秋篠宮あきしののみやさま 53歳さいに 会見かいけんの全文ぜんぶん

秋篠宮あきしののみやさまは30日にち、53歳さいの誕生たんじょう日びを迎むかえるにあたって記者きしゃ会見かいけんに臨のぞまれました。会見かいけんの全文ぜんぶんです。

（問とい１いち）殿下でんかにお伺うかがいします。殿下でんかは来年らいねん５月ごがつの代替だいがわりに伴ともない、皇位こうい継承けいしょう順位じゅんい第だい１いち位いの皇嗣こうしとなられます。新あらたなお立場たちばへの抱負ほうふをお聞きかせください。公務こうむの在り方ありかたや分担ぶんたんについて、新しん天皇てんのうとなられる皇太子こうたいしさまとどのような話し合はなしあいをされ、殿下でんかがどのようにお考かんがえになられているのか、あわせてお聞きかせください。

（秋篠宮あきしののみやさま）最初さいしょの抱負ほうふということについてですけれども、私わたしは今いままであまり抱負ほうふということは、語かたることは、口くちに出だして言いうことはありません。ただ、何なにかの節目ふしめというよりも、折々おりおりにその抱負ほうふのようなものを考かんがえることというのはあります。

これは抱負ほうふになるのかどうかはわかりませんけれども、これからもさまざまな公的こうてきな仕事しごとをする機会きかいがあります。時ときとして、例たとえば毎年まいとしのように行おこなわれているものなどについては、どうしても前年度ぜんねんどとか、その前まえの機会きかいと同おなじようにすればいいと思おもいがちです。

これは、私わたし自身じしんもそうなんですけれども、やはり、それら一ひとつ一ひとつを、そのつどそのつど考かんがえながら、自分じぶんの仕事しごと、もしくは務つとめを進すすめていくようにしたいと思おもっています。

あと、公務こうむそのものについては、これは、例たとえば天皇てんのうが海外かいがい、外国がいこく訪問ほうもん中ちゅうとかには臨時りんじ代行だいこうということをするわけですね。私わたしは今いままでそれをしたことがありません。

今いまの皇太子こうたいし殿下でんかは、昭和しょうわ時代じだいに一いち度どその経験けいけんがあるわけです。私わたしはしたことがありませんけれども。今後こんごはそういう機会きかいは、必かならず出でてまいります。

一方いっぽう、公的こうてきな活動かつどうについて、来年らいねんの５月ごがつ以降いこう、今いままで皇太子こうたいし殿下でんかが行おこなってきたものというのが、今度こんどは天皇てんのうになられると、それを併あわせてするということはできなくなります。

一方いっぽう、これは昨年さくねんのこの場ばでもお話おはなしをしましたが、私わたしも自分じぶんで行おこなっていることがあります。総裁そうさいとか名誉めいよ総裁そうさいをしているものもあります。それらをそっくり誰だれかに今度こんどは譲ゆずる、引き渡ひきわたすということ、これも、それを受うける先さきはありません。

そのようなことから、今いま、宮内庁くないちょうとして考かんがえていることは、一旦いったんすべて皇太子こうたいし殿下でんかのお仕事しごとを宮内庁くないちょうの方ほうで引き取ひきとって、それを整理せいりをして、それで次つぎに私わたしがどのものをその後そのご、行おこなっていくか、というのを検討けんとうしているところです。おそらくそれはそう遠とおくないうちに、発表はっぴょうされるのではないかと思おもっています。

また、在り方ありかたについては、公的こうてきな活動かつどうについては、今いま、お話おはなししたようなことについての了解りょうかいを皇太子こうたいし殿下でんかと取とったということです。

在り方ありかたというものについては、おそらく、今後こんごもっといろいろ話ばなしをしていかなければいけないんでしょうけれども、分担ぶんたんというか、今いまの皇太子こうたいし殿下でんかと私わたしのものというのは、ある程度あるていどこう今いま、お話おはなししたようにわかれるわけですが、例たとえば宮中きゅうちゅうで行おこなわれる行事ぎょうじ等とうについては、それは平成へいせいの時代じだいにも、行おこない方かたが変かわったり、今いまの両りょう陛下へいかが変かえられたものもあるわけです。

そういうものについては随時ずいじ話合はなしあいを、すでにしているものもありますが、（今後こんごも）していく必要ひつようがあろうかと考かんがえています。

新あらたなお立場たちばへの抱負ほうふ

（問とい１いち）殿下でんかにお伺うかがいします。殿下でんかは来年らいねん５月ごがつの代替だいがわりに伴ともない、皇位こうい継承けいしょう順位じゅんい第だい１いち位いの皇嗣こうしとなられます。新あらたなお立場たちばへの抱負ほうふをお聞きかせください。公務こうむの在り方ありかたや分担ぶんたんについて、新しん天皇てんのうとなられる皇太子こうたいしさまとどのような話し合はなしあいをされ、殿下でんかがどのようにお考かんがえになられているのか、あわせてお聞きかせください。

（秋篠宮あきしののみやさま）最初さいしょの抱負ほうふということについてですけれども、私わたしは今いままであまり抱負ほうふということは、語かたることは、口くちに出だして言いうことはありません。ただ、何なにかの節目ふしめというよりも、折々おりおりにその抱負ほうふのようなものを考かんがえることというのはあります。

これは抱負ほうふになるのかどうかはわかりませんけれども、これからもさまざまな公的こうてきな仕事しごとをする機会きかいがあります。時ときとして、例たとえば毎年まいとしのように行おこなわれているものなどについては、どうしても前年度ぜんねんどとか、その前まえの機会きかいと同おなじようにすればいいと思おもいがちです。

これは、私わたし自身じしんもそうなんですけれども、やはり、それら一ひとつ一ひとつを、そのつどそのつど考かんがえながら、自分じぶんの仕事しごと、もしくは務つとめを進すすめていくようにしたいと思おもっています。

