から19日朝にかけて中高生を含む学生たちおよそ600人が大学を離れたものの、依然、100人以上が構内にとどまっているということです。
香港メディアによりますと、18日は学生たちが大学の外に出ようとしたところ、相次いで身柄を拘束されたことから、学生たちの間では警察への不信感が根強くあり、政府の呼びかけに応じるかは不透明な状況です。
また林鄭行政長官は今月24日に予定されている区議会議員選挙について、安全が確保できなければ延期の可能性もあると示唆しました。
そのうえで、「大学の中にいる学生たちは武器を捨てて警察の指示に従い大学の外に出てほしい」と述べ、すみやかに投降するよう呼びかけました。
林鄭長官によりますと、香港理工大学では18日から19日朝にかけて中高生を含む学生たちおよそ600人が大学を離れたものの、依然、100人以上が構内にとどまっているということです。
香港メディアによりますと、18日は学生たちが大学の外に出ようとしたところ、相次いで身柄を拘束されたことから、学生たちの間では警察への不信感が根強くあり、政府の呼びかけに応じるかは不透明な状況です。
また林鄭行政長官は今月24日に予定されている区議会議員選挙について、安全が確保できなければ延期の可能性もあると示唆しました。
中国政府 香港警察トップに強硬派任命

一方、中国国営の新華社通信によりますと中国政府は19日、定年になった香港警察のトップの後任について、ナンバーツーの※トウ炳強氏を任命することを決定しました。
中国の共産党系のメディアはトウ氏について、香港で5年前に民主的な選挙を求める抗議活動「雨傘運動」が起きた際に、厳しい取締りを行い強硬派として知られていると伝えています。
トウ氏の任命については香港政府のトップの林鄭月娥 行政長官の指名に基づいて決定したということです。
トウ氏は19日午前、香港で記者会見し、「暴力を一刻も早く抑えることに努力したい。警察のやり方に対する不満があるのも認識しているが一方で支持もされている」と述べました。
そのうえで多くの市民が求めている警察の対応を調べる独立調査委員会の設置については「既存の機関による調査が行われている」と述べて、受け入れない考えを示しました。
香港で警察と若者の間で激しい衝突が相次ぐ中、警察トップに就任したトウ氏は抗議活動にさらに厳しく対処していくとみられます。
※トウは「登」におおざと
中国の共産党系のメディアはトウ氏について、香港で5年前に民主的な選挙を求める抗議活動「雨傘運動」が起きた際に、厳しい取締りを行い強硬派として知られていると伝えています。
トウ氏の任命については香港政府のトップの林鄭月娥 行政長官の指名に基づいて決定したということです。
トウ氏は19日午前、香港で記者会見し、「暴力を一刻も早く抑えることに努力したい。警察のやり方に対する不満があるのも認識しているが一方で支持もされている」と述べました。
そのうえで多くの市民が求めている警察の対応を調べる独立調査委員会の設置については「既存の機関による調査が行われている」と述べて、受け入れない考えを示しました。
香港で警察と若者の間で激しい衝突が相次ぐ中、警察トップに就任したトウ氏は抗議活動にさらに厳しく対処していくとみられます。
※トウは「登」におおざと
日本人男性が逮捕
一方で外交筋によりますと17日の夜、香港理工大学の近くで、抗議活動に関連して20代の日本人男性が警察に逮捕されたということです。
関係者によりますと、香港の警察に身柄を拘束された男性は東京農業大学の3年生の井田光さん(21)だということです。けがはなく、健康状態に問題はないということです。
詳しい容疑などは明らかになっていませんが、当時、大学では学生と警察との間で激しい衝突が続いていました。
一連の抗議活動に関連して日本人が逮捕されたことが分かったのはことし9月に続いて2人目です。
外務省は香港に滞在する日本人に対し、「レベル1」の危険情報を出して抗議活動の現場には近づかないなど、十分、注意するよう呼びかけています。
関係者によりますと、香港の警察に身柄を拘束された男性は東京農業大学の3年生の井田光さん(21)だということです。けがはなく、健康状態に問題はないということです。
詳しい容疑などは明らかになっていませんが、当時、大学では学生と警察との間で激しい衝突が続いていました。
一連の抗議活動に関連して日本人が逮捕されたことが分かったのはことし9月に続いて2人目です。
外務省は香港に滞在する日本人に対し、「レベル1」の危険情報を出して抗議活動の現場には近づかないなど、十分、注意するよう呼びかけています。
そもそもなぜ抗議が始まった?

