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景気けいき回復かいふく なぜ実感じっかんないのか?

2019-01-29 08:52:11

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「アベノミクス」とばれる経済けいざい政策せいさくほぼときおなじくしてはじまった今回こんかい景気けいき回復かいふく世界せかい経済けいざい回復かいふくつづき、好調こうちょう企業きぎょう収益しゅうえきけん引けんいんするかたち戦後せんご最長さいちょうたっした可能かのうせいたかまりました。一方いっぽう家計かけいにとっては恩恵おんけいけている実感じっかんとぼしいのが実情じつじょうで、専門せんもんからは「最長さいちょうだが、さいじゃく景気けいき」という評価ひょうかかれます。どうしてでしょうか。

給料きゅうりょう↑も“自由じゆう使つかえるお金おかねびず

まず、総務そうむしょうの「家計かけい調査ちょうさ」でにん以上いじょう勤労きんろうしゃ世帯せたい自由じゆう使つかえるお金おかね、「処分しょぶん所得しょとく」の推移すいいてみます。

これまで景気けいき回復かいふく最長さいちょう記録きろくだった「いざなみ景気けいき」の終盤しゅうばんにあたる平成へいせい19ねんにはひと月ひとつき平均へいきん44まん2000えんあまでしたが、おととしひと月ひとつき平均へいきん43まん4000えんあまりと、わずかに減少げんしょうしています。

これに対にたいして「社会しゃかい保険ほけんりょう」の負担ふたんは、平成へいせい19ねんひと月ひとつき平均へいきんよんまん7000えん程度ていどなのに対にたいし、おととしひと月ひとつき平均へいきんおよそまん6000えんまでえています。

政府せいふ経済けいざいかいに対にたいして繰り返くりかえ賃上ちんあげを要請ようせいし、企業きぎょうこれこたえるかたちでベースアップやボーナス増額ぞうがくうごひろがってきました。

しかし社会しゃかい保険ほけんりょうなどの負担ふたんえているため、多少たしょう給料きゅうりょうがっても自由じゆう使つかえるお金おかねおおきくびず、生活せいかつゆたになった実感じっかんられにくい要因よういんひとつになっているのです。

非常ひじょうゆるやか成長せいちょう 実感じっかんむずかしい

また経済けいざい成長せいちょういきお自体じたい非常ひじょうゆるやかであることも要因よういんひとつです。

内閣ないかくによりますと、東京とうきょうオリンピックのよくねん昭和しょうわ40ねん11つきから昭和しょうわ45ねん7月しちがつまでよんねんきゅうか月かげつつづいた「いざなぎ景気いざなぎけいき」では、実質じっしつGDPじ-でぃ-ぴ-平均へいきん成長せいちょうりつは11.5%。「バブル景気けいき」では5.3%でした。

これに対にたいし、今回こんかい景気けいき回復かいふくでは平均へいきんで1.2%にとどまっています。日本にっぽん平成へいせい22ねんGDPじ-でぃ-ぴ-総額そうがく中国ちゅうごくかれ、アメリカ世界せかいだい経済けいざい大国たいこく明け渡あけわたしました。

その後そのごおととしには中国ちゅうごくGDPじ-でぃ-ぴ-総額そうがく日本にっぽんおよそ2.5ばいまで拡大かくだい。10ねんかからずに、日本にっぽんばい以上いじょう経済けいざい規模きぼ成長せいちょうしたことになります。

中国ちゅうごくきゅう成長せいちょうげる一方いっぽうてい成長せいちょうつづ日本にっぽんは、「右肩みぎかたがり」とわれた時代じだいのように景気けいき回復かいふく実感じっかんことはむずかしくなっています。

主婦しゅふ献立こんだてにんぶん 250えん以内いないに」

東海とうかい地方ちほう32さい専業せんぎょう主婦しゅふは、会社かいしゃいんおっといちさいむすめ家族かぞくさんにんらしていますが、景気けいき回復かいふく実感じっかんはわかないといます。

去年きょねんおっと給料きゅうりょうすこがりましたが、厚生こうせい年金ねんきん健康けんこう保険ほけんといった社会しゃかい保険ほけんりょう負担ふたんがくつきに5000えん以上いじょうえ、自分じぶんたちで使つかえるお金おかね処分しょぶん所得しょとくほとんどわらなかったということです。

