米中首脳会談始まる バイデン氏と習氏 対面で会談は1年ぶり
2024-11-17 00:07:39

アメリカのバイデン大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談は、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に合わせて、ペルーの首都リマで16日、日本時間の17日午前6時ごろから始まりました。
両首脳が対面で会談するのは、去年11月以来、1年ぶりです。
今回の会談でアメリカ側は、この1年の間に双方の軍どうしの対話が再開したことや、アメリカで社会問題化している薬物への対策で協力が深まったことなどを振り返りながら、両国間の意思疎通の重要性を確認したいとしています。
そして、中国の台湾周辺での軍事活動や南シナ海での威圧的な行動に懸念を伝えるとともに、ロシアによるウクライナ侵攻などについて協議したいとしています。
アメリカではトランプ次期大統領が来年1月に就任するため、バイデン大統領と習主席による会談はこれが最後になる見通しです。
両首脳は、トランプ次期政権の発足も見すえ、両国関係の安定化に向けて意見を交わすものとみられます。
バイデン氏“対話が判断の誤り防ぎ 両国間の衝突を防ぐ”
アメリカのバイデン大統領は中国の習近平国家主席との会談の冒頭、この1年の間に双方の軍どうしの対話が再開したことなどを挙げて「私たち2人がともに成し遂げた進展を誇りに思う」と評価しました。
そして「私たちは常に意見が一致していたわけではないが、対話はいつも率直なものだった。こうした対話が判断の誤りを防ぎ、両国間の競争を衝突に発展させないようにする。米中は全世界で最も重要な関係で、わたしたちがどのようにうまく対処するかは、世界の国々に影響を及ぼす」と述べて、両国間の対話の重要性を強調しました。
習氏“両国関係の安定的・持続的発展に力を尽くす目標変わらず”
中国の習近平国家主席は、アメリカのバイデン大統領との会談の冒頭で「私は一貫して中国とアメリカの関係は世界で最も重要な2国間関係であり、安定した発展は両国の国民だけでなく人類の将来にも関わると考えている」と述べました。
そして、アメリカで大統領選挙が行われたことに触れて「中国側としては、両国関係を安定的かつ持続的に発展させるために力を尽くすという目標に変わりはない。また、相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力に基づいて両国関係に対処するという原則にも変わりはなく、主権や安全、発展の利益を断固として守るという立場も変わらない。そして、両国の国民の伝統的な友好関係を継続させたいという願いも変わらない」と強調しました。
その上で「中国側はアメリカ政府と対話を継続し協力を発展させ、意見の違いをコントロールして両国関係が穏やかに移行していくよう努力し、両国の国民に幸せをもたらすことを望む」と述べ、アメリカの次期政権とも対話を続けていきたいという姿勢を示しました。