あと、公務こうむそのものについては、これは、例たとえば天皇てんのうが海外かいがい、外国がいこく訪問ほうもん中ちゅうとかには臨時りんじ代行だいこうということをするわけですね。私わたしは今いままでそれをしたことがありません。

今いまの皇太子こうたいし殿下でんかは、昭和しょうわ時代じだいに一いち度どその経験けいけんがあるわけです。私わたしはしたことがありませんけれども。今後こんごはそういう機会きかいは、必かならず出でてまいります。

一方いっぽう、公的こうてきな活動かつどうについて、来年らいねんの５月ごがつ以降いこう、今いままで皇太子こうたいし殿下でんかが行おこなってきたものというのが、今度こんどは天皇てんのうになられると、それを併あわせてするということはできなくなります。

一方いっぽう、これは昨年さくねんのこの場ばでもお話おはなしをしましたが、私わたしも自分じぶんで行おこなっていることがあります。総裁そうさいとか名誉めいよ総裁そうさいをしているものもあります。それらをそっくり誰だれかに今度こんどは譲ゆずる、引き渡ひきわたすということ、これも、それを受うける先さきはありません。

そのようなことから、今いま、宮内庁くないちょうとして考かんがえていることは、一旦いったんすべて皇太子こうたいし殿下でんかのお仕事しごとを宮内庁くないちょうの方ほうで引き取ひきとって、それを整理せいりをして、それで次つぎに私わたしがどのものをその後そのご、行おこなっていくか、というのを検討けんとうしているところです。おそらくそれはそう遠とおくないうちに、発表はっぴょうされるのではないかと思おもっています。

また、在り方ありかたについては、公的こうてきな活動かつどうについては、今いま、お話おはなししたようなことについての了解りょうかいを皇太子こうたいし殿下でんかと取とったということです。

在り方ありかたというものについては、おそらく、今後こんごもっといろいろ話ばなしをしていかなければいけないんでしょうけれども、分担ぶんたんというか、今いまの皇太子こうたいし殿下でんかと私わたしのものというのは、ある程度あるていどこう今いま、お話おはなししたようにわかれるわけですが、例たとえば宮中きゅうちゅうで行おこなわれる行事ぎょうじ等とうについては、それは平成へいせいの時代じだいにも、行おこない方かたが変かわったり、今いまの両りょう陛下へいかが変かえられたものもあるわけです。

そういうものについては随時ずいじ話合はなしあいを、すでにしているものもありますが、（今後こんごも）していく必要ひつようがあろうかと考かんがえています。

平成へいせい30年ねんを振り返ふりかえり

（問とい２に）殿下でんかにお伺うかがいします。天皇てんのう陛下へいかの退位たいいまで５ごか月かげつとなりました。この30年ねんを振り返ふりかえり、平成へいせいとはどのような時代じだいであったと考かんがえ、象徴しょうちょうとしての務つとめを果はたしてこられた天皇てんのう陛下へいかと、支ささえてこられた皇后こうごうさまには、どのような思おもいを抱いだかれているのでしょうか。

（秋篠宮あきしののみやさま）平成へいせいも30年ねん、かなり長ながい期間きかんになります。それをこう振り返ふりかえって総括そうかつするというのは、なかなか私わたしにはできません。

例たとえば、平成へいせいの初はじめのころ、私わたしも日本にっぽんにいなかった時期じきもありますし、例たとえばそういう時ときに、ニュースでベルリンの壁かべの崩壊ほうかいであったりとか、そういうものを見みて、驚おどろいたことはあるわけですが、平成へいせいということですので、日本にっぽんのことになろうかと思おもいます。

そうすると、いくつか思おもい浮うかびますけれど、例たとえば、バブルが崩壊ほうかいして、経済けいざいの低迷ていめいといいますか、失うしなわれた10年ねんとか、その後そのごも含ふくめて20年ねんとか言いわれますけれども、ちょうどそのバブルのころ、それからその後そのごでもって、人々ひとびとの生活せいかつのパターンというのが変かわったなというのは、私わたしなりに何なんとなく感かんじております。

また、これは大変たいへん、残念ざんねんなことではありますけれども、自然しぜん災害さいがいが非常ひじょうに多おおかった。震災しんさいもありました。そして、また近年きんねんは、豪雨ごううであったり豪雪ごうせつもあります。台風たいふうなどでも大おおきな被害ひがいが出でています。そういう自然しぜん災害さいがいが、非常ひじょうに多おおい時代じだいだったなという印象いんしょうがあります。

あとこれは、おそらく1992年ねんのリオデジャネイロのいわゆる「地球ちきゅうサミット」後ごになるのではないかなと思おもいますが、企業きぎょうであるとか、もちろん自治体じちたいもそうですね、それから個人こじんが、非常ひじょうに環境かんきょうというものに関心かんしんを持もつようになり、それぞれが環境かんきょうに対にたいして、どういうことができるかというのを、真剣しんけんに考かんがえるようになった時代じだいだったのではないかと思おもいます。

そして、いろいろなＩＴの発達はったつ、これは、それこそ私わたしなどは、昭和しょうわ時代じだいはワードプロセッサですね、昭和しょうわの終おわりぐらいですよね、で文章ぶんしょうを作つくっていた。それがいつの間いつのまにか、もういわゆるパーソナルコンピュータが普及ふきゅうする、そしてさらに、スマートフォンだいろいろと出でてきました。

以前いぜんでは考かんがえられないぐらい、情報じょうほうが入はいってくるようになり、それからまた、海外かいがいと連絡れんらくする際さいも極きわめて迅速じんそくに、それが行おこなえるようになり、また例たとえば海外かいがいの事情じじょうなども、容易よういに知しることができるようになる。

