安倍あべ首相しゅしょう ローマ教皇きょうこうと会談かいだん「平和へいわや貧困ひんこん撲滅ぼくめつで協力きょうりょく拡大かくだいを」

安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、日本にっぽんを訪おとずれているローマ・カトリック教会きょうかいのフランシスコ教皇きょうこうと会談かいだんし、日本にっぽんとバチカンは、平和へいわや「核かくなき世界せかいの実現じつげん」、貧困ひんこんの撲滅ぼくめつや人権じんけんなどを重視じゅうしするパートナーだとして、両国りょうこくの協力きょうりょく関係かんけいを一層いっそう拡大かくだいしていきたいという考かんがえを示しめしました。

安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、ローマ・カトリック教会きょうかいのフランシスコ教皇きょうこうと総理そうり大臣だいじん官邸かんていで25日にち午後ごご６ろく時じすぎからおよそ30分間ふんかん、会談かいだんしました。

教皇きょうこうの日本にっぽん訪問ほうもんは、昭和しょうわ56年ねんのヨハネ・パウロ２に世せい以来いらい、38年ねんぶり２に回かい目めです。

冒頭ぼうとう、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは「日本にっぽんとバチカンは、平和へいわ、『核かくなき世界せかいの実現じつげん』、貧困ひんこんの撲滅ぼくめつ、そして、人権じんけんや環境かんきょうなどを重視じゅうしするパートナーだ。今回こんかいの訪日ほうにちを契機けいきとして、バチカンとの協力きょうりょくをさらに拡大かくだいしていきたい」と述のべました。

これに対にたいし、フランシスコ教皇きょうこうは、安倍あべ総理そうり大臣だいじんと平成へいせい26年ねん以来いらい２に回かい目めの会談かいだんとなったことに歓迎かんげいの意いを示しめしました。

会談かいだんでは、ローマ教皇きょうこう庁ちょうが、「使節しせつ」と呼よばれる日本にっぽん駐在ちゅうざいの代表だいひょう者しゃを初はじめて任命にんめいしてから、ことしで100周年しゅうねんとなることを踏ふまえ、日本にっぽんとバチカンの一層いっそうの関係かんけい強化きょうかを図はかるとともに、核軍縮かくぐんしゅくや気候きこう変動へんどうなどの国際こくさい的てきな課題かだいに対にたいする連携れんけいを強化きょうかすることなどを確認かくにんしたものとみられます。

また、北朝鮮きたちょうせんをはじめとする地域ちいき情勢じょうせいについても意見いけんを交かわし、北朝鮮きたちょうせんの完全かんぜんな非核ひかく化かが必要ひつようだという認識にんしきを共有きょうゆうしたうえで、安倍あべ総理そうり大臣だいじんから、拉致らち問題もんだいの早期そうき解決かいけつに向むけた理解りかいと協力きょうりょくを求もとめたものとみられます。

懇談こんだん会かいでは核兵器かくへいき廃絶はいぜつや温暖おんだん化かも議題ぎだいに

フランシスコ教皇きょうこうは午後ごご７なな時じ前まえから、総理そうり大臣だいじん官邸かんていで安倍あべ総理そうり大臣だいじんや各国かっこく大使館たいしかんの代表だいひょうなどが出席しゅっせきする懇談こんだん会かいに出席しゅっせきしました。

この中なかで、フランシスコ教皇きょうこうは、被爆ひばく地ちである長崎ながさきと広島ひろしまをきのう訪問ほうもんしたことを踏ふまえ、「広島ひろしまと長崎ながさきに投下とうかされた原爆げんばくによってもたらされた破壊はかいが二度にどと繰り返くりかえされないよう阻止そしするために必要ひつようなあらゆる仲介ちゅうかいを推し進おしすすめてください」と述のべたうえで、核兵器かくへいきの問題もんだいに多国たこく間かんの枠組わくぐみで取り組とりくむよう訴うったえました。

また、地球ちきゅう温暖おんだん化かの問題もんだいについても触ふれ、「地球ちきゅうは自然しぜん災害さいがいだけではなく人間にんげんの手てによってどん欲どんよくに搾取さくしゅされている」と指摘してきしたうえで、「地球ちきゅうを搾取さくしゅのための所有しょゆう物ぶつとしてではなく、次つぎの世代せだいに手渡てわたすべき貴重きちょうな遺産いさんとして見みるよう求もとめられているのです」と述のべ、国際こくさい社会しゃかい全体ぜんたいで対策たいさくを進すすめるよう呼よびかけました。

フランシスコ教皇きょうこうは、26日にち、出身しゅっしん母体ぼたいである修道しゅうどう会かいの「イエズス会かい」が設立せつりつした上智じょうち大学だいがくで、大学生だいがくせいと交流こうりゅうするなどし、日程にっていを終おえることになります。

ソース：NHK ニュース