さらに、小麦粉こむぎこ大豆だいず製品せいひんなど身近みぢか食品しょくひん値上ねあげも相次あいつなか家計かけいをやりくりするためいち週間しゅうかん食費しょくひを3000えん以内いないおさえる「節約せつやくレシピ」に、取り組とりくんでいます。

たとえばある献立こんだてはチンジャオロースーふういたぶつとおでんですが、豚肉ぶたにくわり下味したあじけた「かにかま」を、ピーマンのわりに「白菜はくさい」を使つかいます。

この季節きせつよくつくというおでんでは、トマトかんれてアレンジするなどあじきがこないような工夫くふうもしています。

購入こうにゅうする食材しょくざいいくつかのスーパーをまわっていちえんでもやすものをえらび、もらい物もらいもの食材しょくざい最大限さいだいげん活用かつようすることで、この献立こんだて場合ばあい、おとなにんぶんで250えん以内いないおさえたということです。

こうしたレシピを自分じぶんのブログに公開こうかいし、おなように節約せつやく取り組とりくひとたちから反響はんきょうをもらうことが、たのしみになっているということです。

この女性じょせいは、「景気けいき回復かいふくわれても実感じっかんはないです。できるだけ生活せいかつ切り詰きりつめたいとおもっていて、わなくてもよいものはわないようにしたい」とはなしていました。

弁当べんとうチェーン「のり弁当べんとう中身なかみそのまま50えん

節約せつやく志向しこうつづなか大手おおて弁当べんとうチェーンでは主力しゅりょく商品しょうひんおかずりょうやしながら、価格かかく引き下ひきさげに踏み切ふみきりました。

およそ2700てん展開てんかいする弁当べんとうチェーンの「ほっともっと」は、去年きょねんりの「から弁当べんとう」で、からげのかずろくやすのと同時どうじ都市としでの価格かかくを520えんから490えん値下ねさげしました。

このほか売れ筋うれすじの「のり弁当べんとう」は中身なかみそのまま都市としで50えん値下ねさげし、300えんにしました。

オフィスそとはたらひとたち、それ家庭かていへの持ち帰もちかえきゃくにも好評こうひょうだとことで、既存きそんてん売り上うりあげは先月せんげつまでろくか月かげつ連続れんぞくまえとし上回うわまわっているということです。

弁当べんとうチェーン運営うんえい会社かいしゃ古賀こが雅也まさや広報こうほう室長しつちょうは、「景気けいき回復かいふくわれるが、消費しょうひしゃ節約せつやく志向しこう根強ねづよく、品質ひんしつ価格かかくバランス非常ひじょうにシビアにかんがえているきゃくおおかんじる。こうしたニーズにこたえるよう努力どりょくつづけたい」とはなしています。

スーパー 価格かかく10%~20%引き下ひきさ

メーカーによる身近みぢか食品しょくひん値上ねあげが相次あいつなか小売こう業界ぎょうかいでは節約せつやく志向しこうつよ消費しょうひしゃ呼び込よびこもうと、あえて値下ねさげに踏み切ふみきうごています。

松山まつやま本社ほんしゃがあり、四国しこく中国ちゅうごく地方ちほうで100店舗てんぽちかのスーパーなど展開てんかいする「フジ」は、去年きょねん5月ごがつ若手わかて子育こそだ世代せだいよく購入こうにゅうする加工かこう食品しょくひん値下ねさげしました。

期間きかんもうけない「常時じょうじ値下ねさげ」で、冷凍れいとう食品しょくひんやペットボトル飲料いんりょうなど300品目ひんもく対象たいしょうに、価格かかくを10%から20%程度ていど引き下ひきさげました。

その結果けっか値下ねさげした商品しょうひん販売はんばい個数こすうえ、来店らいてん客数きゃくすう落ち込おちこみをふせ効果こうかもあったということで、「常時じょうじ値下ねさげ」の対象たいしょうにち用品ようひんペット用品ようひんなどにもひろげ、いまでは当初とうしょさんばい以上いじょうの1000品目ひんもくのぼっています。