ある意味いみでは、国くにの国境こっきょうがボーダーレスの時代じだいになったなという印象いんしょうがあります。私わたし自身じしんはまだ、追い付おいついていかないところが少すこしありますけれども、そういう時代じだいだったなと思おもいます。

そして、もう一ひとつ挙あげるとするならば、日本人にっぽんじんが学術がくじゅつや芸術げいじゅつ、それからスポーツなど、さまざまな分野ぶんやで目覚めざましい活躍かつやくをしている時代じだいかと思おもいます。

その次つぎの両りょう陛下へいかのことについてですが、天皇てんのう陛下へいかは即位そくい以来いらい、象徴しょうちょうとはどのようにあるべきかという、その象徴しょうちょうとしての在り方ありかたについて、常つねに模索もさくし考かんがえてこられ、そして、一昨年いっさくねんの８月はちがつに、今いまのお気持きもちというものを表明ひょうめいされましたが、その中なかに全身ぜんしん全霊ぜんれいという言葉ことばがありました。まさしく、その全身ぜんしん全霊ぜんれいでお務つとめを果はたしてこられたと、私わたしは思おもいます。

そして、皇后こうごう陛下へいかは、その陛下へいかのお務つとめ、それから立場たちばを重おもんじ、さらに宮中きゅうちゅうに伝つたわる伝統でんとうを守まもり継承けいしょうしてゆくことに心こころを砕くだかれながら、御ご結婚けっこん以来いらい、非常ひじょうに長ながい期間きかん、60年ねん近ちかくにわたって陛下へいかを支ささえてこられました。これはなかなかできることではないと私わたしは思おもい、お二に方ぽうに深ふかく敬意けいいを表ひょうするところです。

そして、これは少すこし質問しつもんの趣旨しゅしから外はずれると思おもいますけれども、息子むすこの立場たちばとして言いわせていただければ、私わたしは20何なん年ねん、一緒いっしょに過すごしていましたからですけれども、常つねに笑わらいのある、そういう温あたたかい家庭かていを築きずいてくださいました。そのことに感謝かんしゃしたいと思おもいます。

眞子まこさまのご結婚けっこんについて

（問とい３さん）両りょう殿下でんかにお伺うかがいします。眞子まこさまと小室こむろ圭けいさんとのご結婚けっこんに関にかんする行事ぎょうじが２に年ねん延期えんきされ、小室こむろさんはこの夏なつから３さん年ねんの予定よていでアメリカに留学りゅうがくしました。小室こもろ家かをめぐるさまざまな報道ほうどうもありますが、小室こむろさんからどのように聞きき、どう受け止うけとめていらっしゃいますか。眞子まこさまの最近さいきんのご様子ようすとともに、お二に人にんの結婚けっこんについてのお考かんがえや今後こんごの見通みとおしをお聞きかせください。

（秋篠宮あきしののみやさま）小室こむろさんに関かかわること、これが毎週まいしゅうのように週刊しゅうかん誌し等とうで報道ほうどうされていることは、私わたしもすべてをフォローしているわけではありませんが、承知しょうちはしております。

（記者きしゃに質問しつもんを確認かくにんされて）小室こむろさんからの連絡れんらくですか、どうでしょう。２に、３さんか月かげつに一いち度どくらいでしょうか、時々ときどきもらうことがあります。これは、娘むすめと小室こむろさんのことではありますけれども、私わたしは今いまでもその二に人にんが結婚けっこんしたいという気持きもちがあるのであれば、やはりそれ相応そうおうの対応たいおうをするべきだと思おもいます。

まだ、婚約こんやく前まえですので、人ひとの家いえのことについて私わたしが何なにか言いうのは、はばかられますけれども、やはりその今いまお話おはなししたような、それ相応そうおうの対応たいおうというのは大事だいじですし、それから、これは、二に人にんにも私わたしは伝つたえましたが、やはり、今いまいろんなところで話題わだいになっていること、これについてはきちんと整理せいりをして、問題もんだいをクリアするということ（が必要ひつよう）になるかもしれません。

そして、それとともに、やはり多おおくの人ひとがそのことを納得なっとくし、喜よろこんでくれる状況じょうきょう、そういう状況じょうきょうにならなければ、私わたしたちは、いわゆる婚約こんやくに当にあたる「納采のうさいの儀ぎ」というのを行おこなうことはできません。

私わたしが今こんお話おはなしできるのはそれぐらいのことになります。娘むすめの、長女ちょうじょの様子ようすについてですが、（妃殿下ひでんかをご覧ごらんになって）どうでしょうか。

（紀子のりこさま）（殿下でんかを振り向ふりむかれて）私わたしはあとでお話おはなししても。今いまでよろしいでしょうか。（殿下でんかに確たしかめられる）。

（記者きしゃ）眞子まこさまの御ご様子ようすについても、ぜひ、殿下でんかから。

（秋篠宮あきしののみやさま）私わたしは最近さいきんはそれほど、娘むすめと話はなす機会きかいがないので、よくわかりませんけれども、公おおやけの依頼いらいされている仕事しごと、それは極きわめて真面目まじめに取り組とりくみ、一所いっしょ懸命けんめい行おこなっていると思おもいます。

また、平日へいじつは博物館はくぶつかんの方ほうで仕事しごとをしつつ、自分じぶんの関心かんしん、研究けんきゅうテーマを深ふかめていっているのだろうと思おもっております。

（記者きしゃ）質問しつもんの中なかでございました、さまざまな報道ほうどうに関にかんして、小室こむろさんからどのように聞きいていらっしゃるかということについてはいかがでしょうか。

（秋篠宮あきしののみやさま）小室こむろさんから、報道ほうどうについて、その報道ほうどうについてうんぬんという、それ自体じたいについて、私わたしは聞きいておりません。もちろん、ただその中なかに、今いままでにあった中なかで、これは事実じじつとは違ちがうことだ、ということについて説明せつめいがあったということはあります。