一連の抗議活動のきっかけは、香港政府が議会にあたる立法会に提出した容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案でした。
中国当局が中国に批判的な活動をする人などの引き渡しを求めるおそれがあるとして反発が広がり、ことし6月9日、民主派の団体が呼びかけたデモに主催者の発表で103万人が参加しました。
その後も抗議活動は続き、一部が過激化する中、香港政府は9月4日、条例の改正案を撤回すると発表し、10月に正式に撤回しました。
ただ、抗議活動が長期化するにつれて、市民の要求は改正案の撤回だけにとどまらず、警察がデモ隊を取り締まる際の対応が適切かどうかを検証する独立調査委員会の設立や、民主的な選挙制度の実現にまで広がっています。
中国当局が中国に批判的な活動をする人などの引き渡しを求めるおそれがあるとして反発が広がり、ことし6月9日、民主派の団体が呼びかけたデモに主催者の発表で103万人が参加しました。
その後も抗議活動は続き、一部が過激化する中、香港政府は9月4日、条例の改正案を撤回すると発表し、10月に正式に撤回しました。
ただ、抗議活動が長期化するにつれて、市民の要求は改正案の撤回だけにとどまらず、警察がデモ隊を取り締まる際の対応が適切かどうかを検証する独立調査委員会の設立や、民主的な選挙制度の実現にまで広がっています。
市民の「5つの要求」

抗議活動に参加する市民が香港政府に対して要求しているのは合わせて5つです。
▽容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案の完全な撤回。
▽6月の抗議活動について「組織的な暴動だ」とした林鄭月娥行政長官の見解の撤回。
▽抗議活動で逮捕・起訴されたデモの参加者や民主派の議員らの釈放と起訴の取り消し。
▽警察によるデモ隊への暴力など 一連の対応が適切だったかどうかを調べる独立調査委員会の設置。
▽行政長官の直接選挙など民主的な選挙の実現。
▽容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案の完全な撤回。
▽6月の抗議活動について「組織的な暴動だ」とした林鄭月娥行政長官の見解の撤回。
▽抗議活動で逮捕・起訴されたデモの参加者や民主派の議員らの釈放と起訴の取り消し。
▽警察によるデモ隊への暴力など 一連の対応が適切だったかどうかを調べる独立調査委員会の設置。
▽行政長官の直接選挙など民主的な選挙の実現。
米国務長官「深く憂慮」

アメリカのポンペイオ国務長官は18日、記者会見し、香港の大学周辺で警察がデモ隊を強制排除していることなどについて、「深く憂慮している。われわれは警察とデモ隊の双方に繰り返し自制を求めており、いかなる暴力も受け入れられない」と述べました。
そのうえでポンペイオ長官は「香港に平穏を取り戻すいちばんの責任は香港政府にあり、取締りだけで混乱と暴力は解決できない。香港政府は市民の懸念にこたえる明確な方策をとらなければならない」と述べ、林鄭月娥行政長官に対して、警察の暴力的な取締りなどを検証する独立した調査の実施を求めました。
さらにポンペイオ長官は「香港の人たちは自由を求めているだけだ」と述べ、中国政府に対して、香港の高度な自治を認める「一国二制度」を守るよう改めて求めました。
そのうえでポンペイオ長官は「香港に平穏を取り戻すいちばんの責任は香港政府にあり、取締りだけで混乱と暴力は解決できない。香港政府は市民の懸念にこたえる明確な方策をとらなければならない」と述べ、林鄭月娥行政長官に対して、警察の暴力的な取締りなどを検証する独立した調査の実施を求めました。
さらにポンペイオ長官は「香港の人たちは自由を求めているだけだ」と述べ、中国政府に対して、香港の高度な自治を認める「一国二制度」を守るよう改めて求めました。
ソース:NHK ニュース