フジの山口やまぐちひろし社長しゃちょうは「店頭てんとうでは景気けいき回復かいふく実感じっかんできるお客おきゃくうごにはなっていない。節約せつやく消費しょうひづき、業態ぎょうたいえた競争きょうそう拡大かくだいするなかお客おきゃく支持しじためには、価格かかく対応たいおうをしていく必要ひつようある」とはなしていて、会社かいしゃではさらに値下ねさ品目ひんもくやすことを検討けんとうしています。

技術ぎじゅつ革新かくしん 景気けいき回復かいふく一因いちいん

過去かこ長期ちょうきかんつづいた景気けいき回復かいふく分析ぶんせきすると、その背景はいけい技術ぎじゅつ革新かくしんによってしん商品しょうひんしんサービスまれ、急速きゅうそくひろまったという共通きょうつうてんがみられます。

内閣ないかくのまとめによりますと、1960年代ねんだい高度こうど経済けいざい成長せいちょうまっただ中まっただなかの「いざなぎ景気いざなぎけいき」では自動車じどうしゃカラーテレビそれクーラーが「しん三種さんしゅ神器じんぎ」とばれて庶民しょみんあこがれのまととなり、普及ふきゅうはじまりました。

1980年代ねんだいの「バブル景気けいき」では、家電かでん製品せいひんくるま性能せいのう大幅おおはば向上こうじょうし、乗用車じょうようしゃ世帯せたい普及ふきゅうりつが80%ちかに、エアコンの普及ふきゅうりつも60%をえました。

2000年代ねんだいいわゆるいざなみ景気けいき」ではあいてぃ-革命かくめい進展しんてんでインターネットの利用りようりつやパソコンの普及ふきゅうりつが70%程度ていどたっしました。

そして今回こんかい景気けいき回復かいふくでは、スマートフォンの世帯せたい普及ふきゅうりつが80%ちかまで上昇じょうしょうしたほか、インターネットショッピングの利用りようりつびています。

技術ぎじゅつ革新かくしんによってまれたしん商品しょうひんしんサービス人々ひとびと消費しょうひ後押あとおしするとともに、ライフスタイルの変化へんかやビジネスチャンスの拡大かくだいなどをもたらし、景気けいき回復かいふくけん引けんいんする要因よういんひとつになっていることがうかがえます。

専門せんもんおおくのひとつぎがるかも” 貯蓄ちょちくまわだい

いま景気けいき回復かいふく期間きかん戦後せんご最長さいちょうとなった可能かのうせいたかまったことについて、明治めいじ安田やすだ生命せいめい小玉こだま祐一ゆういちチーフエコノミストは「回復かいふくいきお自体じたい非常ひじょうよわことにくわえ、びている成長せいちょうりつ半分はんぶん程度ていど輸出ゆしゅつ依存いぞんしていて、個人こじん消費しょうひ成長せいちょうりつ貢献こうけんしている度合どあいが非常ひじょうちいさいのが特徴とくちょうだ。家計かけいしあわかんじるどうかは賃金ちんぎん消費しょうひどれだけびるかにかかっているので、実感じっかんがないのも当然とうぜんだ」と分析ぶんせきしています。

そのうえで、「ここすうねん企業きぎょう業績ぎょうせきがよく、賞与しょうよがっているが、おおくのひとつぎがるかもしれないとおもので、貯蓄ちょちくまわ部分ぶぶんおおきく安定あんていてき消費しょうひびにはつながらない。所得しょとくなか社会しゃかい保険ほけんりょう税金ぜいきんめる割合わりあいがってきているので、毎月まいつき給料きゅうりょう着実ちゃくじつがることが重要じゅうようだとおも」と指摘してきしました。

また景気けいき先行さきゆきについては「成長せいちょうめる輸出ゆしゅつ割合わりあいたか貿易ぼうえき摩擦まさつ影響えいきょう中国ちゅうごく経済けいざいかなり減速げんそくし、欧州おうしゅう経済けいざい減速げんそくしてきているので、日本にっぽん景気けいき回復かいふくいつまでつづかは、アメリカ経済けいざいがいつまで好調こうちょうたもかにかかっている」とはなしています。
ソース:NHK ニュース