ただ、それについて、じゃあ何なにか行動こうどうを今いまするのかどうか、その様子ようすについては、連絡れんらくからうかがうことは、知しることは私わたしはできておりません。

（記者きしゃ）同おなじ質問しつもんになりますけれども、妃殿下ひでんかいかがでしょうか。

（紀子のりこさま）今いま、宮みや様さまから質問しつもんに対にたいして具体ぐたい的てきにお話おはなしをされているところもございますので、もしできましたら、私わたしは母親ははおやとしてどのように受け止うけとめたか、また、娘むすめの様子ようす、そして、どのように感かんじているかについてお話おはなしをしたいと思おもいますが、よろしいでしょうか（記者きしゃにお尋おたずねになり、確認かくにんされる）。

（紀子のりこさま）昨年さくねんの夏なつから、さまざまなことがありました。そして、折々おりおりに、私わたしたちは話合はなしあいを重かさねてきました。そうした中なかで、昨年さくねんの暮くれから、だんだん寒さむくなっていく中なかで、長女ちょうじょの体調たいちょうがすぐれないことが多おおくなりました。そうした状況じょうきょうが長ながく続つづき、長女ちょうじょは大丈夫だいじょうぶだろうか、どのような思おもいで過すごしているだろうかと、私わたしは大変たいへん心配しんぱいでした。

しかし、このような中なかでも、長女ちょうじょは与あたえられた仕事しごとを懸命けんめいに果はたしてきました。ことしの７月しちがつには、公的こうてきな訪問ほうもん、ブラジルへ行いきました。それは日本人にっぽんじんのブラジル移住いじゅう110周年しゅうねんの行事ぎょうじに出席しゅっせきするためでした。

（殿下でんかを振り向ふりむかれて）私わたしたち自身じしんも、以前いぜんにブラジルへ仕事しごとで行いきましたが、その時ときよりも長ながい距離きょりを移動いどうし、大変たいへんな日程にっていであったと思おもいますが、日本人にっぽんじんの移住いじゅう地ちでもある所ところも含ふくめて、14都市としを回まわり、多おおくの人々ひとびとと交流こうりゅうを深ふかめられました。

それからも、都内とないや地方ちほうでのいくつもの行事ぎょうじに出席しゅっせきし、それを一ひとつ一ひとつ心しんを込こめて大切たいせつに全力ぜんりょくで務つとめてきたように私わたしは思おもいます。私わたしは本当ほんとうによく頑張がんばっているなと長女ちょうじょのことを思おもっております。

長女ちょうじょは美術びじゅつや音楽おんがくが好すきなものですから、そして私わたしも好すきで、一緒いっしょに誘い合さそいあって展覧てんらん会かいや音楽おんがく会かいに出でかけることがあります。小ちいさい時ときから、このように一緒いっしょに芸術げいじゅつにふれたり、語り合かたりあったりする時間じかんを持もってきましたが、今いま、以前いぜんにも増まして、このように長女ちょうじょと過すごす時間じかんをとても大切たいせつに感かんじています。

家族かぞくとして非常ひじょうに難むずかしい状況じょうきょうの中なかにありますが、私わたしは長女ちょうじょの眞子まこがいとおしく、かけがえのない存在そんざいとして感かんじられ、これからも、長女ちょうじょへの思おもいは変かわることなく、大切たいせつに見守みまもりたいと思おもっております。

（記者きしゃ）殿下でんかから添そえられることは、お言葉ことばはございますか。

（秋篠宮あきしののみやさま）今いま、妻つまが話はなしましたように、先さきほどの私わたしの抱負ほうふではありませんけれども、本当ほんとうに一ひとつ一ひとつ丁寧ていねいに仕事しごとをしている印象いんしょうは私わたしもあります。

佳子けいこさまについて

（問とい４よん）両りょう殿下でんかにお伺うかがいします。佳子けいこさまの最近さいきんのご様子ようすや大学だいがく卒業そつぎょう後ごのご活動かつどう、ご結婚けっこんについて、どのようにお考かんがえかをお聞きかせください。皇位こうい継承けいしょう順位じゅんい第だい２に位いとなられる悠ゆう仁ひとしさまはことし、広島ひろしまを訪問ほうもんするなど戦争せんそうの歴史れきしと向き合むきあう機会きかいを多おおく持もたれましたが、成長せいちょうをどのように感かんじていらっしゃいますでしょうか。今後こんごの成長せいちょうに寄よせる期待きたいと中学校ちゅうがっこうの進学しんがく先さきについてのお考かんがえもあわせてお聞きかせください。

（秋篠宮あきしののみやさま）最初さいしょに次女じじょのことですけれども、今こん大学だいがくの４よん年生ねんせいになりまして、現在げんざいは卒業そつぎょう論文ろんぶんの作成さくせいに忙いそがしくしているところのようです。私わたしは細こまかいことは知しりませんけれども、夜よる遅おそくまでそれについての作業さぎょうをしている様子ようすがうかがえます。それから…（妃殿下ひでんかをご覧ごらんになる）。

（紀子のりこさま）（殿下でんかを振り向ふりむかれて、確認かくにんされて）ふり返かえりますと、次女じじょの佳子けいこは、ことしの６月ろくがつに英国えいこくから元気げんきに帰国きこくしました。約やく９きゅうか月かげつだったと思おもいます。英国えいこくの滞在たいざい生活せいかつでは、大学だいがくで幅広はばひろい分野ぶんやの講義こうぎを受うけたり、また、休やすみの時ときには海外かいがい、英国えいこくも海外かいがいですが、近ちかくの行いきたいと思おもっていた国くに、スペインやポルトガルへ友人ゆうじんと一緒いっしょに旅行りょこうしたり、さまざまな経験けいけんをしました。

それを通をとおして、次女じじょは自分じぶんの視野しやを広ひろげたり、また、自分じぶんの考かんがえを深ふかめたりする貴重きちょうな機会きかいとなったと思おもいます。この数すうか月かげつをふり返かえりますと、次女じじょもいくつかの公的こうてきな行事ぎょうじに携たずさわりました。

９月くがつには国際こくさい情報じょうほうオリンピックの開会かいかい式しき、その後そのごに手話しゅわパフォーマンス甲子園こうしえんの行事ぎょうじに出席しゅっせきし、そして今月こんげつは中学生ちゅうがくせいたちが自分じぶんたちの経験けいけんを語かたる少年しょうねんの主張しゅちょうの発表はっぴょうを聴ききました。

大学だいがくを卒業そつぎょうしてからは、宮中きゅうちゅう行事ぎょうじに出席しゅっせきすることも多おおくなると思おもいます。これからも、公的こうてきな仕事しごとを心こころを込こめて大切たいせつに果はたしていけるように願ねがっております。

（秋篠宮あきしののみやさま）少すこしダブだぶってしまいますけれども、大学だいがく卒業そつぎょう後ごはですね、次女じじょにもいろいろな公的こうてきな仕事しごとの依頼いらいが来くることが予想よそうされます。長女ちょうじょがそうしているように、次女じじょにも一ひとつ一ひとつ大切たいせつに思おもいながら、それらに取り組とりくんでいってほしいと思おもいます。

もう一ひとつ、これはすでにそういうことがあるのかもしれませんし、私わたしは知しりませんけれども。大学だいがく卒業そつぎょう後ごに大学院だいがくいんへの進学しんがくの希望きぼうを持もっているかどうかも私わたしは存ぞんじませんけれども、公的こうてき私的してきは別べつにしてですね、何なにかこう、ライフワークになるようなもの、それを持もってもらいたいなと思おもっています。

結婚けっこんについてですが、親おやの勝手かってな希望きぼうとしては、それほど遅おそくなくしてくれたらいいとは思おもいますが、こればかりは、やはり御ご縁えんの関係かんけいもありますので、別べつに私わたしからせかしたりすることもしません。いずれ本人ほんにんから何なにか言いってくるかもしれません。そのような状況じょうきょうです。

（紀子のりこさま）結婚けっこんについてですが、これから先さき、もし次女じじょがそのような話はなしがありましたら、次女じじょの考かんがえやその先さきの将来しょうらいのことについての考かんがえを聞きいて、私わたしも必要ひつようなところ、大事だいじだと思おもうことがあれば、お互おたがいの話合はなしあいの中なかで、気持きもちや考かんがえを伝つたえていきたいと思おもいます。

悠ゆう仁ひとしさまについて

（秋篠宮あきしののみやさま）（記者きしゃに質問しつもんを確認かくにんされて）その次つぎは、長男ちょうなんのことでしたかね。長男ちょうなんの成長せいちょう。

（記者きしゃ）広島ひろしまを訪問ほうもんされたり、戦争せんそうの歴史れきしと向き合むきあっていかれたりとか、いろいろありましたので。その成長せいちょうをどのように感かんじていらっしゃるのかという点てんと、今後こんごの成長せいちょうに寄よせる期待きたいと中学校ちゅうがっこうの進学しんがく先さきについてお聞きかせください。

（秋篠宮あきしののみやさま）（妃殿下ひでんかをご覧ごらんになって、悠ゆう仁じん親王しんのう殿下でんかのことをお尋おたずねになって）ことし、学校がっこうであれですか。戦争せんそうのことについて。

（紀子のりこさま）（殿下でんかを振り向ふりむかれて）夏休なつやすみの社会しゃかいの宿題しゅくだいで、歴史れきしについて調しらべた時ときだと思おもいます。

（秋篠宮あきしののみやさま）それで、今いままで長男ちょうなんは沖縄おきなわ、長崎ながさき、小笠原おがさわらに行いっていますけれども、広島ひろしまには今いままで行いったことがなかったんですね。そういう何なにかまとめるに当にあたって、本人ほんにん自身じしんがぜひ、広島ひろしまに行いきたいという希望きぼうを持もって、それで、家内かないと一緒いっしょに行いったわけですね。

そのように、かなり自主じしゅ的てきに動うごくということをするようになってきたと思おもいますし、自分じぶんの意見いけんもはっきり言いうようになったなという印象いんしょうは私わたしにもあります。

一方いっぽう、自分じぶんの主張しゅちょうだけをどんどんするのではなくて、人ひとの話はなしにもきちんと耳みみを傾かたむけるようになってきたなと思おもいます。その延長えんちょう線せん上じょうにあるのかもしれませんが、人ひとのことを思おもいやる気持きもちというのは、以前いぜんよりも増ましてきたなと思おもいます。私わたしが非常ひじょうにおおざっぱではありますけれども、感かんじる成長せいちょうというのはそのようなところですね。（妃殿下ひでんかをご覧ごらんになって）。

（紀子のりこさま）（記者きしゃに質問しつもんを確認かくにんされて）成長せいちょうについてでしょうか。先さきほど宮みや様さまがお話おはなしをされていましたように、学習がくしゅうに対にたいしての取り組とりくみがとても熱心ねっしんだと感かんじています。

小学校しょうがっこうの６ろく年生ねんせいでも夏休なつやすみの宿題しゅくだい・課題かだいが多おおく出だされ、それは７月しちがつに入はいってからでしょうか、（長男ちょうなんは）この課題かだいをどのように進すすめていこうかと、自分じぶんで考かんがえ、広島ひろしまはいつか機会きかいがあった時ときに家族かぞくで訪おとずれることを考かんがえておりましたが、ことしの夏なつということは特とくに予定よていしておりませんでしたが、長男ちょうなんが、できれば（この夏なつに）広島ひろしまを訪おとずれて、資料しりょう館かんや関係かんけい者しゃから話はなしを聞きいてみたいとのことだったので、参まいりました。

ほかにも理科りかの課題かだいも出でまして、火山かざん、地震じしん、防災ぼうさいがテーマだったのですが、それに関かかわるいくつかの場所ばしょにも出でかけました。自分じぶんの夏休なつやすみの過すごし方かたを、長男ちょうなんが自分じぶんで早はやめにいろいろと計画けいかくを立たてて、見通みとおしを持もって行動こうどうする、そのようなことができるようになったと、感かんじました。

成長せいちょうというのかどうかわかりませんが、すてきだなと感かんじていること、以前いぜんよりも変かわったこととして、学校がっこうで帰かえりの時間じかんですが、授業じゅぎょうが終おわったあとの下校げこうするまでの間まの時間じかんを使つかって、子こどもたちと先生せんせい方かたがお互おたがいのいいところに気きづいて言葉ことばにする、これは「いいとこ見みつけ」というのでしょうか、をしています。

そういうこともあるからでしょうか、家いえでも私わたしたちのいいところに気きづいて教おしえてくれたり、ちょっと困こまったり、どうしようかなと考かんがえている時ときには言葉ことばをかけたり、助たすけたりしてくれることがあります。

（秋篠宮あきしののみやさま）（妃殿下ひでんかをご覧ごらんになって）さっきの人ひとを思おもいやるところともつながるかもしれないですね。

（紀子のりこさま）（殿下でんかにうなずかれて）大事だいじな時ときに言葉ことばにすること、思おもうことも大事だいじですが、言葉ことばにして相手あいてに伝つたえることの大切たいせつさを私わたしたちが学まなんでいるような気きもいたします。

あともう一ひとつお話おはなしをしますと、長男ちょうなんは学校がっこうの家庭かてい科かの授業じゅぎょうでお弁当べんとう実習じっしゅうを始はじめ…（とお考かんがえになる）。

（秋篠宮あきしののみやさま）（妃殿下ひでんかを向むかれて、お尋おたずねになって）調理ちょうり実習じっしゅうじゃない？

（紀子のりこさま）（殿下でんかを振り向ふりむかれて）調理ちょうり実習じっしゅうかしら。（長男ちょうなんが）お弁当べんとうを友達ともだちと一緒いっしょに作つくる機会きかいがありました。授業じゅぎょうで学まなんだ料理りょうりやほかにもいろいろな料理りょうりを作つくってくれることが多おおくなりました。

私わたしたちも素直すなおに、「とってもおいしい」、「これはどうやって作つくったのかしら」と話はなしますと、長男ちょうなんは本当ほんとうにうれしそうに、この食材しょくざいと、この調味ちょうみ料りょうを使つかって作つくったんだよと…（その時ときのことを思い起おもいおこされる）。

（秋篠宮あきしののみやさま）（妃殿下ひでんかをご覧ごらんになって）あと自家じか製せいの野菜やさいも。

（紀子のりこさま）（殿下でんかとうなずかれて）野菜やさい作づくりしていますので、そうした野菜やさいを取り入とりいれたり。私わたしたちがリクエストをすると、それにけなげに応こたえてくれます。

いくつかお話おはなしをしましたが、学習がくしゅうの面めん、生活せいかつの面めんでさまざまな成長せいちょうがことしも感かんじられました。

（秋篠宮あきしののみやさま）あと、進学しんがく先さきについては、今いまもう11月つきの末すえになりますので、そう遠とおくないうちに発表はっぴょうされることと思おもいます。それこそ進学しんがく先さきはいい教育きょういくをしてくれるところだといいなと、親おやとしては思おもっています。

（紀子のりこさま）進学しんがく先さきについての考かんがえということですが、進学しんがく先さきについては、４よん年生ねんせい、５ご年生ねんせいごろからでしょうか、少すこしずつ話し合はなしあって、長男ちょうなん自身じしんの考かんがえや希望きぼうなどを聞きくことがありました。

学校がっこうでも進路しんろについて、さまざまに考かんがえる機会きかいを設もうけてくださいました。例たとえば、５ご年生ねんせいの時ときには、お茶の水女子大学おちゃのみずじょしだいがく附属ふぞく小学校しょうがっこうの卒業そつぎょう生せいである大学生だいがくせいが小しょう学校がっこうを訪たずねて、そして自分じぶんたちが進路しんろに対にたいしてどういう考かんがえを持もったか、進すすんだ中なか学校がっこう、高校こうこう、大学だいがくでどういう生活せいかつをしていたか、そのように語かたる時間じかんがありまして、その時ときに子こどもたちは、卒業そつぎょう生せい、自分じぶんたちの先輩せんぱいにいろいろな質問しつもんをして、それにお兄にいさん、お姉ねえさんたちが丁寧ていねいに答こたえてくださいました。

小学校しょうがっこうのこのような時間じかん以外いがいにも、いろいろな中なか学校がっこうがあって、特徴とくちょうがあって、カリキュラムや課外かがい活動かつどうがあることも知しる機会きかいがありました。

こうした中なかで、長男ちょうなんが自分じぶんの考かんがえを深ふかめることを大事だいじにしてまいりました。中学校ちゅうがっこうでどのようなことを学まなびたいか、どのような活動かつどうをしたいか、今いま、学校がっこうや家庭かていでどのように過すごしたいか、そのようなことを長男ちょうなんはいろいろと考かんがえ、その意見いけんや希望きぼうを聞ききつつ、話し合はなしあい、進学しんがく先さきについて考かんがえてきました。

これからも長男ちょうなんの語かたる言葉ことばに耳みみを傾かたむけて、思おもいや気持きもちを大事だいじに受け止うけとめられるよう、成長せいちょうを見守みまもっていきたいと思おもっています。

（秋篠宮あきしののみやさま）（記者きしゃに質問しつもんを確認かくにんされて）あとは期待きたい？

（記者きしゃ）今後こんごの成長せいちょうへの期待きたい。

（秋篠宮あきしののみやさま）いろいろあると思おもいますし、なかなか期待きたいというと、本人ほんにんにも重荷おもにになることもあるので、どっちかというと、こうなってくれたらいいなと私わたしが思おもっていることとして、その中なかの一ひとつを挙あげますと、どうしても何なにか物事ものごとを見みる時ときに、一いち面めん的てきに見みがちなことがあると思おもいます。

やはりさまざまなことというのは、いろいろな視点してんを変かえて見みると、全然ぜんぜん違ちがうところというのが出でてきます。私わたしは長男ちょうなんには、何なにか物事ものごとを見みる時ときに一いち面めん的てきではなくて広ひろい視野しや、多角たかく的てきに見みられるようになってほしいなという希望きぼうがあります。

（紀子のりこさま）小学生しょうがくせいから中学生ちゅうがくせいへと、おそらく学習がくしゅう環境かんきょうや生活せいかつ環境かんきょうが大おおきく変かわるところ、また、心身しんしん面めんの成長せいちょうでも変化へんかが見みられる時期じきでもあると思おもいますので、少すこしずつ新あたらしい生活せいかつに慣なれていけるよう、また、子こどもの成長せいちょうを支ささえていけるように努つとめたいと思おもっています。

この１いち年ねん 印象いんしょうに残のこった出来事できごとは

（問とい５ご）殿下でんかにお伺うかがいします。この１いち年ねんを振り返ふりかえり、印象いんしょうに残のこる出来事できごととご感想かんそうをお聞きかせください。

（秋篠宮あきしののみやさま）この１いち年ねんもいろいろありました。まず先さきほどと少すこし重かさなりますけれども、自然しぜん災害さいがいが非常ひじょうに多おおい年としでした。それは地震じしんもありましたし、台風たいふうもありましたし、それから豪雨ごううもあったわけですね。

私わたし自身じしんはそれらの災害さいがいがあった場所ばしょとしては、広島ひろしま県けんに参まいりました。まず最初さいしょに驚おどろいたといいますか、広島ひろしまの空港くうこうを出でて、それから行おこなった場所ばしょが坂町さかまちになります。済生会さいせいかい病院びょういんですけれども。

高速こうそくに乗のった時ときにいろいろなところで土砂崩どしゃくずれ、大おおきい土砂崩どしゃくずれがあって、しかも道みちにも流ながされてきた木きがあって。こういう場所ばしょだということをですね、ふだんなにげなく広島ひろしまの空港くうこうから街まちなかに出でる時ときに高速こうそく道路どうろに乗のっていますが、改あらためてその地形ちけいをその時ときに認識にんしきしました。

また、被害ひがいが大おおきかった小屋こや浦うらの方ほうにも行いきまして、そこで避難ひなんしている人ひとたちとも話はなしをする機会きかいがありました。やはり避難ひなんしている人ひとたちにとってもこれほどの大おおきい災害さいがいになるとは思おもってもいなかったという声こえが、何なん人にんかの人ひとからありました。

確たしかに川かわの脇わきを歩あるいていると、その川かわの水量すいりょうが上あがって、しかも流木りゅうぼくが流ながれてきたり、そのほかでもって大おおきい被害ひがいが出でたわけですが、水みずの力ちからというのが、これほどまでにすごいのかということを改あらためて私わたしは認識にんしきしました。

そして、今後こんごどのようにして防災ぼうさい、そして減げん災わざわいをしていくかというのを、今いま、日本にっぽん中ちゅうどこでもその可能かのう性せいはあるわけですので、それを考かんがえていかないといけないということを再度さいど、思おもいを新あらたにしました。

また、ことしは日本人にっぽんじんがハワイに移住いじゅうして150年ねんになります。私わたしは今いままで、ハワイはホノルルの空港くうこうしか知しりません。トランジットのため。ですから今回こんかい、現地げんちに行いって、それから日系にっけい社会しゃかいの人ひとたちと話はなしをし、その人ひとたちが小ちいさかったころの話はなし（を聞きいたり）、それから（日系にっけい社会しゃかいの人ひとたちは）今こん８はち世せいまでいるわけで、８はち世せいはまだ小ちいさいお子おこさんでしょうけれども、いて、その人ひとたちが日本にっぽんについて思おもっていることであったりとか、さまざまなことを聞きく機会きかいになるとともに、本当ほんとうにホノルルの近辺きんぺんだけですけれども、かなり音楽おんがくであったりとか、歌うたであったりとか、それから植物しょくぶつ利用りようであったりとか、さまざまなことを私わたし自身じしん知しることができて、大変たいへん良よい機会きかいだったと思おもいます。

いろいろそのほかありますけれども、ことしはノーベル生理学せいりがく・医学いがく賞しょう、本ほん庶佑たすくさんの受賞じゅしょうが決きまりました。最近さいきんは日本人にっぽんじんで受賞じゅしょうする人ひとも多おおくて、「ことしも」ということになってくるんだと思おもいますが、もちろん、そのいわゆる免疫めんえきチェックポイント阻害そがい剤ざいですね、オプジーボ。まだまだおそらく課題かだいはたくさんあると思おもいますけれども、今後こんごの悪性あくせい新しん生物せいぶつに対にたいする一ひとつの柱はしらになっていくことが期待きたいされるのではないかと思おもいます。

そしてあとは、先さきほども日本人にっぽんじんの活躍かつやくということをお話おはなししましたが、若わかい世代せだいの人ひとが非常ひじょうに活躍かつやくした年としだったなと思おもいます。少すこしだけ例れいを挙あげれば、将棋しょうぎで藤井ふじい聡さとし太ふとしさんもそうですし、15歳さいでしたかね。それから、オセロゲームも大幅おおはばに記録きろくが更新こうしんされて、11歳さいの福地ふくち啓介けいすけさんですか、が世界せかいタイトルを取とられたという、そしてテニスの大坂おおさかなおみさんが、日本人にっぽんじんとしては初はじめてですかね、グランドスラムの全米ぜんべいのシングルス優勝ゆうしょう、その他そのたもろもろオリンピック・パラリンピックもありましたし、いろいろな分野ぶんやで若わかい世代せだいの人ひとたちの活躍かつやくが目立めだち、これはほんとに明あかるい話題わだいだったと思おもいます。

即位そくいの行事ぎょうじや儀式ぎしきについて

（関連かんれん質問しつもん１いち）殿下でんかにお尋おたずねいたします。お代替だいがわりに関にかんする日程にっていや規模きぼについて、いろいろ宮内庁くないちょうの方ほうでも発表はっぴょうがあり、決きまりつつありますが、先さきほど殿下でんかには皇嗣こうしとなられる公務こうむの在り方ありかたについてのお考かんがえをお聞ききしましたが、即位そくいの行事ぎょうじや儀式ぎしきについてもお考かんがえがあればお聞きかせいただきたく思おもいます。

（秋篠宮あきしののみやさま）行事ぎょうじ、そういう代替だいがわりに伴ともなう行事ぎょうじで、いわゆる国事こくじ行為こういで行おこなわれる行事ぎょうじ、それから皇室こうしつの行事ぎょうじとして行おこなわれるものがあります。

国事こくじ行為こういで行おこなわれるものについて、私わたしが何なにかを言いうことができるかというと、なかなかそういうものではないと思おもいます。そういうものではないんですね。

一方いっぽう、皇室こうしつの行事ぎょうじとして行おこなわれるものについてはどうか。これは、いくつかのものがあるわけですけれども、それについては、ある程度あるていど、例たとえば私わたしの考かんがえというものもあってもよいのではないかなと思おもっています。

（記者きしゃ）具体ぐたい的てきに。

（秋篠宮あきしののみやさま）具体ぐたい的てきにもし言いうのであれば、例たとえば、即位そくいの礼れいは、これは国事こくじ行為こういで行おこなわれるわけです、その一連いちれんのものは。ただ、大嘗祭だいじょうさいについては、これは皇室こうしつの行事ぎょうじとして行おこなわれるものですし、ある意味いみの宗教しゅうきょう色しょくが強つよいものになります。

私わたしはその宗教しゅうきょう色しょくが強つよいものについて、それを国費こくひで賄まかなうことが適当てきとうかどうか、これは平成へいせいの時ときの大嘗祭だいじょうさいの時ときにもそうするべきではないという立場たちばだったわけですけれども、そのころはうんと若わかかったですし、多少たしょう意見いけんを言いったぐらいですけれども。

今回こんかいも結局けっきょく、その時ときを踏襲とうしゅうすることになったわけですね。もうそれは決きまっているわけです。ただ、私わたしとして、やはりこのすっきりしない感かんじというのは、今いまでも持もっています。

整理せいりの仕方しかたとしては、一ひとつの代だいで一いち度どきりのものであり、大切たいせつな儀式ぎしきということから、もちろん国くにもそれについての関心かんしんがあり、公的こうてき性格せいかくが強つよい、ゆえに国くにの国費こくひで賄まかなうということだと。平成へいせいの時ときの整理せいりはそうだったわけですね。

ただ、今回こんかいもそうなわけですけれども、宗教しゅうきょう行事ぎょうじと憲法けんぽうとの関係かんけいはどうなのかという時ときに、それは、私わたしはやはり内廷ないてい会計かいけいで行おこなうべきだと思おもっています。今いまでも。

ただ、それをするためには相当そうとうな費用ひようが掛かかりますけれども。大嘗祭だいじょうさい自体じたいは、私わたしは絶対ぜったいにすべきものだと思おもいます。ただ、そのできる範囲はんいで、言いってみれば身の丈みのたけにあった儀式ぎしきにすれば。少すくなくとも皇室こうしつの行事ぎょうじと言いっていますし。そういう形かたちで行おこなうのが本来ほんらいの姿すがたではないかなと思おもいますし、そのことは宮内庁くないちょう長官ちょうかんなどには、かなり私わたしも言いっているんですね。

ただ、残念ざんねんながらそこを考かんがえること、言いってみれば話はなしを聞きく耳みみを持もたなかった。そのことは私わたしは非常ひじょうに残念ざんねんなことだったなと思おもっています。

眞子まこさまと小室こむろさんについて

（関連かんれん質問しつもん２に）眞子まこさまと小室こむろさんの御ご結婚けっこんに関にかんする質問しつもんのお答おこたえの中なかで、「相応そうおうの対応たいおう」ということを仰おっしゃられましたけれども、これは、お二に人にんの結婚けっこんの意思いしが今いまも非常ひじょうに堅かたくて、そのお気持きもちを今後こんごも支ささえていかれるというふうに受け止うけとめてもよろしゅうございますでしょうか。

（秋篠宮あきしののみやさま）それとは少すこし違ちがい、それを支ささえていくという意味いみでお話おはなししたのとは違ちがいます。あの時ときの質問しつもんは、おそらく小室こむろさんについての報道ほうどうのことと、それから連絡れんらくを受うけてという、それについての私わたしの答こたえでしたけれども、やはりそれ相応そうおうの対応たいおうというのはこちらの対応たいおうではなく、相手あいて側がわの対応たいおうですね。

そのあとにお話おはなししましたように、やはりきちんと、どういうことなんだということを説明せつめいをして、そして多おおくの人ひとに納得なっとくしてもらい喜よろこんでもらう状況じょうきょうを作つくる、それが「相応そうおうの対応たいおう」の意味いみです。

ソース：NHK ニュース